Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

Wisにボーナス付く僧侶向け種族っていないの?

記事表題の「レベル調整値が無く、能力値:判断力/ウィズダムにボーナスの付くクレリック向けPC種族」を探して多数のサプリメント(追加ルール本)を漁る、というのはD&D3.5版をプレイしたゲーマーならば誰もが通った道である。

以前にも書いた通りD&D3.5eには呆れるほど多数の種族が登場するのだが……関羽「そんなものはない」*1

(というか精神系能力値にボーナスの付くPC種族は安易に作るなとか何処かでデザイナーが書いてた気がする)

3版系D&D以前のシリーズ(オリジナルD&D、AD&D1st、クラシックD&D、AD&D2nd)においても基本ルール記載のPC向け種族にそのようなものは見当たらず、一種伝統的な流れも感じる所ではある。

 

さて、D&Dの模倣から始まった初期コンピューターRPGではオリジナリティを出すため、と言うよりも「欲しいものが無ければ作る」の精神で「Wisdomにボーナス付く僧侶向け種族」が登場した作品もあった。

 

ウィザードリィ#1(1981)ではノームがそれにあたり、日本のレトロゲーマーにおいては未だノーム=僧侶のイメージが根強く残る原因となっている

*AD&D1st~D&D3.0までのD&Dシリーズにおいて伝統的にノームはイリュージョニスト/幻術士向けの種族

 

またウルティマシリーズも初期は種族、クラス、能力値などの名称にD&D系の影響が色濃くみられるが(戦闘システムの中身はD&Dと似ても似つかない大味な物だが)、Ultima I~Ultima III(1981~1983)ではボビット/Bobbitホビット/Hobbitにあらず)が「Wisにボーナス付く僧侶向け種族」となっており、トールキン読者やD&D系ゲーマーからすると違和感を強く感じる物である。

*『Chainmail』及びオリジナルD&Dにおいてホビット(後のハーフリング)は「投石、セーヴィングスローにボーナスのある戦士、隠れ身も可能」といったものだったが、OD&D『Supplement I: Greyhawk』にてクラス:シーフが登場して以降、AD&D~D&D3版系ではハーフリングはシーフ(ローグ)向け種族としてデザインされている

*ちなみにウルティマ3のクラス:レンジャーは武器は+2ソードまで、防具は最強の+2プレートが装備可能、シーフスキル有り、成長は遅いもののウィザード及びクレリック両系統の魔法が使えるという、非常にAD&D1st的な最強職だった

 

この話に特にオチは無いが、「ファンタジーRPGの常識」がどのように形作られ、拡散し変化していったか歴史の一端を記録しておく価値はあるだろう。

*1:どうするブラックジャガー!?