Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

蜥蜴人の勇者たち

蜥蜴人最強の戦士  ザリュース・シャシャ

リザードフォークのファイター2/レンジャー1/ソードセイジ1/バーディック・セージ1Lv
*中型サイズの人型生物(爬虫類)、種族HD2

 

"緑爪"族長  シャースーリュー・シャシャ

リザードフォークのファイター1/ドルイド3Lv

 

"朱の瞳"族長代理  クルシュ・ルールー

リザードフォークのスピリット・シャーマン4Lv

 

"竜牙"族長  ゼンベル・ググー

リザードフォークのモンク2/ファイター1/ドランケン・マスター1Lv

 

ロロロ

ヒュドラ、超大型サイズの魔獣 4HD
*MMの5本首ヒュドラから1HDと首1本減らしたデータ、ココ参照

 

凍牙の苦痛/フロスト・ペイン  市価13,310gp 重量6lb

奇妙な氷の刀身をもったこの武器は、蜥蜴人の部族に伝わる四至宝の一つである。
フロスト・ペインは+1フロスト・バトルアックスとして扱われる。
使用者は[冷気]ダメージに対し抵抗10を得る、また使用者は1日3回、フロスト・ブレス呪文の効果を生み出せる。
(術者Lv10、5d4[冷気]ダメージ、円錐形の爆発30ft、DC13反応、セーヴ失敗で1R幻惑状態)

 

詳細なデータはめんどくさいので割愛、というかあんまり低レベルだとキャラの特色が出せないので面白くないしねぇ。

一応ザリュースはギリで特技《大旋風》を取得出来ると思うが、そんなとこにネタ仕込んでもしゃーないしw

 

 

ナザリックのやべーやつ

ナザリックのちょっと気になるモンスター種について、D&D3.5eだとこうなるよというお話。

恐怖公の眷属たち

D&D3.5eでのジャイアント・コックローチは地下世界の冒険を扱ったサプリメント「アンダーダーク」に収録されたモンスター。
種族ヒットダイス4、脅威度2(オバロ7Lvパーティと張り合う強さ)との事なのだが、コイツを指針通り2Lvパーティにぶつければ全滅は必須である。

まず昆虫で知性が無いため精神作用無効、このレベル帯での必殺技となりうるスリープ呪文が効かない。
外皮が硬くAC20もある。2Lvってファイターの命中でも+6ぐらいだぞ…
筋力も高く四つ足の為、ファイター得意技の「足払いからのタコ殴り」も成功率は低い。
さらに近づいたら悪臭で吐き気によりペナルティ、壁移動に飛行移動速度も高く逃げる事もままならない。

素の肉体能力値が高い上で搦め手が通用しないという厄介なモンスターである。


一方、Gの群れ(スウォーム)といえば、群がる事により自動ダメージ、クリティカルと物理攻撃に完全耐性、ただし範囲ダメージ呪文や強い風に弱いと言う特徴を持つ。
呪文が潤沢でない低レベルでは、被ダメを覚悟して松明を振り回すなどといった対処法を取らざるを得ない。


ちなみに某シナリオでは、地下探検での最初の遭遇で上記のG×2+中型G×4+Gの群れという大盤振る舞いであった。
たしか5Lvぐらいの時だったから、ウィザードが初撃で虎の子ファイアボールをぶっ放していれば優位に戦闘を進められるのだろうが、自分とこの卓では前衛が守りを固めた中央でウォーメイジがマジックミサイルを数の限り撃ち放つという、戦略もクソもない消耗戦となった。
また撃退後に何かお宝はないかとGの出てきた狭い横穴(描写がきちゃない)を這いずり廻ってみたものの、得られるのは少量の小銭とゴミクズという、非常にゲンナリとさせられた思い出がある…

 

第七階層領域守護者「紅蓮」

超巨大サイズの粘体で火の完全耐性+溶岩という聞いただけでヤバげな組み合わせである。

まあこのレベル帯のモンスターと戦おうという冒険者ならば、「組み付き及び移動困難に対する完全耐性」(フリーダム・オヴ・ムーヴメント)や火に対する耐性を呪文やマジックアイテムなどで揃えているのが当然の事ではあるのだが…

D&D3.5eの場合、この「紅蓮」にとある一つの呪文を加えるだけでその危険度が数倍に跳ね上がる。

 

