Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

ユグドラシルは北欧神話が元ネタ

なのでフロストジャイアントの元ネタも北欧神話であり、今後ファイアジャイアントなんかが出てきても北欧神話だから当然、と思うかもしれない。
それはそれで間違っていないが、やはり考察材料として参考にすべきなのは北欧神話でもウィザードリィでも無くD&Dである。


最初のファンタジーRPGであったD&Dではオリジナル以外にも各神話、ファンタジー小説から大量のモンスターを元ネタ導入しておりそこで造られた、追加された各設定は後のファンタジーRPGでも定説化している物が多い。

D&Dでのフロストジャイアント&ファイアジャイアント自体、種族設定に元の北欧神話の影響が見られるため、オバロに出てきたときに北欧神話っぽく見えるかもしれないが、普通にD&Dベースの可能性も大きいわけで…

だがこのような神話発祥D&D経由のモンスター類が、後発のRPGでは設定孫引きを繰り返す内にD&D由来であることも忘れさられてしまい本来の伝承に基づいた設定に先祖返りするという事態も良くあり、オーバーロードに限らずファンタジーRPGのモンスター考察などをする場合なにぶん注意する必要がある。

*意図的にD&Dから離した設定にするパターンもある(FFでのマインドフレイア設定の変遷とか、D&D内でもエベロン世界の種族設定など)

 

*書籍11巻ではフロスト・ジャイアントについて少々触れられてはいたが能力の詳細までは出てこなかった、残念。
しかしその生態(縄張り的に天敵のホワイトドラゴンに奴隷扱いされる、あるいは逆に弱いホワイトドラゴンを奴隷扱いすることもある)についてはD&Dシナリオ的に日常茶飯事である。


*書籍8巻に登場したバーゲスト/悪霊犬もD&Dではメジャーなモンスターだが、D&Dのバーゲストは鎖は持っておらず、ここらは本来の神話伝承あるいは他RPGからの物と見るべきだろう。
しかし特殊能力〈鎖の大旋風〉については、D&D3版系特技《大旋風/Whirlwind Attack》の影響が有ると思われる。
この特技は全ラウンドアクションで間合いの中にいる全ての敵に対して1回の近接攻撃を行なうという物で一見強力そうに見えるのだが、前提条件がやたらと厳しく(それでありながら大旋風は能力的にその前提特技と噛み合っていない)、 ようやく大旋風が使える頃には普通にヘイスト貰って全力攻撃した方が強くね?という状況も多く、(クラス特徴のボーナス特技が多いため)この特技を取る可能性が無いでもない唯一のクラス:ファイターと合わせてネタにされることも多かった。(ネタとしての

追記:そういえば、Web版のザリュースは周囲を攻撃する戦技〈ワールウィンド〉を学んでいたが、これも《大旋風》が元ネタだろう。ついでだが〈アイズ・イン・ザ・バック〉は《直観回避/Uncanny Dodge》及び《直観回避強化》が元と思われる。(特技ではないがバーバリアンやローグのクラスで習得できる能力、不意打ちや挟撃にならず急所攻撃を食らいにくくなる)


*他にはWeb版においてアウラケツァルコアトルを使役していたが、元ネタとして見るべきはアステカ神話でも白亜紀翼竜でも無くD&Dモンスターの「コアトル」であろう。

追記:3.0版「モンスターマニュアルⅡ」(和訳有り)に翼竜であるケツァルコアトルのデータがあり、後のアップデートと「プレイヤーズハンドブックⅡ」で動物の相棒にするためのドルイドLvが記載された。ここから見るに恐竜の方をクラス能力で使役しているような気もしたが、改めてWeb版を読んでみると「蛇のようなモンスター」と描写されている為、やはりコアトルの方が発想元にあると思われる。