Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

シャルティアはアンデッドなのに血の狂乱するの?精神作用っぽい名前なのにという疑問

これに関してはなにやらSS「プレイアデスな日」でも触れられているようだが、とりあえずD&D3.5e視点からの推測であれば1つの答えが導き出せる。

すなわち元となったとおぼしき能力、《ライフドリンカー》の「血宴」及び《フレンジード・バーサーカー》の「狂乱」、両方とも[精神作用]では無いからだ。


まず能力「血宴/Blood Revel」だが、これは吸血行為の後「血宴」状態に入ることができ、筋力、物理耐性、再生能力の上昇、及びニンニクや太陽光などの弱点を無視して行動できるようになる。(1分間持続)
しかしながらこの状態では生きている敵から逃げることができず、毎ラウンド物理攻撃を行わなければならないという一種の暴走モードであり、血宴が終了した後さっさと棺桶に戻って休息しなければ完全に滅びてしまうという諸刃の剣、なかなかカッコいい。

このとき筋力に付くボーナスは[不浄]ボーナスであり、アンホーリーな力でパワーアップしているようだ(もし精神作用ならこれは[士気]ボーナスとなるはず)。


つぎに「狂乱/Frenzy」状態では、大幅な筋力増強に加え追加攻撃+1回(ヘイストと累積せず)しかしアーマクラスに-4ペナ、各種技能使用制限、呪文発動も魔法のアイテム起動もできず、狂乱終了後は疲労状態となる。
そしてなにより大きいペナルティが、狂乱中はまず敵と見なしたものを全力で攻撃し、敵を全て殺せば次に仲間であろうと全てが居なくなるまで攻撃し続けるという物であり、さらにはちょっとしたダメージを受けただけでも狂乱が発動、自発的に終了させるのも意思セーヴの判定が必要(脳筋バカには難しい)と言う、PCとして見るとかなり危険な能力。
分かり易い例で言うと漫画「北斗の拳」のナイスガイ、ハート様の「いてえよ~!!」がまんまそれである。

この「狂乱」およびベースとなった能力「激怒」(基本クラス、バーバリアンが持つ)には[精神作用]とは書かれておらず、能力値ボーナスにも種別が書いていない(ルール的に無名ボーナスと言われる)。

たとえ「激怒」と同様の効果を表す呪文《レイジ》が心術[精神作用]であろうが、感情沈静化の呪文《カーム・エモーションズ》で効果を抑止されようが、書いてない以上ルール的には精神作用では無いのである。


*この無名ボーナスというのがミソで実は美味しい部分。
D&D3版系では同名のボーナス種別は効果が累積せず、最も高い値のみとなるのだが、無名と回避ボーナスだけは例外で累積する。
例を挙げると「ガントレッツ・オヴ・オーガ・パワー」装備時(筋力に+2強化ボーナス)に《ブルズ・ストレンクス》呪文(筋力に+4強化ボーナス)を掛けても合計+4Upだが、バーバリアンの大激怒(筋力+6無名ボーナス)とバーサーカーの大狂乱(筋力+10無名ボーナス)を併せれば合計+16Up、洒落にならない増加量となる。