今回の映画よかったなぁ、やっぱスクリーンだと見ごたえあるよね。というわけでサイト訪問者も増えているようだし聖王国編のおさらい、旧記事リンクはこちら
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では、いつものルール解説を
"また馬などの騎乗動物に乗る者がいないどころか、運搬に使ってすらいない。これは一部のアンデッドが動物を恐怖させる能力を持つため、対峙するアンデッドによっては、馬などが暴走して手がかかるという理由があってのことだ" 上巻33p
スペクターやレイスの持つ能力《異様なオーラ/Unnatural Aura》、動物はこのオーラに気づき範囲30フィート内には近づこうとはせず、そうすることを強要すれば恐慌状態となり全力で逃げ出す。
"同族作りの能力を持つアンデッドの仕業だった場合、適切な処置を施さないと殺された者がアンデッドとなってしまう恐れがある" 上巻64p
ヴァンパイア、ワイト、モーグ、レイス、シャドウなどのアンデッドの持つ能力《同族作り/Create Spawn》、同名で纏められている能力ではあるが、その仕様は各クリーチャーにより様々である。殺されてから数日後にゾンビや吸血鬼として復活するものもあれば、レイスに仲間が殺されると数ラウンド後にレイスとして復活、襲いかかってくると言うマジで止めてパターンもある。
"カンデロンと同じように全身鎧を着用した男が無言で歩いてくる。タワーシールドと言われる大きな盾を持ち、メイスを持っている" 上巻44p
"運搬人たちの背負子は薄いとはいえ鉄板が入っており、タワーシールドのように完全な遮蔽を取ることが出来る" 上巻48p
タワー・シールド、通称"タワシ"はおっきな木製の盾である。そのACボーナスは+4とヘヴィ・シールドの倍もあり、また構えることにより完全遮蔽を得ることが可能。基本クラスの内、タワシを標準で習熟しているのはクラス:ファイターのみであり、戦士はこれをぜひとも活用したいところだろうが、タワシは大きくかさばるため攻撃時命中に-2のペナルティが付くという大きな欠点があるのが悩ましい所。
低レベル時にたったの30gpでAC+4はタンク職として非常に魅力的だが、もともとからして命中の安定しない低レベルで攻撃-2ペナでは、それこそ敵前で突っ立ってるだけの木偶の坊になりかねない(キングメーカーのヴァレリーを思い出してほしい)。なおサプリメント『石の種族』にてタワシ習熟の代わりに他の特殊盾の習熟を得るという代替ルールが出てきて以降、殆どのファイターが特殊盾エクストリーム・シールド(AC+3)に鞍替えし、ただでさえ少なかったタワシ使いもほぼ絶滅した。
"その中央には査察官。いざという時は魔法を使うつもりなのだろう。聖印を片手に持ち、周囲を見渡している" 上巻48p
D&D系のクラス:クレリックは呪文発動時に焦点具として《聖印/Holy Symbol》を使用する、またアンデッド退散にもこれを掲げる必要がある。つまりクレリックは戦闘時にも片手を開けられるようにする必要があり、武器を落とさないようにするため「メイスにストラップ付けて手首からぶら下げれるようにしていい?」などとDMに聞くプレイヤーも当時は見られたが、後発サプリメントにて手が使えるガントレット・シールドや盾や鎧に聖印を埋め込む追加ルールが出て以降、このような細事でDMを困らす事も無くなった。
オバロでは現地勢の神官がたまに聖印を掲げているシーンがあるが、ナザリックのシャルティアやルプーが聖印を使用していた描写は記憶にない……これもユグドラシルと転移後の世界の相違点か?
"「〈第三位階怪物召喚〉」 黒い毛皮の大きな狼が一頭、エンヴァリオの前に姿を見せた" 上巻61p
プレイヤーズ・ハンドブックを紐解くまでもない、「summon monster 3 SRD」でググればすぐに出てくる。サモン・モンスターIII呪文により下方次元界から召喚したヘル・ハウンドで間違いないだろう。
ヘル・ハウンドは種別:来訪者/Outsiderであり、基本的にはアケロンや九層地獄に住むモンスターだが、物質界に住み着き繁殖している個体もいるという。暗視、鋭敏嗅覚、特技 《追跡》持ち、隠れ身&忍び足&追跡時の判定にボーナスあり。また動物や魔獣に比べ知力も高く会話できずとも意思疎通は可能なので、スカウトサポートとして非常に優秀。
"召喚されたのは毛皮がほのかに光る大型の熊。それが一頭" 下巻85p
同じくサモン・モンスターIII呪文召喚リストにあるセレスチャル・ブラック・ベアであろう。
セレスチャル種は上方次元界(雑に言えば色々な天国)に住むクリーチャーであり、種別は動物ではなく魔獣となる。また通常クマの能力に追加で[酸][雷撃][冷気]に対する抵抗や特殊攻撃:悪を討つ一撃(オバロでの聖撃)を持つ。これを踏まえての対スケリトルドラゴン、アンデッド向け壁タンクとしての起用と思われる……が、実はセレスチャル・ブラック・ベアのサイズは大型ではなく中型、サモン・モンスターIIIで召喚できるモンスターの内でもかなり弱い方であり、このような状況であれば選択はセレスチャル・バイソン一択であろう(黒熊より2Lv高く大型サイズ、魔化されてない武器に対する物理耐性も持つ)。まあ光る野牛よりかは熊の方がイメージしやすいのでこのような改変調整(クマ大型化)を行ったのと思われる。
また今回、エンヴァリオは善悪それぞれの属性/アライメントを持つクリーチャーを召喚出来ていた為、エンヴァリオ自身の属性(カルマ)は中立と考えられる。
"森渡りみたいな特殊能力を持っていないなら足跡は絶対に地面に残ると思うんだよね? それと地面を割って出て来たという様子もない。つまり――" 上巻66p
食い荒らされた死体と地面に割れた跡があれば、それは十中八九ブレイ(ランドシャーク)がメインタンクブロー急浮上して襲いかかってくるフラグである。また場所が洞窟などであれば、アース・エレメンタルのような《地潜り》を持つクリーチャーの可能性もあるが、今回は平原ということもあり飛行能力を持つクリーチャーの仕業と考えるのが妥当であろう。