Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

オバロの魔法名は厨二成分が足りない

という意見に対し、なぜならD&Dがベースになっているから、と答えることは簡単だ。

さらにもう一歩話を進め、D&Dでの呪文名がなぜこのような簡素な英単語の組み合わせになっているかというと、ジャック・ヴァンスファンタジー小説「終末期の赤い地球」シリーズや「天界の眼:切れ者キューゲルの冒険」をガイギャックスほか初期デザイナーが愛読しその影響が大きかったためという。

ここまではネットでググっても出てくる情報だが、では上記の小説での呪文名が和訳された小説ではどうなっているかというと、D&Dの呪文名とも大きく感じの違った、なんというか"味のある"物となっている。


ウチの本棚に「終末期の赤い地球」もあるし、「切れ者キューゲル」も最近になって国書刊行会から和訳されたことだし、せっかくだから備忘録的にこれらの呪文名を書き留めておく。

 

〈よるべなき包嚢の術〉(河出文庫「不死鳥の剣」収録時の訳)
〈孤絶の包嚢術〉(国書、訳者は上と同じ中村融
*《インプリズンメント/幽閉》呪文の元ネタとして知られる

〈裏返しの術〉

〈目印付き転送の術〉

〈遠隔急派の術〉

〈不動金縛りの術〉

〈フェローヤンの二次金縛り〉

〈ファンダールの渦旋活殺の術〉

〈ファンダールの魔法のマント〉

〈活力持続呪法〉

〈球状排撃術〉

〈時間遅滞の呪文〉

〈捻転苦の呪文〉
*なぜだかこの呪文だけツイスティング・トーメントとルビを振ってある

〈無敵火炎放射術〉
*《プリズマティック・スプレー》呪文の名前の元ネタだが、作中描写はファイアーボールに見える。


2001年のガイギャックスの記事によるとローブ・オブ・アイズ/Robe of Eyesも「終末期の赤い地球」かららしいが、これは〈情無用のチャン〉の着ている寛衣が元ネタか?またアイウーン・ストーン/Ioun stoneも初出は終末期の赤い地球シリーズからだが、この小説「Morreion」は残念ながら未訳、国書から翻訳されないかなあ。


なお超位魔法のオリジナル&厨二度が高くウィッシュを除くとD&Dに同様の物が見られないというのは、最上位の魔法だからはっちゃけた!という事もあると思うが、元になったエピック呪文がオリジナル呪文作成の為のルールという側面が強いため、どんな名前のすごい効果の魔法でもアリだろう、とオリジナル度を高めて作った結果だと思われる。


*切れ者キューゲルの和訳について、「40年遅ぇよ」という意見もあるだろうがここはさすが国書!と称えたい、みんなも買おうw
早川も相変わらずマイペースで刊行してるし、長生きする事はSF&ファンタジーオタには必須のスキルである。