Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

願望機

纏まらないから箇条書きにメモ。オバロとはほぼ関係無いし、ストルガツキイ兄弟とも関係無い。

 

ダグダの大釜
ケルト神話 ダーナ神族四秘宝の一つ
"尽きざるもの"
"誰をも満足せずには帰さなかった"
"死者をこの釜で煮ると復活"
願望機、食料を無限に生み出す、魔術装置 などの性質


騎士道物語の聖杯伝説へ キリスト教化(ホーリーグレイル≠カリス)

天沢退二郎「オレンジ党シリーズ」及びTYPE-MOONFate/stay night
聖杯伝説が根底にあるがキリスト教化される前の原型神話に準じている

 

魔女の大鍋(ヘクセンケッセル、コールドロン)
魔術装置として秘薬生成、死者復活など
ダグダの大釜以外にも源流となるイメージの神話多数有り
子宮からの再生 混沌からの生命誕生>ウボ=サスラ、ねるねるねるね など 

Pathfinder RPG ではクラス:ウイッチの能力「大鍋の呪術」として再現
ポーション作成、食人料理、ホムンクルス

ハグ(妖婆)の魔女団>3人組みで儀式
  三相一体の女性(処女-母親-老婆)>ヘカーテ、モイラ、ブリギットほか


ドラえもん「グルメテーブルかけ」
D&D《ヒーローズ・フィースト》呪文(英雄定食)
Nethack「恵みのホルン/horn of plenty」AD&D1stより、3.5eではMICに記載。 *元はギリシャ神話でありケルトからの流れとは異なるか?
オーバーロード〈ダグダの大釜〉 食料生成装置として

「山小人の工匠」描写から見るルール その4

"この世界では魔法の武具は、鍛冶職人が作った武具に、魔法詠唱者が魔法を付与することで作り出される。つまりは、強い武具を作るためには優れた職人よりも、優れた魔法詠唱者が必要だ。" ー44p

D&D3版系のマジックアイテムの作成がこれに当たる。
あらゆるマジックアイテムのデータ(アーティファクトなど自作出来ない物以外)には、作成するのに必要な呪文、特技、術者レベル、また作成後に発するオーラの強度と系統が書かれている。

この辺のページを参考に。

 

"彼の持っていた防御系のパッシブスキルを切り裂ける武器を代表に…" ー44p

ガゼフのレイザーエッジか?
だとするならやはり「あらゆるダメージ減少を無視」というフォース能力なのか?(ココで考察)

 

種族クアゴアに関するいろいろ 138pあたり

かなり早い時期から特定している人がいたが、サプリ「アンダーダーク」及び「フェイルーンのモンスター」記載の種族、クアゴスが元ネタでないかと思われる。
3版基本ルール(MM)には記載されておらずレルム系サプリで登場、能力も地味と自分はすっかり存在を忘れていたが、調べてみたところAD&D1stで初出、D&D5版ではモンスターマニュアルに記載と、意外と息の長いモンスターの模様。

で、D&D3.5eでのクアゴスというと
属性は「通常は中立にして悪」、種族能力として"激怒"(普通はバーバリアンのクラス能力)、恐怖効果に完全耐性、種族HD3(オバロでいうと種族レベル10くらい、巻末データと大体同じ)と、まあ全体的に地味目な獣人であり、オバロでの〈日光の下で盲目〉や〈希少鉱石を食べて強化〉〈金属武器耐性〉などは無い。
ここらへんは大まかな種族の立ち位置のみ参考にしたのだろう。

あとはその容姿だが、ココのイラストを見る限り薄汚れてクラブ持ってたりクアゴアとあんまり似ていない気もするが、一応本には全クアゴスの半数の「獣信者」は武器を使用せず肉体武器(爪、噛み付き)にこだわり、本来の白い毛皮をカモフラージュの為に染めるような事をしない、と書かれており辻褄は合う。

