Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

追補2:ファイナルファンタジーの魔法、アイテム出典一覧

基本的に呪文はAD&D1st『Player's Handbook』出典

LV しろまほう 元ネタ 呪文LV
1 ケアル Cure Light Wounds Cle1
ディア *クラス:クレリックの能力Turning Undeadに由来
プロテス Protection From Evil Cle1
ブリンク Blink M-U3
2 ブラナ Cure Blindness Cle3
サイレス Silence 15' Radius Cle2
インビジ Invisibility M-U2
3 バファイ Resist Fire Cle2
4 ポイゾナ Neutralize Poison Cle4
フィアー Fear または Cloak of Fear M-U4, Cle4
バコルド Resist Cold Cle1
5 レイズ Raise Dead Cle5
6 ストナ Stone To Flesh M-U6
ダテレポ Word Of Recall Cle6

*テレポは黒魔法なのに上位魔法のダテレポはなぜ白魔法なのか?といえば、元となったものがクレリックの帰還呪文(Wizでのロクトフェイト)だからである。なおAD&D1stPHBにはグレーター・テレポート相当のM-U呪文は存在しないが、UAにてTeleport Without Error (エラー無しテレポート、M-U7Lv)が追加された。

7 ケアルガ Heal Cle6

*FF1でのケアルガはHP全回復及び状態異常も治療という点が、明らかにHeal由来の特性となっている

8 アレイズ Resurrection Cle7
ホーリー Holy Word Cle7
デスペル Dispel Magic Cle3, M-U3

*名称的にはディスペル・マジックなんだろうけど、あらゆる耐性を剥ぎ取る最高位の魔法といった点は、Mordenkainen's disjunction(UA出典,M-U9)の影響も考えられる

LV くろまほう 元ネタ 呪文LV
1 スリプル Sleep M-U1
シェイプ Faerie Fire Dor1
2 ダクネス Darkness 15' Radius M-U2
スロウ Slow M-U3
ストライ ? Striking Cle3(青)

*武器に追加ダメージを与えるストライキング呪文が名称、効果共にストライに似通っているが、これはクラシックD&D系にしか無い呪文。PHB出典で効果や呪文Lvの近いものであれば、筋力増強魔法のStrength(M-U2)呪文が存在する

3 ホールド Hold Person M-U3
4 ヘイスト Haste M-U3
コンフュ Confusion M-U4
5 クラウダ Cloudkill M-U5
テレポ Teleport M-U5
6 デス Death Spell M-U6
クエイク Earthquake Cle7
スタン Power Word, Stun M-U7
7 ブレイク ? Statue M-U7
セーバー Mordenkainen's Sword M-U7
ブライン Power Word, Blind M-U8
8 ストップ Time Stop M-U9
デジョン Maze M-U8
キル Power Word, Kill M-U9

*スタン、ブライン、キルの現在HPが300以下の対象に効果があるという条件は、AD&Dパワーワード系呪文の特性(HPが一定以下であればセーヴ不可)に由来する

*D&D系における石化呪文といえばフレッシュ・トゥ・ストーン(AD&DではStone To Fleshの逆呪文、M-U6)がその代表であるが、一方スタチュー/Statue(彫像化)呪文の効果といえばドラクエでいうアストロンのような魔法であり、通常は攻撃呪文としては使用しないものである。しかしながらStatueの説明文には「石像が欠けても軽傷で済むが、腕が折れるのは別問題」とあり、ここのbreaking off one of the statue's armsの一文からブレイクの魔法名が採られた可能性がある

*FF1の属性攻撃魔法といえばご存じ「ファイア」「ブリザド」「サンダー」の3系統がその中核となっており、その簡素な名前や命名則からは特にどれが直接の元ネタかと特定できる感じではないのだが、一応「冷気属性の魔法が他に比べて上位」(ファイア&サンダーはレベル1だがブリザドはレベル2)(Fireball、Lightning Boltの3Lvに対しIce Stormは4Lv)「黒魔法レベル3習得まではグループ攻撃魔法が無い」といった特徴は、狙ってか偶然かAD&D1stと同様である


以下、アイテム類

FF1 元ネタ 出典
サンブレード Sun Blade UA
アイスブランド Frost Brand DMG
フレームソード Flame Tongue DMG

*FFシリーズにおいてフレイム・タンの初出はFF5、あとからAD&Dに寄せたという珍しいパターン

ウィルムキラー ? Dragon Slayer  DMG

*河津秋敏氏も大好きなドラゴンランスに登場したWyrmslayerがそれっぽい名を持つ対竜特効剣なのだが、ワームスレイヤーはロマサガ2において「虫を集める力を持つ」という謎改変がなされている。細かすぎて伝わらないギャグか何かか?

ちからのつえ Staff of Power DMG
まじゅつのつえ Staff of the Magi DMG
ディフェンダー Defender DMG
まどうしのつえ Staff of Wizardry 
いやしのつえ Staff of Healing
しゃくじょう Jo Stick PHB

*ジョウのぼう、などと和訳してはいけない

シャープソード Sword of Sharpness  DMG

*北米NES版での名称はVorpal、当時の米ゲーマーは大きく名前負けしたその性能に落胆したんじゃなかろうか

ネコのツメ Cat's Claw Le&Lo
エクスカリバー Excalibur Le&Lo
トールハンマー Mjolnir, Thor's +5 magic hammer Le&Lo

*『Legends&Lore』記載のミョルニルはFF1トールハンマー同様に稲妻を呼び出す能力も持つが、これは基礎ダメージが10d10とかいうぶっ飛んだ代物なのであまりFFの元ネタ感は無い

レイズサーベル ? 使用時クラウドキル発動  

*シアリック神の佩刀Razor's Edgeが元ネタではないか?といった情報がネット上で散見されるが、自分が調べた限りRazor's EdgeはD&D3版サプリ『Faiths and Pantheons』(2002)以前に出典が見当たらない上、能力的にもレイズサーベルと似たところが無い。またAD&D1stの頃にシアリック神の詳細な設定が存在したとしても、FF1発売とフォーゴトン・レルムのキャンペーン展開開始は同年だった為、どの道これを元ネタとするのは時期的にやや無理がある。

きょじんのこて Gauntlets of Ogre Power及びGirdle of Giant Strength DMG
うでわ類 Bracers of Deflection DMG
まもりのマント Cloak of Protection  DMG
まもりのゆびわ Ring of Protection DMG
イージスのたて AEGIS Le&Lo
しろのローブ Robe of the Archmagi (white) DMG
くろのローブ Robe of the Archmagi (black) DMG

*AD&Dのこのローブはその名の通り魔法使い向けの物であり、色による区分けは白(善属性)、灰色(中立属性)、黒(悪属性)といった、着用者のアライメントに対応する

ワープキューブ Cubic Gate DMG

*他次元への転移門を開くことが出来るキューブ

アイテム類に関してはAD&Dの再現というよりも、特殊能力や属性耐性を持つ武器防具を多数実装することを優先した、当時のファミコンRPGとしては先進的なシステム重視のゲームデザインがうかがえる。

M-U=クラス:マジックユーザー
Cle=クラス:クレリック
PHB=Player's Handbook(1978)
DMG=Dungeon Masters Guide(1979)
Le&Lo=Legends&Lore(1984)
UA=Unearthed Arcana(1985)