今回も例によってD&D3.5e中心であまりオバロは関係ないです。
東の巨人「グ」や武王「ゴ・ギン」と、なにかとフィーチャーされてる感のあるウォートロールだが、D&D3.5eでは「モンスターマニュアルⅢ」に森トロル、洞窟トロル、山トロル、結晶トロルと共にトロル亜種として掲載されたモンスターである。
後発のサプリに掲載ということもあり、あまりメジャーとは言い難いはずの種族ではあるが、一部特性によりパワープレイヤーからは熱い視線を送られているこの戦トロルについて今回取り上げてみる。
まず、その能力だが
種族ヒットダイス12、162hp
10巻作者雑感で「フールーダとはいえ、第三位階の魔法四撃では武王を倒せません。」と書かれているが、大体計算が合う(古田の術者Lvは10~12程度、ファイアボールで期待値35ダメ、4.6発分のHP)
筋力31
アフリカ象より強い
再生能力9
普通のトロルより強化され、酸で通常ダメージを受けるが、火は弱点ではない。
*酸に完全耐性を持つハーフブラックドラゴン・ウォートロルとか作っちゃダメよ!
幻惑打撃/Dazing blow
ウォートロルの打撃を受け、セーヴ失敗すると幻惑状態となり1ラウンド何もできない。そして幻惑はマイナーな状態異常ゆえに耐性を付ける手段が非常に少ない
呪文抵抗20
フールーダで半々、ナーベでも20%程度の確率で呪文が通らない。
ACに+14外皮、ダメージ減少5/アダマンティン
硬すぎ、おまえは鎧着るな。
と、かなり通常のトロルより魔改造されてはいるが、手練のプレイヤーが操る冒険者12Lv4人(適正遭遇難易度)なら、まあなんとか抵抗出来るだろう。
プレイヤーキャラ種族として使うにしてもレベル調整値+6は重すぎて実用的ではない、問題は別の部分にある。
その1:変身最強候補
「ポリモーフ」ウィザード4Lv呪文を使えば、仲間1体をウォートロルに変身させ、その強力な肉体を与える事が出来る(術者Lv12以上から)
またドルイドの変身能力を拡張する上級クラス《マスター・オヴ・メニー・フォームズ》でも最短合計12Lv以上でウォートロルに変身できる。
リソース(変身回数、持続時間)的にも能力的にもドルイドベースからの変身の方が強力な前衛となれる。
*変身能力や変身呪文には様々な制限が付いて回るが、マスター・オヴ・メニー・フォームズでは7Lvより変身対象の変則的能力も得ることが出来るようになり、そしてウォートロルの特殊能力の全ては変則に分類されている。(呪文発動や精神系能力値は得ることが出来ない)
敵モンスター側が先に書いたような特殊能力に対する抵抗手段を揃えている事が、PCと比べて殆どないというのもウォートロル無双の原因となってる。
その2:傭兵として雇える
傭兵として雇う場合の値段がルールブックに書いてある、しかも安い(冒険者にとっては、だが)
ウォートロルのファイター4Lv(戦闘メイドより強い)でさえ2Lv呪文の巻物の値段で2日間雇える。
こんな不死身の超級戦士が守ってくれるんなら、低レベルの内からパーティ資産から金出して雇おうとするだろ?誰だってそーする。俺もそーする
裏切りの心配もいらない。属性が秩序にして悪、なのできっちり契約通り働いてくれだろうし。
このようにゲームバランス破壊の原因となることが多く危険視されるウォートロル、
DMとしては強権により「なかったこと」にしたい種族ではあるが、「ルール通りの運用こそ正しく、美しい」と考えるD20システムの信奉者からしてみれば、頭の痛い問題である。