Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

追補:ファイナルファンタジーのモンスター出典一覧

FF1とAD&D1stのデータを比較して、どのように実装したのか見てみるのも面白いよ。

FF1 元ネタ 出典
ゴブリン GOBLIN MM p.47
ゴブリンガード  *guards(ホブゴブリン相当)の記述有り MM p.47
ウルフ Wolf MM p.101
ウォーグウルフ Wolf, Dire (Worg) MM p.101
ウェアウルフ LYCANTHROPE, Werewolf MM p.63
ウィンターウルフ Wolf, Winter MM p.101
リザード LIZARD, Giant MM p.61
ファイアリザード LIZARD, Fire MM p.61
バシリスク BASILISK MM p.8
ヒルギガース Giant, Hill MM p.45
アイスギガース Giant, Frost MM p.44
ファイアギガース Giant, Fire MM p.44
サハギン SAHUAGIN MM p.84
サハギンチーフ SAHUAGIN, chieftain MM p.84
サハギンプリンス *baronの記述はあるが、princeは無し MM p.84
かいぞく Buccaneer 青、MM p.67
パイレーツ Pirate 青、MM p.67
シャーク SHARK MM p.87
ホワイトシャーク Megalodon *Giant white sharkと説明 MM p.88
ビッグアイ EYE, Floating MM p.40
ディープアイ EYE OF THE DEEP MM p.41
ケルト SKELETON MM p.87
ブラッディボーン *Bloody Bonesの初出データは『Polyhedron#18』 (1984)に記載されているようだが、この雑誌はRPGA(D&Dゲーマーのコミュニティ)会員向けの季刊誌であり、当時の日本で入手することは極めて困難だったと思われる
ギガースウォーム    
クロウラー CARRION CRAWLER MM p.13
ハイエナドン HYENA, Giant (Hyaenodon) MM p.54
ヘルハウンド HELL HOUND MM p.51
オーガ OGRE MM p.75
オーガチーフ OGRE, chieftain MM p.75
オーガメイジ OGRE MAGE (Japanese Ogre) MM p.76
コブラ Spitting cobra MM p.89 , 赤
アナコンダ    
シースネイク SEA SNAKE, Giant MM p.89
サソリ SCORPION, Giant MM p.85
うみサソリ    
ミノタウロス MINOTAUR MM p.72
ミノタウロゾンビ    
トロル TROLL MM p.97
シートロル TROLL, MARINE (Scrag) MM2 p.121
シャドウ SHADOW MM p.86
レイス WRAITH MM p.102
スペクター SPECTRE MM p.89
ゴ-スト GHOST MM p.43
ゾンビ ZOMBIE MM p.103
グール GHOUL MM p.43
ガスト GHAST MM p.43
ワイト WIGHT MM p.100
パープルウォーム PURPLE WORM MM p.80
サンドウォーム *D&DではDark Sunキャンペーンセッティングなどで見られるが、どれもFF1発売以降?おそらく『デューン砂の惑星』が元ネタか。
ラーバウォーム *これもAD&D2eデータは発見したが、FF1発売以前の初出は不明
ビホルダー BEHOLDER MM p.10
デスビホルダー Beholder, Undead *アンデッド・ビホルダーとして有名なDeath tyrantは2e以降?
メデュ-サ MEDUSA MM p.66
アースメデューサ メデューサの本来の故郷はEarth elemental Plane/地の次元界であり、そこでの姿は触手の生えた醜い蠢く塊である、といった記述がみられる
ウェアタイガー LYCANTHROPE, Weretiger MM p.63
ラクシャーサ RAKSHASA MM p.81
アンクヘッグ ANHKHEG MM p.6
レモラーズ REMORHAZ MM p.82
キティタイガー TIGER MM p.94
サーベルタイガー Sabre-tooth (Smilodan) MM p.94
バンパイア VAMPIRE MM p.99
バンパイアロード    
ガーゴイル GARGOYLE MM p.42
ホーンドデビル DEVIL, Horned (Malebranche) MM p.22
アースエレメント Elemental, Earth MM p.38
ファイアー Elemental, Fire MM p.38
ホワイトドラゴン White Dragon (Draco Rigidus Frigidus) MM p.34
レッドドラゴン Red Dragon (Draco Conflagratio Horriblis) MM p.33
ドラゴンゾンビ *ドラゴンゾンビ初出はAD&D2e以降であり、ありふれた発想ながらFF1オリジナルと思われる
グリーンスライム GREEN SLIME MM p.49
グレイウーズ GRAY OOZE MM p.49
オーカーゼリー OCHRE JELLY MM p.75
ブラックプリン BLACK PUDDING MM p.10
ブラックウィドウ Black Widow
タランチュラ Tarantella
マンティコア MANTICORE MM p.65
スフィンクス SPHINX MM p.89
バレッテ BULETTE MM p.12
デザートバレッテ *どの遭遇表を見てみても砂漠にブレイは出現しない
マミー MUMMY MM p.72
キングマミー *D&DでMummy Lordが定番化したのは3e以降
コカトリス COCKATRICE MM p.15
ピロリスク PYROLISK MM2 p.103
ワイバーン WYVERN MM p.102
ウィルム AD&D1st,Dragon誌でのWyrmは、ドラゴンの遠い親戚であり翼は無く6本足、毒ガスのブレスを吐く爬虫類といったモンスターであったが、AD&D2nd以降はWyrm/ワーム(長虫)とはエインシャント(太古)を超える年齢区分の終盤、歳経りたとてつもなく強大な竜を指すようになった Dragon #94(1985)
アロザウルス Antrodemus (Allosaurus) MM p.24
チラノザウルス Tyrannosaurus Rex MM p.28
ラニ QUIPPER *cold-water piranhaと記述 FF p.74
レッドピラニ    
クロコダイル CROCODILE MM p.15
ホワイトダイル *おそらく『ストップ!! ひばりくん!』(1981~83)により広く知られるようになった白いワニの都市伝説が元ネタ
オチュー OTYUGH MM p.77
ネオチュー NEO-OTYUGH MM p.73
ヒドラ HYDRA MM p.53
ファイアヒドラ Pyrohydra MM p.54
ガーディアン    
ソルジャー    
ウォーター Elemental, Water MM p.38
エアエレメンタル Elemental, Air MM p.37
ウォーターナー NAGA, Water MM p.72
スピリットナーガ NAGA, Spirit MM p.72
キメラ CHIMERA MM p.14
ゴーキメラ GORGIMERA MM2 p.70
ピスコディーモン Piscodaemon (Lesser Daemon) MM2 p.30
マインドフレイア MIND FLAYER MM p.70
ガーランド    
グリーンドラゴン Green Dragon (Draco Chlorinous Nauseous Respiratorus) MM p.33
ブルードラゴン Blue Dragon (Draco Electricus) MM p.31
クレイゴーレム Clay Golem MM p.47
ストーンゴーレム Stone Golern MM p.48
アイアンゴーレム Iron Golem MM p.48
ブラックナイト    
デスナイト DEATH KNIGHT FF p.23
アストス ? Drow (Dark Elf) FF p.33
ダークウィザード

