Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

はじめに

このブログは丸山くがね氏の小説「オーバーロード」について、
そのユグドラシル世界に大きく影響をあたえているであろう、ダンジョンズ&ドラゴンズ3.5版(以降D&D3.5e)視点から、元ネタを考察していく個人的な備忘録です。
オーバーロード」内から出展のものは〈山カッコ〉、D&D3.5e出展のものは《二重山カッコ》で表記しています。
D&D3.5eについては、特に記載ない限り基本ルールブック3冊(PHB,DMG,MM)からの出展です。

自分は3版系で邦訳された分はほぼ全てルールブックを揃えていますが、なにぶん物量が多く未訳まで含めると甚大な量となります。また丸山くがね氏がプレイ経験を明言しているクラシックD&D(赤箱)、ダンジョンズ&ドラゴンズ4版、ソードワールドガープスなどについての知識はほとんどありません。
そのため勘違い、的外れな考察もあるかもしれませんがそこはご了承ください。

追記ログ

2020/4/24 d20 強さランキング
異世界召喚されたミーポを追記

2020/2/20 甘い薫りは命取り   山小人の工匠 カバーイラスト
それぞれ画像を追加

2020/2/7「聖王国の聖騎士」描写から見るルール その5
FFにおけるピット・フィーンドについて追記

2020/1/3 呪文 その23
ディメンジョナル・ロック対策について追記

2019/7/19「聖王国の聖騎士」描写から見るルール その5
ソリュシャンの不可視化看破能力について追記

2019/7/18 召喚魔法のしくみ
「亡国の吸血姫」での描写について追記

2019/7/14 クラス考察 その1 ほか
「亡国の吸血姫」関係について追記、ココとかココとかココ

2019/6/28「ソス卿はどうしてデスナイトになったんですか?」
デスナイトの特性について追記

2019/1/13 甘い薫りは命取り
D&Dでのブラック・ロータス及び毒について追記

2019/1/11 クラス考察 その1
スペシャリストウィザードについて補足追記

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邪神ちゃん

中型サイズの悪の来訪者(悪、混沌、他次元界、タナーリ) 脅威度2

ヒット・ポイント:23(3D8+6) 再生5

完全耐性:毒

イニシアチブ+1;知覚 暗視60ft

移動速度:30ft

アーマ・クラス:13、接触11、立ちすくみ12
(10+1[敏]+2外皮)

基本攻撃/組み付き:+3/+4

攻撃:素手攻撃(ロイヤルコペンハーゲン)=+4近接(1d3+1)

または 尾の引っぱたき=+4近接(1d6+1)

特殊:つかみ強化、発光

擬似呪文能力:チート(回数無制限、ただしダイスロールのみ)

セーヴ:頑健+5、反応+4、意志+3

能力値:筋力13/敏捷力12/耐久力14/知力/9/判断力11/魅力16

技能:〈威圧〉+7、〈軽業〉+8、〈芸能:歌唱〉+9、〈職能:料理人〉+9、〈職能:ばくち打ち〉+1、〈知識:地域(神保町)〉+3、〈跳躍〉+9、〈登攀〉+5、〈はったり〉+5

特技:《素手攻撃強化》《強打》《飛蹴り》《技能熟練:料理人》

欠点:《Short Attention Span》《Loudmouth》

出現環境:魔界または神保町

 

戦闘ほか特殊能力の解説

ドロップキック:特技《飛蹴り》の効果により突撃時1d12の追加ダメージ、+6近接(1d3+1d12+1)

再生(変則):再生5を有するが、善属性の武器と[善]の補足説明を持つ呪文と効果からは通常のダメージを受ける。切り落とされた部分を切り口に押し当てることで再度くっつけることができる。

つかみ強化(変則):この能力を使うためには、尾の引っぱたき攻撃を命中させねばならない。命中させたならフリー・アクションとして機会攻撃を誘発せずに組みつきに入ることが出来る。