「アンティマジック・フィールド」ウィザード6Lv、クレリック8Lv呪文について
この呪文の範囲(術者から半径10フィート)では呪文を遮断し、アイテム含む全ての魔法効果は機能を停止する。

つまり、バフを剥がされ超巨大サイズの力自慢に引きずられて溶岩にドボン、死体も残らない。
対処法も取りにくく"詰み"になりやすい、DMなら自重すべき組み合わせとして有名な物。
(また、それゆえ「アンティマジック・フィールド張ったレッド・ドラゴン」はDMのガチ殺意の表れとして、多くの犠牲者を生み語り継がれている)

あらゆる状況に対応出来るようにならなければ生き残れない、また呪文で対処法を揃えても今度は呪文が通用しない状況が出てくる、どこまでも軍拡のイタチゴッコを要求されるという、そんなD&Dらしさの表れた呪文の一つである。


*個人的に「アインズの倒し方」として一番簡単な方法が上記の組み合わせだと思っている。まあ現地勢で火の完全耐性を持ち反魔法フィールド張れるデカブツは今の所いそうにないが。

 

追記:アンティマジック・フィールド対策について、先人の知恵を借りてきた!

ウィザード9Lv呪文「モルデンカイネンズ・ディスジャンクション」でアンチィマジックフィールドを解体できる、が確率は低い。


ウォール・オヴ・ストーン、ウォール・オヴ・フォース、プリズマティック・ウォール、プリズマティック・スフィアーなどのアンチィマジックフィールドでも抑止されない壁呪文でとりあえず隔離してから考える


特技《ミストラのイニシエイト》
この特技を取ったクレリックは術者レベル判定に成功すればアンチマジックフィールド内でも呪文を唱える事が出来る…が、ミストラはフォーゴトン・レルムの魔法神。よーするに特定ワールド限定の特技であり誰もが取得できるものでは無い。


未訳異形本のウィザード9Lv呪文「Invoke Magic」を唱えれば1ラウンドの間、4Lv以下の呪文1つをアンチィマジックフィールド内でも使用できる。
…最高位スロット使って4Lv呪文って、それでどうにかできるのか?


アダマンティンの板で人が入れるくらい大きいコーン状のテントを作り、それをシュリンク・アイテム呪文で小さくして帽子として装備しておく。アンチィマジックフィールド張ったドラゴンが組み付こうと近づいてきたらコーンが元の大きさに戻るので壊される前にテレポで逃げる


DMにピザを奢っておく

カジット・デイル・バダンテール

人間のネクロマンサー5/レッド・ウィザード5 ECL10 脅威度10

中立にして悪、中型サイズの人型生物

ヒット・ポイント:36(10D4+10)

イニシアチブ:+1

移動速度:30ft

アーマ・クラス:11、接触11、立ちすくみ10

基本攻撃/組み付き:+4/+4

攻撃:+5 遠隔攻撃(光線呪文など)

セーヴ:頑健+5、反応+5、意志+11

能力値:筋力10/敏捷力12/耐久力12/知力17/判断力13/魅力14(ポイントバイ28)

技能:〈威圧〉+10、〈解読〉+13、〈呪文学〉+18、〈精神集中〉+19、〈製作:錬金術〉+8、、〈知識:次元界〉+9、〈知識:宗教〉+11、〈知識:神秘学〉+15

特技:《刺青熟練》《巻物作成》《呪文熟練(死霊術)》《呪文レベル上昇》《呪文結界内強化》《モイルの黒き秘伝》《Corpsecrafter》《Bolster Resistance》

装備
スタッフ・オヴ・ネクロマンシー、クローク・オヴ・レジスタンス+2、アミュレット・オブ・ヘルス+2、ローブ、呪文書、マテコンポーチ、死の宝珠

基本クラス:ネクロマンサー(死霊術士)
ウィザードの死霊術専門化、呪文スロットが増える。禁止系統は召喚術と幻術

ウィザード10Lvとしての呪文発動能力を持つ。
5Lv呪文まで、術者Lv10(死霊術は12)