*〈希少鉱石を食べて強化〉については「秘術大全」記載の上級クラス《グリーン・スター・アデプト》が発想元となったような気もする。
このクラスは希少金属スターメタルを摂取することにより肉体を強化し(筋力と外皮Up、ダメージ減少/アダマンティン)、最終的には種別:人造となれる魔法戦士向けクラス。


"クアゴアたちはこの山脈の中では下から数えた方が早い劣等種族であり、強者たちの被食動物に過ぎなかった。" -213p

「フェイルーンのモンスター」ではしょっぱなから、クアゴスはアンダーダーク(地下世界)にいる「悪の負け犬/evil underdogs」だ、とディスられている。
またダークエルフやマインドフレイヤといった地下の文明が用いる魔法の策略の敵では無い、人口の半分が他種族の奴隷とも書かれている。
オバロ共々ちょっとかわいそう、クアゴアたちの明日はどっちだ

 

ヘジンマールが失禁 380p

D&D3.5eに「失禁」というルールは無いが、噂に聞いた某サークルでは恐怖や麻痺の判定で出目1だと失禁としていたようだ…まあなんだね、D&Dはオトナのゲームってことだね!

 

カルネ村の新婚夫婦  11巻作者雑感

特技《持久力》というのがある。
鎧を着て寝ても疲労しないとか息止め判定にボーナスとか、直接戦闘時には関係ない地味な効果ばかりの特技なので特に取る必要も無いが(マンチ思考)D&D3.0の頃には嫌がらせの如く何故かコレを前提とした前衛系上級クラスが多く、泣く泣く取得した戦士も多かったという。
そんな微妙特技の《持久力》だが、これをンフィーレアが取得していれば対エンリ戦にて性交判定に+4のボーナスが(以下略

 

「山小人の工匠」描写から見るルール その3

"…ダークエルフというのは話を聞く限り、地下に生きる種族ではなかろう?" 書籍11巻-135p

どうやらオバロではダークエルフは地下に住む種族では無いし、あまり他種族から危険視されているような邪悪な存在ではないようだ。
ここらへんはワールドセッティングによる違いという奴か。D&D3.5eでもエベロン世界のダークエルフ暗黒大陸ゼンドリックのジャングルに住む未開の部族みたいな感じだったし。

 

"大地潜りなどの特殊技能を持つ相手では" 書籍11巻-129p
"土の中を泳ぐように移動するモンスターもおる。" 書籍11巻-136p

特殊能力《地潜り/earth glide》を持っていれば石や泥など金属を除くほぼどんな種類の地面の中でも、あたかも魚が水中を泳ぐかのように通り抜けることができる。またこうして進んだ跡にはトンネルや穴が残ることはない。(アンバー・ハルクなどが持つ穴掘り移動とは異なる)
この能力を持つ代表的なモンスターといえばアースエレメンタルやゾーンが有名だが、PCとして得るには一部のクラス特徴や呪文《ゾーン・ムーヴメント》ウィザード5Lv、《アースグライド》ウィザード、ドルイド8Lv、あとは上位変身呪文の《シェイプチェンジ》9Lvなどを駆使すれば可能となる。

 
"足音を探知し、大地から襲い掛かってくるモンスター" 書籍11巻-331p

先に書いた《地潜り》や穴掘り移動を持つモンスターの多くは、特殊能力《振動感知/tremorsense》も持っており地面に接触していて行動している60フィート以内のクリーチャーの位置を自動的に感知する。


"精神に衝撃を与え、朦朧としている間に致命的な一撃を与えてくる者などもいる。" 書籍11巻-331p

マインド・フレイヤー、 キターーー!
ファイナルファンタジーでもおなじみ、改めて説明しなくてもご存知だとは思うが、こいつもD&Dでは地下都市に居を構えている事が多い凶悪モンスターである。
定番戦法はサイオニック攻撃「マインドブラスト」を放って朦朧化したところで頭に触手を巻きつけ抽出、「のうみそをすいとられた!」で即死というエゲつない物。
運良く殺されなくても、チャームされて地下都市に連れて行かれ奴隷or苗床コースとなる、まー出来る事なら出会いたくない奴ら。