*FF記載の標準的ダークエルフのデータでは、ここまで強力な呪文能力は持っていない

ダークファイター    
クレイジーホース HORSE MM p.53
ナイトメア NIGHTMARE MM p.74
デスマシーン    
リッチ LICH MM p.61
マリリス DEMON, TypeV (Marilith, etc.) MM p.19
クラーケン KRAKEN MM2 p.79
ティアマット Chromatic Dragon (Tiamat) MM p.32
カオス    
バハムート Platinum Dragon (Bahamut) MM p.33
フェニックス(没) Phoenix MM2 p.100

追記:天野喜孝氏によるファイナルファンタジー1のモンスターデザイン画を見てみると、ラクシャーサが獣人になっているなど他系統のRPGでは見られないAD&Dクリーチャーの特色が良く出ている物も多いが、その中でも異色さが特に際立つのがダークエルフ(アストス)のイラストである。

吊上がった大きな目、垂れ下がった舌、昆虫じみた手足と尻尾、長く伸びた角、バイアランのごときいかり肩……
明らかにD&D系のドロウやそこから発展した褐色巨乳エルフの系譜ではない、どちらかというとFF1ゴブリンを凶悪にしたようなデザインに見える。

これについては恐らく当時スクウェア側が天野喜孝氏に用意した資料が基本ルールの『モンスター・マニュアル』のみであったため、追加ルールのMM2記載であるドロウ(ダークエルフ)のイラストを参照することが出来ず、AD&Dからのパクリではない天野喜孝オリジナルデザインの物となってしまったためと思われる。
(追加ルールであるMM2及びFF出典のモンスターは殆どが色違いモンスターに当てられていた為、ダークエルフを除くとD&D系との差異が目立って問題となることは無かった)

 

注:Dragon誌やモジュール、オリジナルD&Dまで遡って初出を調べている訳ではありません。また頁数はエラッタ修正重版などにより前後している可能性があります。

FF1=ファイナルファンタジー(1987)
MM=Monster Manual(1979)
FF=Fiend Folio(1981)
MM2=Monster Manual2(1983)
赤=ベーシック・ルール・セット(1983)
青=エキスパート・ルール・セット(1983)
緑=コンパニオン・ルール・セット(1984
黒=マスター・ルール・セット(1985)