Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

呪文 その2

〈ファイヤーボール/火球〉第3位階
《ファイアーボール/火球》ウィザード3lv
定番中の定番。半径20フィートの爆発で火ダメージを与える。

参考として、10Lv術者のファイアボールとM72ロケットランチャーのダメージは同等(10d6、期待値35ダメ)なのだが、ファイアボールの火ダメは対物半減なのに対し、ロケランの方はある程度の装甲貫通能力を持つ。

ちなみにウィザードが3lv呪文を習得できるのはキャラクター5Lvの時。ちょうど一端の冒険者として名が売れてくるLv帯であり、ここまできてようやく手に入る範囲攻撃呪文という点が、ファイアーボールが重要かつ知名度の高い呪文となった原因の1つであろう。


〈ライトニング/電撃〉第3位階
《ライトニング・ボルト/電撃》ウィザード3lv
直線貫通の電撃呪文、距離は120フィートまで。昔の版では壁で反射して跳ね回ったらしい。

 

追記:D&Dにおいてファイアーボール呪文を使用する為には触媒(物質要素)として、"コウモリの糞が乾いた玉と硫黄"が必要である。
コウモリの糞といわれてもピンと来ないかもしれないが、原文では「バット・グアノ/bat guano」となっており、これは蝙蝠の糞が洞窟内に堆積し化石化した物を指し一般的に肥料または硝石の原料として使われている。つまりファイアーボール呪文の触媒は火薬ということであり、この点から察するに呪文の原型、インスピレーション元としてミニチュアウォーゲームでの大砲による攻撃、攻城兵器ユニットがあったのではないか?と以前から自分は目星を付けていたわけだが…
最近になって改めて調べてみると真実は当たらずとも遠からず、といった所であった。

オリジナルD&Dの原型となった中世ミニチュアウォーゲーム『チェインメイル/Chainmail』(1971)の1:20大規模戦闘ルールにおける各種攻城兵器の射程と効果範囲は、同ゲームのファンタジーサプリメント追加ルールにおいて下記の右の物に対応している。

ヘヴィ・カタパルト ⇒ ファイアーボール呪文
ライト・カタパルト ⇒ ジャイアントの岩投げ
カノン砲 ⇒ ライトニング・ボルト呪文

これらのルールをオリジナルD&Dへ転用、さらにはAD&Dへと進化していくうち、効果範囲が半径20ftになったりダンジョンの壁を破壊しなくなったりして現在のような"ファンタジーRPGの呪文"へと変化していった、というわけだ。


〈フライ/飛行〉第3位階
《フライ/飛行》ウィザード3lv

一人に飛行移動速度60フィートを与える。


〈マス・フライ/全体飛行〉?位階
《マス・フライ/集団飛行》ウィザード5lv「秘術大全」出展

複数人にフライ呪文の飛行能力を与える。


アニメイト・デッド/死体操作〉第3位階
アニメイト・デッド/死体操り》ウィザード4lv クレリック3lv
 死体をスケルトンかゾンビにする。

*Web版でのアニメイト・デッドは書籍でクリエイト・アンデッドに変更された模様


〈クリエイト・アンデッド/不死者創造〉第3位階
《クリエイト・アンデッド/アンデッド創造》 ウィザード6lv クレリック6lv
書籍版でカジットが使用、D&D3.5eではグールやガスト、ミイラ、モーグなどちょい上位のアンデッドを死体から作り出す呪文。
夜にしか発動できないという、びみょーな制限もある。