なお余談だが地下世界を扱ったサプリメント『アンダーダーク』にはマインドフレイヤ専用上級クラスの「イリシッド・ボディ・テイマー」がある。
サイオニック能力を封印することにより肉体強化を図る肉弾派クラスであり、《触手大旋風》とか(名前だけは)面白い能力を得るネタクラスだが、どう考えても普通にサイオニック能力を伸ばした方が強い気がw

「山小人の工匠」描写から見るルール その2

"そして荷物の運搬のために金貨を使って召喚したマンモスのような魔獣が5体だ" 書籍11巻-93p

D&D3.5eではアフリカゾウにインドゾウ(ファンタジー世界で何故にアフリカインド?)、マストドンにマンモスまでデータ化されているが、どれも[火]や[冷気]の抵抗は持っておらず上記の魔獣とは違うみたい。
うーん、わざわざ「魔獣」と書いてるから種別:動物とは違うのか、それともムマークあたりをイメージしたのか?
D&D以外からの可能性もあるし…元ネタがわかんない。

 

アウラがクアゴアの足跡を追跡 122pぐらいから

特技《追跡》を持っていれば技能《生存》の判定で足跡を辿ることが出来る。

*ちなみに基本クラス:レンジャーは技能《生存》がクラススキルな上、1Lv目で特技《追跡》をボーナス特技として貰える。

直接戦闘には関係ないので、上級クラスの前提でもない限りわざわざ取ることも少ない特技《追跡》だが、あったらあったで便利でお世話になる事も多い。

追記:"流れた血の跡が続いている。相手に追跡する能力がなくても、自分を追うことは容易だろう" 16巻244p
上記では省いたが技能<生存>判定難易度10以下の痕跡、つまり見てすぐ分かるカンタンな足跡などは《追跡》特技が無くとも後を追うことが出来る。わざわざ書いてあるということは「追跡する能力」といったスキルがオバロでは存在するからだろう。

 

"〈完全不可知化〉では音から気配、そういったものまで全て消してしまう。よほど高レベルの盗賊系職などでなければ探知は難しい" 書籍11巻-132p

通常、不可視状態の物を見るには《シー・インヴィジビリティ》呪文やマジックアイテム等で対応する事になるが、技能《聞き耳》や技能《視認》で高い達成値を出せば、何か居る事に気付いたり場所を特定する事が出来る。
この場合、アインズは音を出していないし「不可視状態で動かずにいる相手」に対する視認となるだろう、判定は高難易度だがエピックレンジャーのアウラなら容易い事かと。

*基本クラス:レンジャーは技能《聞き耳》も《視認》もクラススキルであり、盗賊系クラスと同等に伸ばしていく事が出来る。そしてエルフ種の多く(ダーク・エルフ含む)は聞き耳、視認、捜索判定に+2の種族ボーナス*1

それとアインズは〈完全不可知化〉魔法を使っている為、おそらく低位の不可視視認能力だけでは見つける事が出来ない:ココを参照


"ちらりとアウラの視線がアインズに向けられた。ただし、微妙に外れている。" 書籍11巻-137p

上記技能を使った不可視存在の特定は、正確には見えている事にはならずマスを特定できるだけである。
攻撃することは出来るが、完全視認困難扱いで命中に50%の失敗確率があるし、精密さを必要とする攻撃(急所攻撃など)も出来ない。

"微妙に外れている"などと何気なく描写しておきながら実は背景にあるルールに則った表現、というのは小説「オーバーロード」の稀有な特徴の一つ。
丸山くがね氏のゲーマー気質が成せる業だろう。