発光(超常):邪神ちゃんは怒ると512分の1の確率で発光する。半径5ft.に明るい光を、半径10ft.に薄暗い照明を放つ。

《集中力欠如/Short Attention Span》:邪神ちゃんは忍耐力というものを持っていない。効果:直前に失敗したアクションをもう一度行なうための技能判定に-2ペナルティを受け、これは累積する。くわえて、あらゆる技能判定で出目20を取ることができない。 

《 おしゃべり/Loudmouth》:邪神ちゃんは口うるさく醜悪で騒々しく、押し付けがましい話し手である。効果:あらゆる〈交渉〉と〈真意看破〉判定に対して-4ペナルティ。 

 

祝!「邪神ちゃんドロップキック」アニメ2期放映記念

まあ、この手の漫画(怪物くんとか)読んでると常々思うんだけど、大体D&Dにいるモンスターで揃うんだよなあ…
メデューサ、ミノタウルス、雪女にキョンシー。あとは主人公をキャラメイクするだけじゃん、ということでデザインしてみました。

とりあえずドロップキックは《飛蹴り》で再現したけど、もう少し高いHDで組むならタイガー・クロー流の武技「クロー・アット・ザ・ムーン」でもよかったかも(跳躍で命中判定を行い追加ダメージ)。

 

「滅国の魔女」描写から見るルール

次巻はエルフの国かぁ、どうなっちゃうんだろうね。あっそうだ(唐突)エルフといえば、オランダにスケベニンゲンがあるくらいだからグレイホークにスケベエルフの森があってもおかしくないよね。

こういう事言うとすぐに「D&Dのエルフじゃ萌えられない(ヒロイン枠マイアリー、イケメン枠コアロン)」だの声高に主張する卓ゲーマーが現れるが、3.5版でもエルヴン・チェインのイラストとかエロかっただろ、チャンコロなんて姫騎士だぜ!(妄言)

…今更気付いたんだけど、「Mialee D&D」でイメ検するとエロかわいいマイアリーのイラストが少数ながらもヒットするな、10年前はこんなん無かったぞ。

閑話休題

 

"例えば低位のアンデッドに食屍鬼/グールというのがいるが、あれはその爪に負傷させた相手を麻癖させる毒を持つ" 222p

PRDJでのグールのデータはココ
脅威度1なのに魅力14もある。やだ、この食屍鬼イケメン…
以前にちょろっと書いたが、D&Dにおいてアンデッドモンスターは低レベル帯であってもいやらしい特殊能力を持つものが多く(この場合は麻痺爪)、これの抵抗難易度を上げるために高魅力なモンスターが多い。


"死霊/レイスが生命力を吸収すると知らなければどうなるか" 222p

オバロにおけるレイスは、以前の巻では恐怖係の能力ばかり描写していたのだが…
D&Dでのレイスの主能力である生命力吸収は文字通り、生命力(AD&Dだとレベル、3版系だと耐久力)を接触攻撃(鎧無視)で吸収(ドレイン)してくるという危険極まりないものであり、対処法を知らなければ早晩ひからびて死にレイスの仲間入りをする事となる。

 

"炎や酸を使わなくては再生を止めることが出来ないモンスターだっている"
"ヒュドラトロールのような生命力が再生するモンスターがいる。そういったモンスターにはかすり傷を与えるような攻撃はあまり意味がない" 242p

再生能力を持つトロルは非常に殺し切る事が困難なようにデザインされており、D&D実プレイにおいては炎も酸も切らしていた為にとどめを刺すことが出来ず、殴って気絶させたあとにスマキにして池に沈めた、などといった話を稀に伝え聞く。

なおヒュドラも頭部の再生能力を持ち、これを止めるのに火または酸ダメージが必要となるが(原典通り松明で傷口を焼いても良いが、フレイミングな斬撃武器で頭部を《武器破壊》するのが最適解となる)、本体のHP回復能力は"再生"ではなく"高速治癒"なので、普通にHPを削りきれば殺せる。

