Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

「聖王国の聖騎士」描写から見るルール その2

"狂乱していると致命傷を与えても、倒れない事があるからな" 書籍12巻-321p

「戦士大全」記載の上級クラス:フレンジード・バーサーカーは、4Lvで得る能力《不死身の狂乱》により狂乱中はどれだけヒットポイントが減ろうが、-100とかになっても死ななくなる。
だがこれは決して[即死]効果を防いでくれるわけではなく、他には「ヒットポイントが0以下になると塵になる」効果の分解光線などでも死亡してしまう。
このルールを鑑みて作中で「頭蓋を砕く」という描写をしたのだろう。

*さらに3版的ルール解釈をするならば、「頭蓋を砕く」は「とどめの一撃」による即死判定とみなす事ができる


"上位死霊/ハイレイスというのがどれだけの強さを持つのかさっぱり分からないが" 書籍12巻-328p

参考になるかわからないがパスファインダーRPGのレイスのデータはココ(3.5eでの上位レイスであるドレッド・レイスは16HD、オバロ換算で種族レベル56程度)
御覧のように接触による耐久力吸収が主な能力であり、恐怖関係の特殊能力は対動物しか持たない。
この点は同様な非実体アンデッドのゴーストの持つ能力を参考にしたのだろう。

なお、D&D3.5eでは上位死霊術呪文でも召喚できるのはレイス1体であり、上位レイス複数とかは不可能である。
これは敵モンスター側がプレイヤー達とは違い非実体モンスター対策を持つことなど殆どなく、相手を選べばレイスでも充分無双できる為、ゲームバランスを考えてのことと思われる。

 

"武器に直接ダメージが入る武器破壊だが、そのダメージは材質の差や武器の持つダメージ量に大きく影響を受ける" 書籍12巻-333p

武器破壊 /Sunderは攻撃時に行える基本的な戦闘オプションの一つだが、ペナルティ無しに行うには特技《武器破壊強化》が必要である。
特技が豊富なファイターが取れば戦術に幅が出そうなもんだが、実際のところ敵の武器=未来の戦利品であり貴重な収入源を破壊すれば悲しみがマッハであり、あまり活用するPCは少ないように思われる。

なお敵モンスターの方といえば《武器破壊強化》を持っている者は少ないが、あらゆる金属製品をボロボロの錆にして食べてしまう有名怪物とか、武器を奪ってクシャポイしちゃうのが大好きな闇巨人とかろくでもない奴らがいるので、危険なことには変わり無くダメージ減少対策と併せて予備武器の携帯は必須である。

*参考になりそうなPRDJのルールはココココ

 

以下、新登場のモンスター亜人など。

鉄鼠人/アーマット
おそらく「モンスター・マニュアル3」アーマンドが元ネタ。
敏捷と耐久に+6、適正クラスがモンク、特殊能力として「防御の構え」など、耐久型モンクを推奨しているように見えるが、小型サイズに種族HD5、レベル調整値3(8Lvスタートになる)と、とても実用に耐えない。
まー脅威度が低いんで、組み付きモンク(装備無し)として敵に出せば嫌がらせには使えるか。

山羊人/バフォルク
名称的には「アンダーダーク」記載のバフィタウロスが近いが、こちらはデーモンと人間とミノタウロスの混血(現住の来訪者)という、あんまり亜人ぽくない種族。
容姿的には「モンスター・マニュアル3」のゴートフォークのような気がするが、獣人系はよくある発想なので元ネタとは言い切れない。

洞下人/ケイブ
地下種族としてメジャー所のグリムロックかな?

人蜘蛛/スパイダン
D&Dにはアレイニアにエターキャップ、ドライダーなど蜘蛛系の種族も多いが、「フェイルーンのモンスター」及び「アンダーダーク」記載のキチンが4本腕で、口から出す糸で軽装鎧を作れたりとオバロ描写に合致する。

レッドキャップ
D&D3.5eでは「モンスター・マニュアル3」に記載。
イングランドの伝承にある悪い妖精であり、別にD&Dのデータが元ネタとは限らないだろうが、一応強大化したエルダー版レッドキャップの種族ヒットダイスが12(3.5倍で42)と、ユグドラシルでのレベル43にかなり近い。

オーガソーサラー 7巻フォーサイト討伐リスト
オーガ・メイジが元ネタで間違いないかと。
D&Dのオーガメイジは氷結波をはじめとする豊富な呪文能力や人に化ける能力など、オーガに比べかなり強力なモンスターであるが、これは伝統的に日本の「オニ」をモチーフにデザインされている。グーグルのイメ検を見てもらえれば、なんとなくわかってもらえると思う。

藍蛆/ゼルン
3.5版未訳「Monster Manual4」記載のZern Blade Thrall(ゼルン・ブレード・スロール)が元ネタっぽい。
しかしググっても情報が少ないし、出典元はモンスターマニュル4だけで他の版にはいないみたいだし、グーグルのイメ検でもヒットするまともな画像は1つだけという、かなりのマイナー怪物。

この種族はZern(ゼルン)という邪悪な種族(他の種族を攫ってきて好奇心により改造する、肉体の変化や変成術が得意)によって奴隷として生み出された種族であり、元は人型生物とワームの混血であるという。
種別:人怪(モンストラス・ヒューマノイド)、属性は常に中立にして悪、種族HDは5(オバロ換算17Lv)、ゼルンの護衛として現れ、特殊武器ネットに習熟。

 

 他にもアレンダーグロストとかスラーシュみたいな、やたら特徴的な奴には元ネタ有りそうなんだけど、わからんなー。

 

追記:アレンダーグロス Web版「至上命令
アレンダグロスト《Arendagrost》はDungeon誌で展開された大長編キャンペーン「Savage Tide」終盤に登場する拠点防衛用巨大生物兵器である。
D&D3.5版末期シナリオのオリジナルモンスター*1ということもあり、25HD CR23 火冷酸の三連ブレス(合計60d6)、即死の凝視など砲台として異常に殺意火力が高い。その外見は触手の生えた三つ首竜だが、デモゴルゴン(プリンス・オヴ・デーモンズ)とマルカンテト(サキュバスの女王)の息子という設定であり、種族は竜では無く来訪者/アウトサイダー(デーモン系)となる。これがアウラ配下であるあたりはD&Dの影響が色濃く残るWeb版といったところか。

…てかね、未訳ダンジョン誌のモンスターが元ネタとか、正直調べきれないよ!

*1:ここで言うオリジナルモンスターとは、モンスターマニュアルに記載されたモンスターやそれをベースにカスタマイズされたものでは無い特定シナリオ登場のユニークなモンスター、ぐらいの意であるが、その多くは「ぼくのかんがえたさいきょうモンスター」的やべえ能力を盛られており、プレイヤーに忌諱される傾向にある