*1:追記:16巻76pにダークエルフおよびエルフは人間よりも聴覚に優れているとの記述アリ

「山小人の工匠」描写から見るルール その1

ようやく出た11巻、ネタバレになるほどじゃないが一応注意。

ゴンド・ファイアビアド/gondo firebeard

火のアゴヒゲ?ドワーフの氏族名としてソレっぽい名前だなーと思い、基本ルールブックの氏族名の例や「石の種族」なんかを調べていたが、ググってみるとトールキンの指輪設定に「火の鬚族/Firebeards」というドワーフ氏族がある。

追記:D&D5版のドワーフ氏族名例にフロストビアドがあったり、D&Dではないがウォークラフトとか洋ゲーを見るに何々ビアドという氏族名はファンタジー界隈では在り来たりな物のようだ。くがね氏も別にトールキンを意識してたわけではなさそう。


"しかしながらドワーフは闇を見通す目を持つ。" 書籍11巻-8p

D&D3.5eのドワーフは暗視能力を持ち、闇の中で60フィート(約18m)まで見通すことができる、但し色は白黒。ダンジョンアタックに有益な能力だが地下生活で60ftより先が全く見えないというのも不便であり、地下の共同体ではヒカリゴケの類や発光水晶ほか熱の出ない錬金物質「いろり火」などにより明かりをとっている。同じようにオバロ11巻作中では光る結晶石や煙の出ない熱源など地下独自の工夫が見られる。

追記:アウラに対し"おぬしもどうやら完全なる闇を見通せるようじゃが"-136p
ダーク・エルフの暗視は120フィート、これだけ長ければランタンは要らないだろう。

 

"世に広く知られるようにドワーフは鈍足である" 書籍11巻-16p

ドワーフ種の基本移動速度は20フィートと、人間やエルフなど中型サイズ種族の多くが30フィートであるところと比べると鈍足である。
しかしながら「中装、重装鎧を着用、または中、重荷重でも移動速度が低下しない」という種族能力を3.5eアップデート時に与えられ、前衛戦士としてはさほど移動に困らないようデザインされている。
またこの能力は重装であっても技能《軽業》が使用できることを示しており、クラス構成次第では「フルプレート着用しつつも軽快に走り回り機会攻撃を避ける」ような面白いキャラクターが作れる。


"アーケオプテリクスだったか…森司祭が従えられる恐竜にいたなぁ" 書籍11巻-32p

前にも何度か書いたがD&D3.5eでは恐竜/ディノサウルスも動物であり、ドルイドのクラス能力《動物の相棒》によって従える事が出来る。
残念ながらD&D3.5eには始祖鳥のデータは無く相棒には出来ないようだが、パスファインダーRPGサプリメント「Bestiary4」には使い魔向けモンスターとしてArchaeopteryxが載っている。

…しかしまあ始祖鳥、ドードー、カモノハシ、ナマケモノかわうそ、豚、モモンガ、と何処の魔術師の使い魔に需要があるのか、さっぱりわからんこのラインアップw書いた奴はバカだな(褒め言葉)

 

クラス考察 その6

〈テンプラー〉ラキュース、ロバーデイク
直訳すると聖堂騎士
D&D3.0eでの《テンプラー》は、パラディンで無くともなれるパラディンぽい強い上級クラスである。
3版のテンプラーについては説明しだすと長いのでD&D3版系サイト【CDS:PE】様の記事、「最狂天麩羅」をまず見てほしいが、前衛戦闘クラスとしてやたら強力でファイターディスりネタに対比として使われることが多かった、というかこの記事の影響でテンプラ=強クラスという認識を強めたD&Dプレイヤーも当時は多かったと思う。

その後時は流れ、D&Dも3.5eとなりテンプラーはサプリ「信仰大全」に《パイアス・テンプラー/敬虔なる聖堂騎士》として再録された。(主な変更点として習得呪文がパラディン呪文リストからとなった)
この頃になると特技の種類も増えそれらを使ったコンボも研究され、ファイターも弱クラスと言えなくなってきておりファイター対テンプラーの対立ネタなども忘れかけてきていたのだが…
後発サプリ「プレイヤーズ・ハンドブックⅡ」に記載された特技《武器体得》によって問題が再燃。