 

"たとえ盾によって前面からの攻撃に遮蔽を取ったとしても、荒れ狂う炎はそれを回り込み、呑み込む" 228p〈火球〉についての描写

以前にファイアーボールは爆発といったな ― あれは嘘だ。 冗談はさておき、呪文の説明文とは違い《火球》呪文の効果範囲は"爆発"ではなく"拡散"である。このため遮蔽(これもルールに定められた用語)をとったクリーチャーであっても、効果範囲内ならば炎が回り込んでくることとなる。
ちなみにタワー・シールドを標準アクションを使って構えることにより、1方向に対し完全遮蔽を得る事ができ、魔法による攻撃であっても爆発(サンバースト呪文とか)や放射、光線ならば、これらから身を守る事が可能となる。

"この世界では、落下による加速度は空気抵抗をあまり受けないためなのか、無限に上がっていく様子だ" 199p

D&D3版系ではそんなことは無く落下ダメージは20d6が最大と決まっている為、伝説レベルぐらいのキャラクターならばどんな高いところから落ちても当たり所が良ければ死なない。
例:大魔法峠における田中エスメラルダ

 

ティアが毒でラキュースを攻撃 462pぐらいから
クラス:ニンジャ及びアサシンは、刃物に毒を塗って使用する際に誤って自分が毒を受けることが無い。

毒の効果について
クラシックD&Dでは即死やHPダメージを与える毒が殆どだったらしいが、3版系では能力値にダメージを与える物がやたらに多い。
ティアはこの度複数の毒を使用したが、おおむね耐久力ダメージを与える毒>判断力ダメージを与える毒の順に使用したのだろう。

耐久力が減少すると:最大ヒットポイントが低下、また頑健セーヴの低下により次の毒が効きやすくなる
判断力が低下すると:意思セーヴが低下し心術(チャーム・パーソンなど)が効きやすくなる

また同一の毒を連続で使用することにより抵抗難易度の上昇、及び効果の持続時間も伸びる。

 

ガガーランがラキュースに腹パン

モンク以外のクラスは基本、素手攻撃で与えたダメージは非致傷ダメージとなる。またこのダメージの総計がヒットポイントを超えると気絶状態となり無力化できる。(通常ダメージと別計算なのでめんどくさい)

 

アイテム その8

D&D wikiのHomebrew(自作データ)の所でアインズ様のデータを見つけた。

アインズ・ウール・ゴウン
属性:混沌にして中立
領域:死、戦争
神格ランク:下級神

まあ誰でも思いつく程度の物だし、属性はどっちかというと秩序悪じゃまいかとか色々あるんだがとりあえず、「ぼくのかんがえた、さいきょうのぷりきゅあ」キュアフェリーチェ最終決戦Ver.)に比べたら(データ量的に)ザコっすね!

あとどうでもいいけど種族:モモンガってのはどうなんだろうね…
我々日本人がドイツ語だとなんとなくかっこいい、と感じるように外人は「モモンガ」という語感になんとなくエキゾチックな物を感じているのか?
だとすれば、オバロの「モモンガ」及び「モモン」も、それほど奇妙な名前と言う訳ではないのかも。

以下本題

 

〈蛍光棒〉7巻やオバマスに登場
《陽光棒》 2gp
オバロでの蛍光棒は、所謂サイリウムを彷彿とさせる練金アイテムであったが、D&Dの陽光棒は長さ30cmで先端に金の小片がついた鉄の棒という、でっかいマッチのようなアイテムである。

松明と違い風や水で消える事も無く、カンテラほど邪魔ではないので照明として優秀であるが、松明は松明で安いし火が使えたり利点が無いではない。まあ魔法的/非魔法的にかかわらず光源は複数用意しておくのが冒険者の嗜みだろう。

 

"その名も五色聖剣" 14巻216p
D&Dで再現するなら
+1フレイミング・ショック・コロウシヴ・スクリーミング・フロスト・ロングソード
この剣、金72,315gp也。

