Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

呪文 その8

〈フローティング・ボード/浮遊板〉第1位階 
《テンサーズ・フローティング・ディスク/テンサーの浮遊盤》 ウィザード呪文 1lv
D&D3版標準の世界設定、グレイホーク世界の秘密結社「八者の円/サークル・オブ・エイト」旧所属の魔法使い、テンサーが開発した呪文。
強欲で知られるテンサーはお宝を運ぶためにこの呪文を開発したという。
残念ながら地面より3フィート以上離すと消えてしまうため、作中でモモンを運ぶのに使ったようなことは出来ない。
*テンサーの中の人はD&Dの生みの親であるガイギャックスの息子アーニー

 追記:「呪文大辞典」で追加された《グレーター・フローティング・ディスク》4Lvでは板に乗って空を飛ぶことが出来る。

さらに追記:財宝を運ぶような楽しい使い方ではなく、仲間の死体を運んだという悲しい思い出が詰まった呪文、という人も多いかもしれない…

 

〈パーフェクト・ウォリアー/完璧なる戦士〉?位階
《テンサーズ・トランスフォーメーション/テンサーの資質変換》 ウィザード6lv

―あなたは破壊兵器と化す― PCゲーNWN2の呪文解説より
肉体能力の増強、武器の習熟、基本攻撃ボーナスが同レベルファイターと同じになる…が一切の呪文発動能力を失うというネタ呪文。
はっきりいって使いどころが分からない。作中アインズが語ったように戦闘用特技や能力値の差で前衛と同じように戦うのは難しいし、魔法戦士ならそもそも他の呪文で自己ブーストした方が強いし。
上のフローティングディスクと合わせて「テンサーは変人」というイメージがD&D界隈に定着している原因の1つである。

 

追記:呪文詠唱時に物質要素(触媒)として筋力増強呪文のポーションを飲む、というのもネタ度が高い。
一時期は「ドーピングコンソメスープだ…」のセリフを言いたいが為に、この呪文を準備するウィザードが増えたとかいう話も。

なおDungeons & Dragons Onlineでは、呪文の肉体能力値へのボーナス種別が《強化ボーナス/Enhancement Bonus》から《錬金術ボーナス/Alchemical Bonus》に変更され、よりドーピング感が高まった。

 

さらに追記:バルダーズ・ゲートシリーズなど一部の電源系D&Dゲームでは、メイジ一人旅といった縛りプレイにおいてバフ呪文をかけまくった上でシメにこのテンサーズ・トランスフォーメーションを使い近接肉弾戦を敢行するというのは、それなりに有効な戦法であったようだ。
であるが、これはモンスターがいなければその場で休息する事が出来る=潤沢に呪文を使えるゲームプレイだからこそ出来た戦法である。

なお余談であるがガイギャックスの証言や最近出た伝記によると、ガイギャックスは自分の子供たちを相手にD&D初のテストプレイを行い、この時に息子アニーが使用したキャラクターが「魔法使いテンサー」であったという。

このように〈パーフェクト・ウォリアー〉の起源を遡れば「始まりの冒険者」が創造した呪文であり、D&Dそのものの創世神話に絡んでくる。と言うとなかなかに感慨深い。

 

〈アンチイービル・プロテクション/対悪防御〉第1位階
《プロテクション・フロム・イーヴル/悪よりの保護》 クレリックパラディン呪文 1lv
この呪文1つで悪からの精神支配の防御、招来されたモンスターを近づけないなど1Lv呪文としては破格の効果。
心術への耐性(意志セーヴ/will save)が低い前衛には呪文持続時間と相談しつつ、戦闘前にかけておきたい。

 

〈カモフラージュ/溶け込み〉 第1位階
《カモフラージュ/迷彩色》 レンジャー、ドルイド呪文 1lv
隠れ身判定にボーナス。