1日の呪文数:5/6/6/5/4/3;DC=13+呪文Lv
*死霊術は特技によりDC+2

ボーナス特技:《巻物作成》ほか呪文修正特技

上級クラス:レッド・ウィザード

専門化強化
さらに禁止系統(力術)が増えるが、それまでに習得していた呪文は使用可能

専門家防御
死霊術呪文のセーヴに+2ボーナス

術力上昇
死霊術呪文の術者レベルに+2

円陣の主催者
円陣魔術の焦点となる「円陣の主催者」を務める能力を得る、この時点で参加者5名

 

主に準備している呪文
シールド、チャーム・パースン、アシッド・スプラッシュ、ダークヴィジョン、コマンド・アンデッド、フォールス・ライフ、ブルズ・ストレンクス、レジスト・エナジー、アンデッド・ルーテナント、ファイアーボール、ライトニング・ボルト、アンデッド・トーチ、エナヴェイション、アニメイト・デッド

 

死の宝珠/Orb of Death
市価 50,700gp; オーラ 強力・死霊術[悪]; 術者レベル 12; 重量 1ポンド
属性 中立にして悪; 感覚範囲 120フィート、暗視、リード・マジック
 知力18 / 判断力14 / 魅力16; 自我 20
言語 テレパシー(共通語、エルフ語、奈落語、竜語)

この宝珠の使用者は、アンデッドを威伏させたり支配したりする退散判定に+6の不浄ボーナスを得る。また使用者が支配できるアンデッドのHD数を決定する際に、その総数が2倍となる。

例えば、アニメイト・デッド呪文において通常術者が制御できるのは術者レベルごとに4HDぶんのアンデッド・クリーチャーであるが、宝珠を保持していれば術者レベルの8倍を制御することができる。

また死の宝珠は1日3回アニメイト・デッド呪文を、1日1回ディセクレイト呪文を使用することができる。

作成前提条件《その他の魔法のアイテム作成》、アニメイト・デッド、クリエイト・アンデッド呪文

 

*カジットのクラス構成についての推察はココ参照

というわけでネタも無いので暇つぶしにカジットのキャラメイクを適当にやってみたんだが…まあ、ウィザードベースで死人使いなんてやるもんじゃないね。
3.5版でアンデッドの軍団を引き連れたいなら、クレリックベースかドレッド・ネクロマンサーでプレイしよう。

とはいえ円陣魔法と死の宝珠を使えば、スケルトンやゾンビ程度ならかなりの数をカジットは制御できる。
弟子5人で呪文を捧げれば術者Lv22ぐらいいくから、1Lvスケルトンなら176体!オバロのように数百体とはいかないが、これなら不死の軍勢と充分言い張れるだろう。

「死の宝珠」のデータは、未訳サプリ「Libris Mortis」記載のRod of Undead Masteryの能力をベースにデザインした。
自我値が20あるので所有者に反抗したり支配しようとする事が出来る。

*パスファインダーRPGでのインテリジェンス・アイテムのルールはココ、3.5版DMGよりちょっと分かりやすくなった


あとは原作シーン再現するならスケリトル・ドラゴンが必要だが、これは「ドラコノミコン」記載のサンプルデータまんまでいいだろう。
*スケルタル・マチュアアダルト・ブラックドラゴン、22HDの167HP、脅威度7

おっと、カジットの特技で強化されてHP+44、筋力に+4、退散抵抗+4を忘れずに。

どのみちセーヴ失敗したら《ツイン・マキシマイズ・チェイン・ライトニング》一発で灰になるけどね!

クラス考察 その8

聖騎士/パラディン たっち・みー、レメディオス

秩序と善の体現者、決して消えることの無い最後の希望(PHBにそう書いてある)、ちょっとお固い正義マン、それがパラディンである。
このクラスになるには神の招命を受けて、というパターンが多いが別に神を信仰してなくてもなれる、大切なのは正義の心だ。

 以下、D&D3.5eのパラディンの特殊能力のおおまかな解説

1Lv
悪を討つ一撃:オバロの聖撃
ディテクト・イーヴル:対悪レーダー
2Lv
癒しの手:触ってHP回復
信仰の恩寵:すべてのセーヴに魅力ボーナスが足される
3Lv
健全なる肉体:病気にならない
勇気のオーラ:恐怖に対する完全耐性、周りにもボーナス
4Lv
アンデッド退散:クレリックに比べると弱いので主に信仰特技の燃料にされる
信仰呪文発動能力:最高位でも4Lv呪文までしか習得出来ないが、パラ専用の割と強力なバフ呪文もある

