Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

オーバーロード英訳版のアレコレ

12巻発売大盛況につきサイト訪問者も増えてるとこ悪いが記事に纏めるにはまだまだかかりそうなので、読み進めていたオバロ英訳版のネタを投入。我ながらイヤな読者だなぁとは思うが、気になるゲーム用語を中心にどのような訳となっているかをチェック!
いつものように〈オーバーロード英訳版〉《D&D3版系》での並びになっています。


ミスリル〈mythril〉ミスラル《mithral》
ちなみに本家トールキンだと綴りはMithrilになる、間違い探しかよ

精神作用〈psychic effects〉《Mind-Affecting》

即死〈instadeath〉《Death》

刺突武器〈Stabbing Weapon〉《piercing weapon》
斬撃武器〈Cutting Weapon〉《slashing weapon》
殴打武器〈Battering Weapon〉《bludgeoning weapon》

魔法の掛けられた武器〈enchanted weapons〉《magic weapons》
一般的なRPGでは物品に呪文を掛ける強化などにenchantが使われることが多いが、D&D3版系では人の心に掛ける呪文(恋のおまじない、魅了)としての英語の使い方からenchant=心術という分類になっている。


闇視/ダークビジョン〈Night Vision〉《Darkvision》

視認困難〈bad visibility〉《Concealment》

外皮〈skin〉《Natural Armor》

 

魔力系魔法詠唱者〈magical-type magic user 又は arcane-type magic caster〉
秘術術者《arcane spellcaster》

信仰系魔法詠唱者〈faith-type magic caster〉
信仰術者《divine spellcaster》

死霊術系統〈ghost tree〉《Necromancy School》

高速治癒〈rapid healing》《Fast Healing》

生命力吸収〈absorbing life force〉《Energy Drain》

清浄投擲槍〈Purifying Lance〉
不浄衝撃盾〈Impure Shock Shield〉
前にシャルティアの所で書いたがD&Dだと《清浄/Sacred》《不浄/Unholy》となる。

気〈chi〉《ki》
諸外国では中国での発音に近いqiやchi表記が主流のようだが、D&Dでは伝統的にkiである。だからといってデザイナーが日本文化に精通しているとはとても言えないオリエンタルアヤシゲ用語ごちゃまぜ状況だが

聖印〈sigil〉《holy symbol》

アンデッド退散〈undead exorcism 又は Cast out〉《Turn Undead》

非実体〈ghostly 又は insubstantial 又は incorporeal〉《incorporeal》
表記揺れが多い。

 

正のエネルギー〈justice energy〉《Positive energy》
正義のエネルギーっすか…
3巻に負のエネルギー〈negative energy〉の対になるものとして効果の説明があるが、ここまできて訳者は自分の犯した間違いに気付いたのではなかろうか。


盗賊/ローグ〈thief〉《Rogue
ローグってわざわざルビ振ってあるのに。
一般的な意味からクラス名って分かりにくいと判断したのかな。


オバロ 総称:悪魔〈Demon〉 
魔鬼/デーモン〈fiend〉 魔人/デビル〈devil〉

D&D 総称:魔物/フィーンド《fiend》
魔鬼/デーモン《Demon》 悪魔/デヴィル《devil》

D&D用語>D&D和訳>オバロ>オバロ英語版という過程を経てフィーンドとデーモンが入れ替わってしまっている。


攻性防壁〈reactive barrier〉
またしてもバリアーである(攻殻英語版と同じ訳)
この訳で攻性防壁という言葉の持つカッコ良さが伝わるのかなあ?
…もう某エロゲ*1みたいにBlack ICEでいいじゃん!


ケンセイ〈Saber Sage〉
いや、メリケンのオタにはKensaiで通じるよ?

*1:士郎正宗によるSF漫画『攻殻機動隊』に登場するガジェット「攻性防壁」は、SF作家ウィリアム・ギブスンが生み出した一連のサイバーパンク作品における「ICE」ないし「Black ICE」がその発想元となっていることについてはSF者にとっては敢えて語るまでもない常識である。しかしながら近頃のオタ界隈ではギブスンより寧ろシロマサの方が知名度が高かったりするため、ギブスン未読者に対し「Black ICEとは攻性防壁のようなもの」と説明する羽目になるいとう一種の逆転現象が度々見受けられるのが現状である。

さて18禁サイバーパンクロボットアクションゲームの傑作『BALDR FORCE』について、この作中では「脳死/フラットライン」や「腕利き/ホットドガー」など黒丸訳ギブスン用語が多用され作品に彩りを添えているが、上記のような関係をふまえてか「攻性防壁」に「Black ICE」とルビを振るという、クルードかつテクニカルな表記が行われていた。