Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

ランダム娼婦エンカウンター

AD&D1st DMG192pより

娼婦との遭遇は、図々しいあばずれや高慢な高級娼婦が相手となることもあり、パーティはそれぞれの出会いを見分けることが難しくなっている。(実際には、自分の好きなように売春しているだけの踊り子や、年配のマダム、あるいはポン引きとの出会いであることもある)娼婦は通常の報酬の他に、30%の確率で貴重な情報を知っており、15%の確率で報酬を得るために何かをでっち上げ、20%の確率で泥棒である、もしくは泥棒と行動を共にしている可能性がある。どのような娼婦との遭遇があるかは、下の副表を参考にするとよい。

01-10 だらしない売女      76-85 高価な愛人
11-25 図々しいあばずれ  86-90 高慢な高級娼婦
26-35 安物淫売             91-92 年配のマダム
36-50 典型的な立ちんぼ   93-94 裕福な女衒
51-65 生意気な尻軽娘      95-98 悪賢いポン引き
66-75 ふしだらな女中    99-00 金持ちの斡旋人

高価な愛人は淑女に、高慢な高級娼婦は貴婦人に、その他の娼婦は良妻賢母に間違われるかもしれない、云々かんぬん。

 

さて、D&D5版ダンジョン・マスターズ・ガイドから売春宿が消されると聞いて真っ先に思い出したのが、かの悪名高きAD&D1stDMGの娼婦との遭遇である。
都市遭遇表を見てみると、30分ごとに100面ダイスで判定を行い日中では2%、夜間では7%の確率で娼婦/Harlotに遭遇、その中身の説明が上記の物となる。
ガイギャックスによると*1歴史小説ファンタジー小説に登場するさまざまな娼婦の言い回しをゲームでいちいち説明するのにうんざりして一種教育的な目的で遭遇表を作ったらしいが…おかげで上記翻訳も自分がGoogleを駆使してでっち上げた多くの意訳が含まれている、気になる方は原文を確認願いたい。

なお3.5版DMGでの都市部エンカウンターは修正値+20面ダイスで判定して25項目と、残念ながら如何わしさもボリュームもやや減少となってしまったが、それとは別に「冒険のアイデア百選」というボリューム満点の100面ダイスランダムイベント決定表が付いてきている。

この「冒険のアイデア百選」表は追加サプリメントでも手を変え品を変え掲載され、結局和訳されただけでも6種、つまり600もの「冒険のアイデア」が我々ゲーマーに提示されたわけだが…これらもやはりゲーマーに好評だったから増やしたと言うよりは、大量のイカれた項目を持つダイスロール表に暗い喜びを見い出すパラノイアなデザイナーの気質がその作成理由の大半だったんじゃなかろうか(その中身も「動物園作るからティラノサウルス捕まえて来い」だの「リッチを説得してマジックアイテムを作らせろ」だの「しゃべるアライグマが仇討ちのため仲間を募集」などといった無茶振りが多く目に付く)

*1:EN Worldフォーラム Q&A with Gary Gygaxスレ#7,710 なお彼の豊富な語彙を駆使した散文的──悪く言ってしまえばルール記述に向かない冗長な文体は、ファンからは愛情を込めて"High Gygaxian"と呼ばれているが、これについてはラヴクラフトにR.E.ハワード、ジャック・ヴァンスなどの作家からの影響を指摘する声もある