5Lv
特別な乗騎:天からウマが降ってくる

こんな感じに特殊能力がいっぱいで一見強そうに見えるのだが、肝心の「悪を討つ一撃」にちょいと問題が…

パラディンの必殺技「悪を討つ一撃/Smite Evil」について、これは「悪のクリーチャーに対し、次の近接攻撃1回の命中に魅力ボーナス、ダメージにパラディンLvを足す」という効果なのだが、5Lvまで1日1回とえらく回数が少ない。つまり1Lvパラディンならダメージ+1の攻撃1回でその日の見せ場が終了である。

これでは特技で安定した命中とダメージを出すファイター、激怒で筋力を上昇させるバーバリアンに比べ前衛としての与ダメージは一歩譲ることになる。

この微妙さを何とかする為に、騎乗ランス突撃スマイトやヴァリアントの悪を討つ突撃+《ライノズ・ラッシュ》呪文など、倍々ダメージ系と絡ませて一撃必殺の域まで高めるという手法が良く使われていた。

*なお後継のパスファインダーRPGでは「悪を討つ一撃」のダメージが増えた上で効果:相手が死ぬまで!…えらい強化だなオイ

 

転職制限

「秩序にして善」以外の属性となったり、行動規範にひどく違反した者はパラディンのクラスの特徴をすべて失い、以後パラディンLvを得ることはできなくなる、また他ののクラスを1レベルでも上昇させた場合もパラディンLvを上昇させることが出来なくなる。(一部の上級クラスは制限外)
このような制限の為マルチクラスのご利用は計画的に行う必要があるが、パラディンの能力はそのクラスLvに応じて伸びていく物が多いので、ヘタに複雑なクラス構成を狙うよりは基本1本伸ばしが無難か。

 

弓レンジャー+パラディンというレアな組み合わせについて

上記の通り、パラディンの転職制限、「悪を討つ一撃」が近接単発で遠隔手数の弓との相性の問題、敏捷力をあげる余裕が無いなど様々な理由で弓レンジャー+パラディンは茨の道である。
(一応騎乗と弓の組み合わせ自体は強い、移動と全力攻撃を同時に行える)

とはいえ、レンジャー+パラディンを補佐する特技《献身の追跡者》や《遠隔悪を討つ一撃》なども存在する。
これらを使って自分はユニコーン騎乗エルフ弓パラディン/レンジャーとかいうロマン溢れるキャラメイクをしてみた事もあるが、微妙すぎて実戦投入までは至らなかった。

 

パラディン脳筋なの?

前衛として必要な筋力と耐久力、特殊能力に必要な魅力、呪文発動に必要な判断力と、パラディンは多岐にわたって能力値が高くないとその真価を発揮することが出来ないクラスである。
よってキャラメイクに良く使われるポイントバイによる能力値決定法では、真っ先に知力が切られるハメになる。

このようなD&D3版系パラディンに影響を受け、パラディン=アホの子となってしまったラノベは、オバロ以外にも少々見られる。

 

「正義の反対はまた別の正義」

2chオバロスレなどでも見られるように属性論争でよく出てくる混ぜっ返しではあるが、少なくともD&Dスレではこんなことを書き込む奴はいない。
善悪を相対的な観念であるとみなすのは、たくさんの人間が現実世界を観察している手法ではあるが、D&Dにおいては選択ルールの一つでしかなく、また使っている人を見たことも無い。
*「不浄なる暗黒の書」6p 相対的手法を参照

まあなんというか、長年にわたって属性論争で荒れてきただけあって豪快なぶった切りである。

 

ネイアのブラックガードコラ画像をふたばで見かけた

12巻聖王国のみなさんの苦悩を見てわかるように、パラディンの道(ロールプレイ)は苦難の道。
とはいえそこまで悪墜ちしなくても、ネイアちゃんはグレイ・ガードにでもなればいいと思うよ。

 

追記:パラディンってセクシーなの?
くがねちゃんもTwitterで呟いていた、「ズ」の付く方の映画の話題である。
「セクシーを以て悪を征する… 私たち、セクシーパラディン!」と言ったかどうか知らないが、そもそもAD&Dの頃は能力値【魅力/カリスマ】が高くなければパラディンになることは出来ず、また3版以降は能力値によるクラス制限は無くなったものの、魅力がキー能力となるようなクラスデザインとなっているため、必然的にキャラメイク時には魅力を高く振ることとなる。ゼンクがなにかとセクシーな佇まいなのも、その溢れんばかりの魅力によるものなのだ。