たかーい!ちいさなお城が買えるね。

火、電気、酸、音波、冷気と5種のエネルギーダメージ揃い踏みといった感じだが、補足させてもらうとこの内、音波だけが他の追加ダメージより弱めになっている。(音波は+1d4、他は+1d6)

これは音波に対する抵抗力を持つモンスターがかなり少ないために、ゲームバランスを考えての事と思われる。

武器追加エネルギー以外の例をとってみても、たとえば音波エネルギーで大ダメージを出せれる高位呪文は存在しなかったり、呪文修正特技《呪文エネルギー変更》でも変換先のエネルギーに音波は含まれていなかったり。

 

パワードスーツinアズス 14巻272pぐらいから

D20 Futureのメカルール使えばパワードスーツをD&D3版系で再現できるな、と思ったが、オバロと違い大型サイズのメカに乗り込んだ時点でHPが+100されるので、アズスが強くなりすぎちゃう。3.5版とモダンのルールをちゃんぽんするのもメンドクサイし、妄想だけでやめておこう。

 

〈ブラスティングスタッフ〉 14巻405p にせアインズ装備
吹き飛ばし効果/ノックバックに特化した杖との事だが、まずD&D3版系の通常ルールにおいて《突き飛ばし/Bull Rush》は標準アクション又は突撃時に近接攻撃の代わりに行なうことができる戦闘オプションの1種である。
筋力ベースの判定に成功する事により敵を思うがままの方向に押しやる事が出来るが、ダメージを与えることはできない為、「崖のすぐ近くで飛行能力を持たない敵とのバトル、自分はモンク」などの特殊なシュチュエーションで「必殺 暗黒流れ星」を狙わない限り使う事は少ないだろう。

しかしクラウニング能力(秘術大全)やノックバック能力(戦士大全)を持った武器、特技《突き押し/Knockback》(石の種族)があれば、〈ブラスティングスタッフ〉のように攻撃ごとに突き飛ばし効果を乗せる事が出来る。

*これらは一般的に術者より壁タンク向きの能力であろうが、未訳サプリ「Dungeonscape」記載のファイター代替クラス特徴《ダンジョンクラッシャー/Dungeon Crasher》とあわせればアタッカーとしての強力なシナジーを発揮する。
大型または優れた体格持ち種族、《突き飛ばし強化》、《突き押し》、ファイター2から6Lv以上、飛行能力、移動してフルアタックする能力と前提が多いが、コンボを決めれば「上空から突き飛ばし効果を乗せたフルアタック、敵は地面にぶつかるたびに追加大ダメージ」というドリブル殺法により瞬殺!…DM様から使用禁止を言い渡される羽目になる。

 

呪文 その30

〈フォーリング・コントロール/落下制御〉
《フェザー・フォール/軟着陸》 ウィザード、バード1Lv呪文

フォーリングコントロールという名前自体は旧ソード・ワールドRPGの魔法が(マンチ悪用が特に)有名だが、どのみちSWの落下制御もD&Dのフェザー・フォール呪文が元ネタなので同じことである。
D&Dでは落とし穴に落ちた時の緊急対処などが主な使い道であるため、スクロールで用意するだけでなく即時詠唱出来る様ウィザードが自己スロットに準備しておくことが重要である…が、呪文リソースの厳しい中マジックミサイルやスリープの替わりにというのも悩ましく、結局自分は小銭を貯めてからフェザー・フォールの効果を持つブローチを毎キャラごとに購入していた。

いかにも冒険者魔法使いの小技といった呪文の為か、攻撃魔法で無いにもかかわらずラノベファンタジーでの登場頻度は多い気がする、最近だとゴブリンスレイヤーとか。

 

