Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

召喚魔法のしくみ

死体から作ったデスナイトが消えないのは?みたいな話題があったので参考に。

 

D&Dのサモン・モンスター系呪文(招来/SUMMON効果)は他次元界のクリーチャーを一時的に呼び出す呪文である。
召喚されたモンスターは仮の姿(顕現)であり、殺されても別次元の本体が死亡するわけではない。
呪文の効果時間が切れたり解呪されると消えるし、当然死体は残らない。

サモンモンスター表を見ると召喚できるのは天使、悪魔、動物、魔獣、精霊などである。
それぞれの住む次元界(天使ならセレスティア、悪魔なら地獄、動物ならビーストランズ、エレメンタルなら対応する各エネルギー界)から術者の招来に応えやって来るわけだ。

*小説「ダークエルフ物語」だったか「アイスウィンド・サーガ」では魔獣のグエンワイヴァーが、野生の王国みたいな所(おそらくビーストランズ)で狩を楽しんでいる時に呼び出されるシーンがあった。

同様にサモン・アンデッド呪文は、負のエネルギー次元界より各アンデッドを招来する呪文となる。

*ちなみに治癒呪文(キュア系、ヒール)も系統は召喚術。正のエネルギー界からエネルギーを引き出すとか、そんな感じの設定なのだろう。


上記各召喚魔法と違い、呪文《アニメイト・デッド》や《クリエイト・アンデッド》は死体に負のエネルギーを注ぎ込みアンデッドと化す呪文である。
別次元から呼び出したわけでは無いので破壊しても死体は残り、倒した後にリザレクション以上の蘇生呪文をかければ生者として復活できる。

 

サモン系とは違うモンスター召喚にはもう一つ、プレイナー・バインディング系呪文とプレイナー・アライ系呪文(共に、招請/CALL効果)がある。

プレイナー・バインディングの場合、召喚者は魔法陣(マジック・サークル呪文)を書き、内に来訪者を呼び出し拘束、契約を結ぶよう交渉し時には報酬を支払う。
呼び出されたクリーチャーも命にかかわるので必死である(呼び出されたのは本体だから仕事内容によっちゃ実際に死ぬ)
当然魔法陣を破ろうとするし、デヴィルなどは言葉巧みに召喚者を誘導し魂が堕落するような契約を結ぼうとするかも知れない。
また無事に仕事を完遂し元の次元に送り返しても、後々復讐にやってくることもある。

以上を見れば解る様に、史実での悪魔召喚とかを再現する為のクソ面倒なルールである。

 

プレイナー・アライ系呪文(クレリック呪文)はプレイナー・バインディングよりは比較的面倒が少ない。
神格の使いや自分の属性に近い存在が召喚され、対価(主にお金)を支払うことできっちり仕事が終わるか、契約期間まで働いてくれる。

オバロでは大人数での瞬間移動に使われている《ゲート》呪文も、D&Dではもっぱら上記プレイナー・アライのように特定の存在を招請して使役する使われ方が多い。

 

君がもし、異世界に召喚されたら招来か招請効果かしっかり確認しておこう、来訪者として殺されると蘇生が大変だぞ!

 

追記:

"呑み込まれた悪魔たちは動けぬままタコ殴りにあい、すぐにその身を爛れた泥のように変えて魔界へと戻っていく" 「亡国の吸血姫」341p

D&Dでも「死んだら消えました」じゃ味気ないと思ったのかサプリメント「魔物の書Ⅰ」9頁にはデーモンが奈落/アビス以外で死んだときの様子を劇的に演出するためのダイスロール表がある。
「デーモンの断末魔」表の例
d20で1「死体は溶けてタールのような膿汁の水たまりになる」
d20で16「床から影の手が伸びてその死体を地面に引きずり込む」

こんな感じのが20個ばかし並んでるわけで…まあ実際に使ってみるも数回でめんどくさくなりお蔵入りするのがこの手の表のお決まりの運命なのだが、隙あらばダイスロール表をねじ込んでくるその精神は、ゲーマーとして常に見習いたいものである。