Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

装備品に関する疑問アレコレ

まあよく見られる疑問に対しD&D3.5版視点から無理やり理由をこじつけるなら、というアレです

"オバロの魔法使いってあんまり杖装備していないよね"

1:杖は高い

D&Dで魔法的能力の込められた杖状アイテムといえば独特の魔法の力を有しているロッド、複数の呪文を蓄えているスタッフが存在するが、どれもかなり高額である。

まず、ロッドで一番安いレッサー・エンラージ・メタマジック・ロッド(1日3回3Lv以下の呪文を距離延長)でも3000gpもする。
PCの標準資産的にD&Dでは5~6LvのPC、オバロでは白金級冒険者なら手が届くくらいか。

次にスタッフだが、ワンドと違い使用者の能力に応じた威力で込められた呪文を発動できるという特性により、習得呪文数の少ないソーサラーに特に有益なアイテムとなっているのだが、これがまた高い。
一番安い攻撃魔法が込められたスタッフ・オヴ・ファイアーで18,950gp、次のスタッフ・オヴ・フロストが41,400gp。
D&Dでは11Lv前後の伝説級人物、フールーダぐらいの資産が無ければとても手が出せない。

オバロ現地勢ではイビルアイがソーサラーベースの特化型魔力系魔法詠唱者ということで是非とも欲しいアイテムであろうが、作製するにもやはりフールーダ以上の術者Lvを要求される為、そう簡単には入手できないのだろう。

2:冒険者ならば両手は開けておきたい

以前にも書いたがD&Dで呪文発動を行うには様々な要素を満たす必要があり、触媒(物質要素)の取り出しや印を結ぶ(動作要素)などを行うために少なくとも片手は開けておかなければならない。
さらに戦闘中ともなれば状況に応じてワンド、スクロール、ポーションを取り出し使用する必要があり、保持するのに片手、武器として使用するのならば両手を使う杖はかなり邪魔である。

あれもこれも使いたいという高レベル術者ならば、杖を浮かす呪文や腕を生やす呪文によりこれに対処することも出来るが、低レベルならば取捨選択により「杖は装備しない」という状況は大いにありうる。

*これら上記の制限により導き出されるD&Dの冒険者魔法使いは「杖を持ちローブを着た老人(又はエルフ)」といったステレオタイプな魔法使い像からはかなりかけ離れた「鎧は魔法のミスリル・チェインシャツ、その上からベストとクローク、腰ベルトと肩からのたすき掛けにスクロールやワンドなどを多数差し込んだごちゃごちゃ装備」となり、まるで西部劇のガンマンのような出で立ちとなってしまっている。
*なお初心者がやりがちなミスではあるが、ジジイ&エルフ&ウィザードの組み合わせは知力は高いものの低ヒットポイントによりシューティングゲーム状態(被弾即ピチューン)となってしまい、危険が危ない

 

"ぶくぶく茶釜と不動さん(故人)が両手盾だけど、あれって意味あるの"

1:盾は武器として悪くないダメージが出る
ヘヴィ・シールドで殴ると1d4、トゲを付けると1d6、さらにバッシング能力で2d6と、この時点で両手武器グレート・ソードのダメージに並び、さらに大型種族や優れた体格持ちor《大業物》などと絡めれば《特殊武器習熟:カタナ》《大刀二刀流》によるカタナ二刀流(1d10×2)をはるかに超えたダメージが期待できる。

2:特技の制限的に武器二刀流より緩い
二刀での武器攻撃を使いこなすには《二刀流》系特技の取得が必須であるが、これらの特技には前提として高い【敏捷力】能力値が要求され、重装キャラには幾分厳しいものがある。
しかし特技《軽妙なる盾さばき》があれば特技《二刀流》が無くとも逆手で盾殴りが出来るようになるし、前提に敏捷力も必要ない。

またクラス:ファイター主体で《武器熟練:スパイクド・ヘヴィ・シールド》《武器開眼:スパイクド・ヘヴィ・シールド》のように特技を取得し強化していくことを考えれば、主武器と逆手武器を同種盾で揃えるのは効率的である。

他にも盾を使った特殊攻撃特技《盾突撃》と《盾のぶちかまし》を合わせたシナジーや、+5盾1枚より+3盾2枚の方が安いなどの理由もあり、ちょいと毛色の変わった重装二刀流キャラメイクとして両手盾スタイルというのは十分アリな選択肢である。