〈サンライト/太陽光〉第三位階 信仰系魔法
《デイライト/陽光》 多くのクラスで3Lv呪文

オバロのサンライトは目くらまし効果+アンデッドなどにダメージとの事だが、D&Dのデイライト呪文は日光が苦手なクリーチャーにペナルティこそ与えるものの、目くらましもダメージも無く、ヴァンパイアを塵にすることも出来ない。

ただの光源に3Lvスロットはもったいない、ということでオバロではパワーアップさせたのだろう。

*長時間、広範囲にわたって闇を払う上位の照明呪文で3Lv…これってWizのロミルワの元ネタじゃね?とか考えてAD&D1stのスペルリストも見てみたが、デイライト呪文の初出はD&D3.0版だった。

 

サイコキネシス/念動〉
テレキネシス/念動力》 ウィザード5Lv呪文

D&Dで一部超能力が呪文扱いなのに違和感を感じるかもしれないが、魔法で無い超能力(サイオニック・パワー)の方にも《テレキネティック・フォース》など同様の念動力があるので安心されたし。

呪文効果としては精神集中持続中に離れた物体を動かす、クリーチャーを攻撃(突き飛ばし、武器落とし、組みつき、足払い)、物を一気に投げ飛ばすなどかなり多岐に渡り応用できそうなものである。

なお3.0版の頃に超巨大サイズの手裏剣を大量に用意してテレキネシスで投げつけると超ダメージが出るとか小耳に挟んだものだが、改めて試算すると理論上最大ダメージはともかく命中率が悪くて攻撃呪文としてはイマイチ…ロマンといえば聞こえはいいが、それだけでは生き残れないのがD&Dの日常である。

さらに余談、このテレキネシス呪文に特化した上級クラス「マスター・オヴ・ジ・アンシーン・ハンド」は、最終必殺技でリンク先のイラスト通り敵を天高く放り上げる事が可能となるが、これが使えるレベル帯となるともはや飛べないモンスターなどは雑魚となっており、やはりロマンクラスでしかなかったりする…

 

〈テンポラルステイシス/時間停滞〉第九位階
《テンポラル・ステイシス/かりそめの停滞》 ウィザード8Lv呪文

対象の時間を停止する、効果は永続。作中で書かれていたのと同様に時間停止状態であるため、ダメージなど一切影響を与える事はできない。

敵が複数いるときなどにもっぱら使われる、との事だがD&Dで同様の状況では時間停滞はあまり使われず、メイズ呪文で異次元迷宮に落とし一時的に無力化するパターンが多い気がする(セーヴ不可呪文だし)。

 

"敵の右手から眩い緑色の光が一直線に飛び、アルベドにぶつかる。" 14巻383p
《ディスインテグレイト/分解》 ウィザード6Lv呪文

まあ緑色の光線つったらディスインテグレイトだろう。
D&D3版系での分解光線は、対単体の無属性高火力魔法(範囲ダメージ呪文の倍、上限も高い)といった物だが、セーヴ(抵抗)に成功されるとダメージはかなりしょぼくなる。またこの呪文でHP0以下になると塵と化す。
当然穴を掘り抜いたり土木工事にも使える呪文だが、一度に消去できる範囲はそう大きくないため、大きな建造物の破壊には向かない。

オバロ14巻の描写では抵抗成功したアルベドに何の効果も無く一撃必殺系と推測していたので、ひょっとしたらAD&D仕様の消去orノーダメ両極端Ver.なのかもしれない。

そしてこれも最近ゴブスレで見た…ってまたそのパターンか。
(しかしまあ商業誌で再びファイター呪文『がまんする』を見る事になろうとは!)