パラディン イズ セクシー
セクシー 即ち パラディン

ちなみに『サイオニクス・ハンドブック3.5版』には魅力ベースで超能力を使えるクラスが存在するので「サイキック・お色気ビーム!」を発射することも可能である、その点は抜かりない。

俺より強い奴に会いに行く

「データがあれば、そいつは倒せる」

D&D3版系サイト【CDS:PE】の記事「伝説の英雄、そして神々」より 07/04/03


D&Dの場合だとデータさえあれば神だって殺してみせるを地でいきますからね。

丸山くがねの活動報告 - 小説家になろうソードワールド」の感想返しより 13/04/17


「どんなバケモンであれ、相手の実体(データ)があるってことは、だ!」
「神さまだろうが、ぶっ殺せるってことだ!!」

蝸牛くもゴブリンスレイヤー」6巻:第6章より 17/09/14


上記のような言説がTRPG界隈で言われるようになったのは何時頃からだろうか?
自分は3版から始めた人間であり、当時影響力のあった上記【CDS:PE】の記事以降、ぐっと増えたように記憶しているが、ひょつとしたらもっと昔より言われていたのかもしれない。(なお途中からTYPE-MOON空の境界」の「生きているのなら、神様だって殺してみせる」が混ざってきているのが興味深い。)

 

それはさておき実際問題として、倒せるとは言ってみたものの3版の神格はとても強い。

ダゴンクトゥルフ神話の方)みたいな半神クラスならまだしも、中級神以上ともなれば、その強さはぶっ飛んだ物になる。これらは数値の大きさだけを見てレベルを上げればどうにかなるだろ的発想でどうにかなる代物では無い。神格ルールにより与えられる特殊能力は無限ウィッシュとか絶対先制攻撃とか攻撃全部がトゥルー・ストライクとか知覚がマイル単位とか判定すべて出目20みたいなチートくさい能力山盛りであり、一体どんなトリックを使えばコイツらと真っ当な戦いになるのやら、自分には想像も出来ない。

当然これらの強すぎ神格データ(その能力を分化した化身/アヴァターでも強すぎる)は大部分のゲーマーにとって使いどころのない物であったが、それはそれとして悪神みたいな有名所と戦いたいという欲求もまたD厨には多く、これを満たすために本体よりかなりマイルドに弱体化した「アスペクト」という存在の設定及びデータが未訳サプリメント「Miniatures Handbook」に掲載された。(D&Dリスペクトラノベでは「最果てのパラディン」に《木霊/エコー》として出ているのがそれである)

これは強大な存在がその力の一部を用いて作りだした化身のようなものであり、脅威度10~20程度でいわゆる英雄越えレベルのキャンペーンのシメにラスボスとして丁度よい強さとなっている。

* まあこれらのアスペクトに対し「ピット・フィーンド(最上位悪魔)より弱いなんて」「もっと強い本体のデータが欲しい」というわがまま意見も多少あったわけだが…

その中でも敵の大将格として各デーモン・ロードとアークデヴィル(九大君主)は特に人気があったようで「不浄なる暗黒の書」、「魔物の書1&2」、公式サポート誌「Dragon」、未訳シナリオ「Savage Tide」、公式web記事とアスペクト及び本体が何度もデータ化され、上を見れば脅威度30前後と結局インフレ気味になりつつもラスボスのデータには困らない状況となった。

 

以上、D厨のデータに対する飽くなき欲求を垣間見る一幕でした。

 

追記:最近のMTGとD&Dのクロスオーバーについての記事に以下のような文言があった。

(Therosの神々にステータスブロックを持たせないというWotCの判断について)
ここに最も適切と思われる、RPG界隈の古い格言がある。 "能力値があると、殺される"
There is an old saying in the RPG community, and one that seems most apt here: "if you stat it, they will kill it."*1


さらに色々ググってみると、次のような言葉も昔から言われているようだ。

"ヒット・ポイントを持つのなら、殺せる"
"If it has hit points, we can kill it"

