Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

クラス:ファイターは未訳サプリの夢を見るか?

転移後の世界で戦士系クラスが習得している〈武技〉の数々。

これらは一体どうしてユグドラシルには存在しなかったのか、D&Dで同様のものが無いのかといった疑問は2chなどでたまに見られる。

クラシックD&Dには無かったがD&D3版以降に現れた《特技/Feat》が元ネタではないのか?という意見もあったが、戦士系の取得できる特技の効果は「命中に+1」「回避に+1」「ヒットポイントに+3」といった地味な効果の物ばかりで、リソース消費型の必殺技のような〈武技〉とは大きく異なり、オバロで《特技》に相当するものはレベルアップで習得した(クラスで得た能力以外の)パッシブスキルにあたると思われる。

*例を挙げるとアルベドのカウンターアロー、ミサイルパリィは特技《矢止め/Deflect Arrows》《矢つかみ/Snatch Arrows》が相当する。

*まぎらわしいがD&D3版系で「技能/スキル」というと戦闘以外の一般行動判定もろもろを指す、パスファインダーRPGでのルールはここ

*ファイターのボーナス特技は地味な効果の積み重ねだが、クレリック及びパラディン向けの《信仰特技》や術者向けの《呪文修正特技》はやたら強力な物が多い。
ここらも格差社会としてファイターがネタにされる原因である。


別にオーバーロードの戦闘ルール全てがD&D3rd準拠ということも当然無いだろうし、〈武技〉は他TRPGCRPGの影響と考えるのが真っ当なところだが、それでもあえてD&D3.5eで〈武技〉と呼ばれるものが無いか?といえば、あるにはある。


3.5e末期の未訳サプリメント「Tome of Battle: The Book of Nine Swords」に収録された各クラスが習得する技(Maneuver)が、有志の作った私家訳版では《武技》と訳され一部パワープレイヤーの間で知られている。


*「トゥム・オブ・バトル」については下記の紹介動画が素晴らしい

「“アンバー家の館” 2011 番外その4」

 

この本さえあれば!前衛がエネルギーダメージをばら撒いてスウォーム(群れ)を蹴散らしたり、舞空術で空を飛んだり、ハーフリングが超大型ドラゴンを合気で投げ飛ばしたり出来るのだ!!
劇場版オールスターズでのキュアホワイト再現も思いのままに!(通常ルールでは足払いは筋力判定な上にサイズボーナスが加わるので不可能)

さらにファイターもボーナス特技で限定的にだが《武技/Maneuver》と《構え/Stance》を習得できる、既存のクラス強化もばっちりだ。

武技〈要塞〉はアイアン・ハート流の反撃技《ウォール・オヴ・ブレーズ》、〈四光連斬 〉は攻撃技《ミスラル・トルネード》、〈流水加速〉はデザート・ウインド流の増幅技《ウインド・ストライド》と、キャラ再現の妄想も捗る。

 

まあ、これらはデータが豊富ゆえ探せばなんかソレらしいのが見つかっちゃうD&D3版系の懐の深さ(それこそD20まで含めれば現代兵器もクトゥルフも巨大ロボもスター・ウォーズも)、というか節操が無いデータの山というだけで、オバロにトゥム・オブ・バトルが影響を与えたとは到底言い切れないので注意。