装備品に関する疑問アレコレ

まあよく見られる疑問に対しD&D3.5版視点から無理やり理由をこじつけるなら、というアレです

"オバロの魔法使いってあんまり杖装備していないよね"

1:杖は高い

D&Dで魔法的能力の込められた杖状アイテムといえば独特の魔法の力を有しているロッド、複数の呪文を蓄えているスタッフが存在するが、どれもかなり高額である。

まず、ロッドで一番安いレッサー・エンラージ・メタマジック・ロッド(1日3回3Lv以下の呪文を距離延長)でも3000gpもする。
PCの標準資産的にD&Dでは5~6LvのPC、オバロでは白金級冒険者なら手が届くくらいか。

次にスタッフだが、ワンドと違い使用者の能力に応じた威力で込められた呪文を発動できるという特性により、習得呪文数の少ないソーサラーに特に有益なアイテムとなっているのだが、これがまた高い。
一番安い攻撃魔法が込められたスタッフ・オヴ・ファイアーで18,950gp、次のスタッフ・オヴ・フロストが41,400gp。
D&Dでは11Lv前後の伝説級人物、フールーダぐらいの資産が無ければとても手が出せない。

オバロ現地勢ではイビルアイがソーサラーベースの特化型魔力系魔法詠唱者ということで是非とも欲しいアイテムであろうが、作製するにもやはりフールーダ以上の術者Lvを要求される為、そう簡単には入手できないのだろう。

2:冒険者ならば両手は開けておきたい

以前にも書いたがD&Dで呪文発動を行うには様々な要素を満たす必要があり、触媒(物質要素)の取り出しや印を結ぶ(動作要素)などを行うために少なくとも片手は開けておかなければならない。
さらに戦闘中ともなれば状況に応じてワンド、スクロール、ポーションを取り出し使用する必要があり、保持するのに片手、武器として使用するのならば両手を使う杖はかなり邪魔である。

あれもこれも使いたいという高レベル術者ならば、杖を浮かす呪文や腕を生やす呪文によりこれに対処することも出来るが、低レベルならば取捨選択により「杖は装備しない」という状況は大いにありうる。

*これら上記の制限により導き出されるD&Dの冒険者魔法使いは「杖を持ちローブを着た老人(又はエルフ)」といったステレオタイプな魔法使い像からはかなりかけ離れた「鎧は魔法のミスリル・チェインシャツ、その上からベストとクローク、腰ベルトと肩からのたすき掛けにスクロールやワンドなどを多数差し込んだごちゃごちゃ装備」となり、まるで西部劇のガンマンのような出で立ちとなってしまっている。
*なお初心者がやりがちなミスではあるが、ジジイ&エルフ&ウィザードの組み合わせは知力は高いものの低ヒットポイントによりシューティングゲーム状態(被弾即ピチューン)となってしまい、危険が危ない

 

"ぶくぶく茶釜と不動さん(故人)が両手盾だけど、あれって意味あるの"

1:盾は武器として悪くないダメージが出る
ヘヴィ・シールドで殴ると1d4、トゲを付けると1d6、さらにバッシング能力で2d6と、この時点で両手武器グレート・ソードのダメージに並び、さらに大型種族や優れた体格持ちor《大業物》などと絡めれば《特殊武器習熟:カタナ》《大刀二刀流》によるカタナ二刀流(1d10×2)をはるかに超えたダメージが期待できる。

2:特技の制限的に武器二刀流より緩い
二刀での武器攻撃を使いこなすには《二刀流》系特技の取得が必須であるが、これらの特技には前提として高い【敏捷力】能力値が要求され、重装キャラには幾分厳しいものがある。
しかし特技《軽妙なる盾さばき》があれば特技《二刀流》が無くとも逆手で盾殴りが出来るようになるし、前提に敏捷力も必要ない。

またクラス:ファイター主体で《武器熟練:スパイクド・ヘヴィ・シールド》《武器開眼:スパイクド・ヘヴィ・シールド》のように特技を取得し強化していくことを考えれば、主武器と逆手武器を同種盾で揃えるのは効率的である。

他にも盾を使った特殊攻撃特技《盾突撃》と《盾のぶちかまし》を合わせたシナジーや、+5盾1枚より+3盾2枚の方が安いなどの理由もあり、ちょいと毛色の変わった重装二刀流キャラメイクとして両手盾スタイルというのは十分アリな選択肢である。