上はDM視点で下はPC視点といった感じだが…wいつ頃、どのような媒体を通してこれらが日本に伝わってきたのやら、まだまだ興味は尽きない。

*1:この指摘についてはやや疑問視。少なくとも3rdの頃の神格は凶悪な強化ルール(それでいてSRDに書いてあるので基本ルールの範疇である)を積み上げ、「殺れるもんならやってみろ」というのがWotCの方針だったはず。これはD&D出版部門が縮小整理されたために何でも出す余裕が無くなった、あるいは神格データなんてけったいなものはいらない(3版の神格データ本は販売が振るわず投げ売りされていた)という真っ当な判断が出来るまでWotCが正気になった、と見るべきだろう。

「聖王国の聖騎士」描写から見るルール その2

"狂乱していると致命傷を与えても、倒れない事があるからな" 書籍12巻-321p

「戦士大全」記載の上級クラス:フレンジード・バーサーカーは、4Lvで得る能力《不死身の狂乱》により狂乱中はどれだけヒットポイントが減ろうが、-100とかになっても死ななくなる。
だがこれは決して[即死]効果を防いでくれるわけではなく、他には「ヒットポイントが0以下になると塵になる」効果の分解光線などでも死亡してしまう。
このルールを鑑みて作中で「頭蓋を砕く」という描写をしたのだろう。

*さらに3版的ルール解釈をするならば、「頭蓋を砕く」は「とどめの一撃」による即死判定とみなす事ができる


"上位死霊/ハイレイスというのがどれだけの強さを持つのかさっぱり分からないが" 書籍12巻-328p

参考になるかわからないがパスファインダーRPGのレイスのデータはココ(3.5eでの上位レイスであるドレッド・レイスは16HD、オバロ換算で種族レベル56程度)
御覧のように接触による耐久力吸収が主な能力であり、恐怖関係の特殊能力は対動物しか持たない。
この点は同様な非実体アンデッドのゴーストの持つ能力を参考にしたのだろう。

なお、D&D3.5eでは上位死霊術呪文でも召喚できるのはレイス1体であり、上位レイス複数とかは不可能である。
これは敵モンスター側がプレイヤー達とは違い非実体モンスター対策を持つことなど殆どなく、相手を選べばレイスでも充分無双できる為、ゲームバランスを考えてのことと思われる。

 

"武器に直接ダメージが入る武器破壊だが、そのダメージは材質の差や武器の持つダメージ量に大きく影響を受ける" 書籍12巻-333p

武器破壊 /Sunderは攻撃時に行える基本的な戦闘オプションの一つだが、ペナルティ無しに行うには特技《武器破壊強化》が必要である。
特技が豊富なファイターが取れば戦術に幅が出そうなもんだが、実際のところ敵の武器=未来の戦利品であり貴重な収入源を破壊すれば悲しみがマッハであり、あまり活用するPCは少ないように思われる。

なお敵モンスターの方といえば《武器破壊強化》を持っている者は少ないが、あらゆる金属製品をボロボロの錆にして食べてしまう有名怪物とか、武器を奪ってクシャポイしちゃうのが大好きな闇巨人とかろくでもない奴らがいるので、危険なことには変わり無くダメージ減少対策と併せて予備武器の携帯は必須である。

*参考になりそうなPRDJのルールはココココ

 

以下、新登場のモンスター亜人など。

鉄鼠人/アーマット
おそらく「モンスター・マニュアル3」アーマンドが元ネタ。
敏捷と耐久に+6、適正クラスがモンク、特殊能力として「防御の構え」など、耐久型モンクを推奨しているように見えるが、小型サイズに種族HD5、レベル調整値3(8Lvスタートになる)と、とても実用に耐えない。
まー脅威度が低いんで、組み付きモンク(装備無し)として敵に出せば嫌がらせには使えるか。

山羊人/バフォルク
名称的には「アンダーダーク」記載のバフィタウロスが近いが、こちらはデーモンと人間とミノタウロスの混血(現住の来訪者)という、あんまり亜人ぽくない種族。
容姿的には「モンスター・マニュアル3」のゴートフォークのような気がするが、獣人系はよくある発想なので元ネタとは言い切れない。

洞下人/ケイブ
地下種族としてメジャー所のグリムロックかな?

