Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

ゴブリンの容姿の変化と、アウラのお肌

コキュートスの描写を読み返してたついでに気付いたので書いておく。
以下はモモンへの初依頼でゴブリンに遭遇したシーンであるが、

"潰れた顔に平べったい鼻を付け、大きく裂けた口に小さな牙が上向きに2本生えだしている。肌の色は明るい茶色。油で固まったようなぼさぼさに伸びた薄汚い髪は黒色をしている。"

これはWeb版でも書籍でも変わっていない箇所だが、ご存じのとおりイラストおよびアニメではゴブリンは緑系の肌色となり、頭もハゲだった(エンリ配下の軍団は個性化の為、髪色も多彩だったが)

例によってこれは「モンスター・マニュアル3.5版」での描写まんまであるが、なんとなくみんなの共通認識にある緑肌ゴブリンと丸山くがね氏の認識にちょっとした違いがあったというだけでたいした問題では無い。

 

問題の一番気にかかる箇所は、アウラの容姿について作中で"薄黒い肌"とされているところである。

ラノベ的イメージで自動的に褐色肌ダークエルフを想像していたが、ひょっとしたらそれはD&D伝統の"黒い肌"かもしれないのだ。

 

*だいたいD&D系のダークエルフこんなの、黒~灰色か黒~ナスビ色が多い

 

追記:D&Dにおけるダークエルフ描写変遷まとめ

AD&D1st 『Fiend Folio

black-skinned and pale-haired

黒い肌に白髪


AD&D1st 『Unearthed Arcana』

their skin color is the inky black of a moonless night and their hair is normally pure white or silver. 

肌の色は月のない夜のような漆黒で、髪は純白か銀色であるのが普通である


D&D3.0e 『Monster Manual』

It has jet black skin and white hair.

肌は漆黒で、髪は白い


D&D3.5e 『Drow Of The Underdark』

All drow have black skin. This is not the dark hue common to some humans, but true black, the color of onyx or pure darkness. Skin tone varies only slightly from individual to individual, perhaps appearing a shade lighter on one, or faintly violet-tinged on another when viewed under very bright light; in any case, these distinctions are both subtle and rare. The drow show a little more variety in their hair color. Stark white is most common by far, but other pale shades such as light gray, silver, platinum blonde, and even the occasional faint golden blonde exist as well. Some male drow (roughly one in ten) are capable of growing facial hair, and often wear elaborate mustaches and/or goatees. Most drow wear their hair long, though many soldiers choose to crop it—or, in rare cases, to shave bald—to avoid providing easy handholds for the enemy.

すべてのドラウは黒い肌を持っている。これは人間によくある暗い色ではなく、オニキスや 深い闇の色をした真の黒である。肌の色は個体によってわずかに異なり、明るい光のもとで見ると、ある者はより明るく、ある者はかすかに紫がかって見えるかもしれない。ドラウは髪の色にもう少しバリエーションがある。白髪が最も一般的だが、ライトグレー、シルバー、プラチナブロンド、そして時折かすかなゴールデンブロンドも存在する。男性のドラウの中には顔の毛を生やすことができる者もおり(およそ10人に1人)、しばしば精巧な口ひげやあごひげを生やしている。ほとんどのドラウは髪を長くしているが、多くの兵士は敵に簡単に手でつかまれないように髪を刈り上げたり、まれに剃ったりしている。


D&D4th 『Monster Manual』
容姿に関する描写無し(笑


D&D5e 『Players Handbook』

磨き上げた黒曜石のような黒い肌と、真っ白か、かすかに黄色っぽい髪の毛を持つ。一般的に、彼らは非常に青白い瞳を持ち(白と見間違えられるほどに青白い)、かすかに薄紫色、銀色、ピンク色、あるいは青色がかっている。彼らはほとんどのエルフよりも小さく、やせ気味の傾向がある。 


5e PHBエラッタ

ドラウの多くは純白の髪をもち、灰色の肌の濃淡や色あいはさまざまである。


WotC公式エラッタ方針解説記事

The change in the description also follows the recent change we’ve seen, as Drizzt moves away from the black-skinned depiction we’ve seen in past covers: …to a more grey-lilac hued elf.

この記述の変更は、私たちが最近目にした、過去の表紙で見られた黒い肌の描写からドリッズトが離れていくのに伴うものでもあります。...より灰~薄紫色をしたエルフに。

 

Q:昔のD&Dにも褐色ダークエルフいなかったっけ?
A:それたぶんキース・パーキンソンの嗜好と思われ。