この特技は選んだ種別(近接/斬撃など)の武器の命中とダメージが増えるという単純にして強力な特技なのだが、まずこの特技を取得する条件として《武器開眼》が必要である。
《武器開眼》は取得前提がファイター4Lvという戦士のアイデンティティとも言うべき特技、これだけ見るとファイター大幅強化の予感!なのだが、実はテンプラーもクラスのボーナス特技として《武器開眼》(信仰対象の神格の好む武器のみ)を貰えるので、《武器体得》が欲しいからといってファイター伸ばさなくてもテンプラーになればいいじゃん。となり再びテンプラーは強上級クラスとして名を馳せ、ここに「テンプラー>>>越えられない壁>>>ファイター」の図式が決定した。

オバロと関係ない話を長々と続けてしまったが、改めて考察するとオーバーロードにおけるテンプラーは既に習得している信仰系呪文の発動能力を累積させて伸ばすことが出来る上級前衛クラスとなっているようだ。

(ラキュースの場合クレリック呪文、そうでないとレベル的にレイズ・デッドに手が届かない)

 

〈シェイプシフター〉デミウルゴス
直訳すると変身能力者、変化妖怪ぐらいの意味。(D&Dでの変身生物の副種別はShapechanger)

いちおうインスパイア元として考えられるのは「戦士大全」記載の上級クラス《ウォーシェイパー》かな?
このクラスは変身能力を持っていると成れる前衛向け上級クラスであり、そのクラス能力は変身時に肉体能力値が増強、腕(間合い)が伸びたり、肉体武器(爪や牙)が強くなったり、内臓を移動させて急所攻撃&クリティカル・ヒットに耐性を得たりする。
デミウルゴスの〈悪魔の諸相:豪魔の巨腕、鋭利な断爪、おぞましき肉体強化〉あたりが再現できる。

 *クラス前提の変身能力は何でも良い。呪文でも種族能力(ドッペルゲンガー)でもドルイドの化身でもOK、呪文発動が一切伸びないのでドルイドからは考え物だが、それでも他からは得がたい能力ばかりであり前衛として良クラス。

 

〈ナイト/騎士〉ガガーラン、ぶくぶく茶釜ほか
D&D3.5eでのナイトはサプリメント「プレイヤーズ・ハンドブックⅡ」に記載された基本クラス、防衛的なクラスということもあり強くはないが特徴的かつアツい能力を得ることが出来るクラスである。
属性は当然秩序でしかなれず、またある意味パラディンよりも厳しい「ナイトの規範」を守りながら戦わねばならない(挟み撃ちでボーナスが得られない、無防備の敵を攻撃しちゃダメ先制攻撃もダメ)

能力《ナイトの挑戦/Knight's Challenge》により敵単体に挑戦したり敵集団に呼びかけたりできる(ぶくぶく茶釜のナイト・チャレンジの元ネタか)
ヘイト集めというD&D3.5eでは珍しいタイプの能力であり有効に使いたいところだが、ナイトと同程度以上に強く言語と知力を持つクリーチャーにしか効かない為、状況によってはただ大声を上げただけとなる。
まあ例え効かなくてもセーヴに成功しようとも、喚くナイトを無視せず攻撃してあげるのがDMの礼儀ってものだろう。

20Lvで最終的に得る《ナイトの挑戦:死すら越える忠義》では挑戦回数が残っている限りどれだけヒットポイントが減ってマイナスになろうが死なない、という気合で不死身になっちゃう意味不明なすごい能力と化す、燃えるぜ!
*ただしHpゼロ以下で分解光線を食らうと問答無用で塵になるので注意


他には騎乗戦闘関係のボーナス特技を貰えるが、パラディンのように馬が降って来ることはないのでお金を出して馬を買おう。
ヘヴィ・ウォーホースを大枚叩いて買ったはいいが直ぐに死んじゃって涙目、までが定番コースだが気にしない。馬の無い騎士なんて!