人蜘蛛/スパイダン
D&Dにはアレイニアにエターキャップ、ドライダーなど蜘蛛系の種族も多いが、「フェイルーンのモンスター」及び「アンダーダーク」記載のキチンが4本腕で、口から出す糸で軽装鎧を作れたりとオバロ描写に合致する。

レッドキャップ
D&D3.5eでは「モンスター・マニュアル3」に記載。
イングランドの伝承にある悪い妖精であり、別にD&Dのデータが元ネタとは限らないだろうが、一応強大化したエルダー版レッドキャップの種族ヒットダイスが12(3.5倍で42)と、ユグドラシルでのレベル43にかなり近い。

オーガソーサラー 7巻フォーサイト討伐リスト
オーガ・メイジが元ネタで間違いないかと。
D&Dのオーガメイジは氷結波をはじめとする豊富な呪文能力や人に化ける能力など、オーガに比べかなり強力なモンスターであるが、これは伝統的に日本の「オニ」をモチーフにデザインされている。グーグルのイメ検を見てもらえれば、なんとなくわかってもらえると思う。

藍蛆/ゼルン
3.5版未訳「Monster Manual4」記載のZern Blade Thrall(ゼルン・ブレード・スロール)が元ネタっぽい。
しかしググっても情報が少ないし、出典元はモンスターマニュル4だけで他の版にはいないみたいだし、グーグルのイメ検でもヒットするまともな画像は1つだけという、かなりのマイナー怪物。

この種族はZern(ゼルン)という邪悪な種族(他の種族を攫ってきて好奇心により改造する、肉体の変化や変成術が得意)によって奴隷として生み出された種族であり、元は人型生物とワームの混血であるという。
種別:人怪(モンストラス・ヒューマノイド)、属性は常に中立にして悪、種族HDは5(オバロ換算17Lv)、ゼルンの護衛として現れ、特殊武器ネットに習熟。

 

 他にもアレンダーグロストとかスラーシュみたいな、やたら特徴的な奴には元ネタ有りそうなんだけど、わからんなー。

 

追記:アレンダーグロス Web版「至上命令
アレンダグロスト《Arendagrost》はDungeon誌で展開された大長編キャンペーン「Savage Tide」終盤に登場する拠点防衛用巨大生物兵器である。
D&D3.5版末期シナリオのオリジナルモンスター*1ということもあり、25HD CR23 火冷酸の三連ブレス(合計60d6)、即死の凝視など砲台として異常に殺意火力が高い。その外見は触手の生えた三つ首竜だが、デモゴルゴン(プリンス・オヴ・デーモンズ)とマルカンテト(サキュバスの女王)の息子という設定であり、種族は竜では無く来訪者/アウトサイダー(デーモン系)となる。これがアウラ配下であるあたりはD&Dの影響が色濃く残るWeb版といったところか。

…てかね、未訳ダンジョン誌のモンスターが元ネタとか、正直調べきれないよ!

*1:ここで言うオリジナルモンスターとは、モンスターマニュアルに記載されたモンスターやそれをベースにカスタマイズされたものでは無い特定シナリオ登場のユニークなモンスター、ぐらいの意であるが、その多くは「ぼくのかんがえたさいきょうモンスター」的やべえ能力を盛られており、プレイヤーに忌諱される傾向にある

"ゴブリンスレイヤー"

人間のファイター6/レンジャー1 ECL7 脅威度6

真なる中立、中型サイズの人型生物

ヒット・ポイント:48(6D10+1D8+10)

イニシアチブ:+2

移動速度:30ft (中荷重につき20ft)

アーマ・クラス:15、接触12、立ちすくみ13

基本攻撃/組み付き:+7/+9

攻撃:ショート・ソード=+9近接(1d6+2/19-12)

またはダガー= +9近接or遠隔(1d4+2/19-20)

またはスリング=+9遠隔(1d4+2)

ほかクラブやショート・ボウなど

*特技とクラス能力により対ゴブリン+5ダメージ

全力攻撃:ショート・ソード= +9/+4

セーヴ:頑健+8、反応+6、意志+3

能力値:筋力14/敏捷力15/耐久力12/知力13/判断力12/魅力8(ポイントバイ25)

技能:〈隠れ身〉+4、〈聞き耳〉+5、〈視認〉+4、〈忍び足〉+4、〈生存〉+2〈装置無力化〉+3、〈知識:自然〉+2、〈知識:ダンジョン探索〉+4、〈知識:地域〉+5〈知識:地理〉+3〈跳躍〉+5、〈登攀〉+7

特技:《早抜き》《迎え討ち》《攻防一体》《無視界戦闘》《トンネル戦士》《万能投擲術》《Weapon and Torch》《得意な敵強化》《追跡》

装備
ショート・ソード、ダガー×3本、スリング、クラブ、ショート・ボウ、矢筒(アロー×10、ドラゴンブレス・アロー×10)、スリング、レザー・アーマ、バックラー
背負い袋、ベルトポーチ、保存食、水袋×3、チーズ、松明×5、覆い付きランタン、油(1pt.ビン入り)×2、火打ち石と打ち金、有毒発煙棒×3、
麻製のロープ (長さ50ft)、ひっかけ鉤、ピトン×8、金槌、シャベル、チョーク、砥石、盗賊道具(高品質)、
耐毒剤×4、錬金術師の火(ビン入り)×3、ポーション・オブ・キュア・ライト・ウーンズ×2、火薬樽(15lb.のスモークパウダー入り)


基本クラス:ファイター
ファイターボーナス特技×4

基本クラス:レンジャー
得意な敵:人型生物(ゴブリン類)
対ゴブリンにおいて<聞き耳>、<視認>、<真意看破>、<生存>、<はったり>の技能判定、および武器ダメージ・ロールに+2(特技で強化されダメージ+5)

野生動物との共感:動物の態度を魅力判定で向上させることが出来る

 

TRPGやらゲームブックネタ満載のファンタジー小説、「ゴブリンスレイヤー」より主人公をキャラメイク再現してみた。
Web版ではH.F.Oネタも振られていたが、さすがにファイター1本だとキビしいというか、寂し過ぎるのでレンジャー1混ぜで対ゴブリン特化を再現。
まあ作中描写を見るに3版系で再現するのが適切かどうか?という問題も有るのだが、自分はファイティング・ファンタジーですらd20版しか知らないし…
(一応、ゴブリンパラディンがスマイト使ってきたり3版的な描写もあるのだが、それにしては術者系の呪文使用回数が少なすぎる)

でまあ出来あがったデータだが、同レベルのブレインと比べるとあまりに弱い…
3版系はレベルが上がってもアーマクラスが良くなったりはしないので金か呪文で防具を強化することになるんだが、ゴブリンスレイヤーさんは常に最低レベルの装備。仕方ないので特技《攻防一体》により命中を下げてその分ACを稼ぐようにしてみたのだが…
あと雑装備の類が重い、レベルに見合った金持ってんだろうから、さっさとミスリル・チェインメイルとバッグ・オヴ・ホールディングを買おう。

他に特筆すべき点と言えば武器スタイル特技《Weapon and Torch》(未訳サプリ「Dungeonscape」出典)がキラリと光る。
これは全力攻撃時に片手武器1回攻撃と松明による火1d6ダメージ+目くらましを与えるという作中再現が可能なイカす特技だ、前提条件も無いので低レベルから使えるぞい。

おっと、両手武器の方が強いは禁句だ、ちくしょう!(ガイギャックス)

 

追記:ゴブリンスレイヤー外伝2話において、新人として冒険者ギルドに登録された時の主人公の力量レベルが描写された。
これによると戦士ファイターが1、野伏レンジャーが1とあり、とりあえず予想したクラス構成と変わらず一安心(まあソードワールド的な技能振り分けなんだろうけど、ゴブスレTRPGではどうなることやら)。

それと、もう一つ気になる記述があったのでちょいと検証してみる。
"確か紫色の長虫パープル・ワームといえば、かなりの手強さだったはず。これはまずいと慌てて怪物辞典モンスターマニュアルを取り出し、頁をめくった。「えと、脅威度は十二か。で、竜の場合、孵化したてなら基本値で、緑鱗だと……四?」"

D&D3.5eモンスターマニュアルのパープル・ワームのデータは脅威度12で問題無いのだが、グリーン・ドラゴンのワームリング(雛竜)の方は3.0版及びSRDが脅威度2、D&D3.5版が脅威度3と作中描写と微妙に合致しない。
気になって5版の方とかも調べていたのだが、結局パスファインダーRPGでのグリーン・ドラゴン、ワームリングが脅威度4であった。

…Monster ManualじゃなくてBestiaryじゃん、というツッコミはさておき、ここらへんのモンスターの強さの感覚は完全にD&D3版系だねぇ。