3Lvで得る《防御の砦》攻撃範囲内を移動困難にするという能力が壁前衛としてかなり優秀だが、その能力をさらに生かすために「先祖に異形とドッペルゲンガーを持つ、やたらと腕の長い(3m以上)騎士がクサリガマを振り回す」というようなプレイヤーキャラも見られることがあった。
ナイトというロール、アイデンティティに疑念が沸くような異常な光景ではあるが、強さを追求し続けなければ生き残ることすら間々ならないD&Dにおいては、しかたのないことである。

シャルティアはアンデッドなのに血の狂乱するの?精神作用っぽい名前なのにという疑問

これに関してはなにやらSS「プレイアデスな日」でも触れられているようだが、とりあえずD&D3.5e視点からの推測であれば1つの答えが導き出せる。

すなわち元となったとおぼしき能力、《ライフドリンカー》の「血宴」及び《フレンジード・バーサーカー》の「狂乱」、両方とも[精神作用]では無いからだ。


まず能力「血宴/Blood Revel」だが、これは吸血行為の後「血宴」状態に入ることができ、筋力、物理耐性、再生能力の上昇、及びニンニクや太陽光などの弱点を無視して行動できるようになる。(1分間持続)
しかしながらこの状態では生きている敵から逃げることができず、毎ラウンド物理攻撃を行わなければならないという一種の暴走モードであり、血宴が終了した後さっさと棺桶に戻って休息しなければ完全に滅びてしまうという諸刃の剣、なかなかカッコいい。

このとき筋力に付くボーナスは[不浄]ボーナスであり、アンホーリーな力でパワーアップしているようだ(もし精神作用ならこれは[士気]ボーナスとなるはず)。


つぎに「狂乱/Frenzy」状態では、大幅な筋力増強に加え追加攻撃+1回(ヘイストと累積せず)しかしアーマクラスに-4ペナ、各種技能使用制限、呪文発動も魔法のアイテム起動もできず、狂乱終了後は疲労状態となる。
そしてなにより大きいペナルティが、狂乱中はまず敵と見なしたものを全力で攻撃し、敵を全て殺せば次に仲間であろうと全てが居なくなるまで攻撃し続けるという物であり、さらにはちょっとしたダメージを受けただけでも狂乱が発動、自発的に終了させるのも意思セーヴの判定が必要(脳筋バカには難しい)と言う、PCとして見るとかなり危険な能力。
分かり易い例で言うと漫画「北斗の拳」のナイスガイ、ハート様の「いてえよ~!!」がまんまそれである。

この「狂乱」およびベースとなった能力「激怒」(基本クラス、バーバリアンが持つ)には[精神作用]とは書かれておらず、能力値ボーナスにも種別が書いていない(ルール的に無名ボーナスと言われる)。

たとえ「激怒」と同様の効果を表す呪文《レイジ》が心術[精神作用]であろうが、感情沈静化の呪文《カーム・エモーションズ》で効果を抑止されようが、書いてない以上ルール的には精神作用では無いのである。


*この無名ボーナスというのがミソで実は美味しい部分。
D&D3版系では同名のボーナス種別は効果が累積せず、最も高い値のみとなるのだが、無名と回避ボーナスだけは例外で累積する。
例を挙げると「ガントレッツ・オヴ・オーガ・パワー」装備時(筋力に+2強化ボーナス)に《ブルズ・ストレンクス》呪文(筋力に+4強化ボーナス)を掛けても合計+4Upだが、バーバリアンの大激怒(筋力+6無名ボーナス)とバーサーカーの大狂乱(筋力+10無名ボーナス)を併せれば合計+16Up、洒落にならない増加量となる。