Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

クラス考察 その1

オーバーロードはクラスや高レベル階位魔法、ワールドアイテムなどに関してはオリジナル度が高く、D&Dを連想させるモノは少ない。
さらにクラスなんてのはどんなRPGでも有りがちな名前なんで、元ネタとは言い切りにくいが一応。


〈秘術使い/アーケイナー〉
D&Dにおいて呪文はまず、秘術(アーケイン)と信仰(ディヴァイン)におおざっぱに分かれており、ウィザードやソーサラーを代表とする秘術呪文使いの総称を《秘術使い/アーケイン・キャスター》という。

オバロでの魔力系魔法詠唱者=D&Dでの秘術系クラス、という認識でほぼ問題ないと思われる。


〈魔術師/ウィザード〉
秘術術者基本クラスの代表、魔法を知識と経験(知力ベース)により学習していく。
コンピューターRPGではなじみ薄い呪文習得及び発動方法(事前準備型、通称ジャック・ヴァンス方式)であり、ここらへんはMMORPG的なマジックポイント管理のオーバーロードとは大いに違う。
クラス能力的にローブ着てスタッフ持って呪文書抱えてたら間違いなくウィザードだが、高レベルになると武装は魔法のロングソードにミスリルチェインシャツ、姿は変身系バフの重ねすぎでトカゲ人間にツノとか触手とかいろいろ生えてるよくわからない生物になってたりすることも、まれによくある。


〈幻術師/イリュージョニスト サキュロント
ウィザードのクラスオプションとして幻術系統を専門化したものが《イリュージョニスト》と呼ばれる。

〈ネクロマンサー〉 アインズ
上に同じく死霊術系統を専門化したものが《ネクロマンサー》と呼ばれる。

 

追記:専門化(スペシャリスト)ウィザードについての補足

D&D3版系では死霊術士/ネクロマンサー及び幻術士/イリュージョニスト以外にも各8つの呪文系統にあわせて防御術士/アブジュラー、召喚術士/コンジュラー、占術士/ディヴァイナー、心術士/エンチャンター、力術士/インヴォーカー、変成術士/トランスミューターの専門化ウィザードクラスが存在するのだが、AD&D2nd~D&D3.5版では選んだ系統の呪文スロットが増えるという利点の変わりに禁止系統として他の2系統を選ばなくてはならず、この禁止系統の呪文はスクロールなども含め一切使用出来なくなってしまう。

専門化を強化するような代替クラス特徴や上級クラスも存在するが、やはり汎用性&状況対応能力が求められる事が多いウィザードにとってこのペナルティはゲームプレイ上とても大きく、後発のパスファインダーRPGでは2つの呪文スロットを使えば対立系統呪文を使用できるようになったりD&D5版では使用制限が無くなるなど、これら禁止系統の制限は最近のD&Dではかなり緩和されることとなった。

なおオバロではイリュージョニストであるサキュロントは完全に幻術系統の呪文しか作中で使用していないが、アインズはネクロマンサーであるにも関わらずほぼ全系統の呪文を使用している。

これは専門化による制限がパスファインダーRPGのような緩めのものなのか、それともユグドラシルと転移後の世界で変わっているのか、はたまたアインズがクラス能力や習得呪文を増やす儀式などによって制限を突破しているのか、現時点で詳細は不明である。


〈妖術師/ソーサラー
こちらもプレイヤーズハンドブック記載の秘術基本クラス。
ウィザードと違い、魔法を天性の才能や隔世遺伝(先祖が竜とか悪魔とか天使とか厨二的設定なアレ、魅力ベース)的な生来の能力で習得する。
弾数こそ多いものの習得呪文の少なさ、高位の呪文習得が1Lv遅れるなどウィザードに大きく水をあけられており、「自分はイケメンだから」「魔法少女の多くはソーサラー」などの信念を糧にやっていくしかない。

ソーサラーが習得できる呪文リストはウィザードと共通だが、後発サプリメントには微妙なソーサラー救済テコ入れの為か、ソーサラー専用呪文(一度に複数の呪文を発動するような火力偏重なもの)がいくつか追加された。

単純な火力ではウィザードを上回ることがおおいが、なにぶん秘術使いに求められるものは火力より状況対応能力である。

追記:D&D3.5eをベースとしたMMORPGであるDUNGEONS & DRAGONS ONLINEではウィザードと比べ、スペルポイント(MP)が多く詠唱が早いという調整がなされているようだ、紙版と同じように特化型、砲撃屋が多い模様。

さらに追記
"ソーサラーはウィザードと比較して感覚的な部分が強い職業だ"  61P
"それに感覚的に魔法を習熟する職業があるため、学問ではなく感性としての魔法詠唱者だと思ってくれたようだ" 124p

上記は「亡国の吸血姫」での描写だが、ここから見るにオバロでもソーサラーとウィザードの違いはD&Dと同じようなものみたい。
ただ作中キーノはウィザードである母から魔法を学んでいたが、これD&Dでは設定的にたぶん出来ないと思う。

さらに余談、母がウィザードなのにキーノがソーサラーである理由についてだが、ただ単にD&Dでヴァンパイアになったら[知力]より[魅力]がモリッと増えるんでキャラメイク的に強くなるソーサラーを深く考えずに選んだのだろう。(パワープレイヤーや和マンチと呼ばれる人種にとっては考えるまでも無い当然の成り行きである)つまり…

オーバーロード】キーノちゃんはソーサラーかわいい【吸血姫】


〈吟遊詩人/バード〉
バードも基本ルールブックに記載されている一般的なクラスだが、主なクラス特徴と言えば呪歌によるバフ、いくつかの武器と軽装鎧への習熟、弾数も習得数も多くないが専用のバード呪文を習得(最大6レベル呪文)、多彩なクラス技能と多数の技能ポイント、と見た目は万能魔法戦士っぽくもあるが、実質ただの器用貧乏クラスである。
基本4人パーティに入り込むのは厳しいがガチで造り込むとシャレにならないバフ能力を発揮するので、連打が当たらないモンクや二刀流の当たらないレンジャーには頼もしい仲間となる。
ちなみに属性制限があり、秩序ではなれない。 「パンクロッカーは何事にも従ってはいけない <アナーキーの精神>」ということか?

技能関係では芸能だけでなく知識、交渉役として戦闘外での活躍、クラス技能で《魔法装置使用》も持ち手広くサポート役として活躍できる。また能力「バードの知識」によりさまざまな情報を手に入れる。
しかしながら、味方にボーナスを与える呪歌の効果の殆どが士気[精神作用]であり、精神作用は危険だから無効化するという一部の高レベルプレイヤーにとってはいらない子扱いされることも。

追記:3.5版ではいらない子、などと言われることもあったバードだが、後継ルールを使用したパスファインダー:キングメーカーではどうなっているかというと…

1:味方の命中とダメージをUPするバードの主力「勇気鼓舞の呪芸」が士気ボーナスから技量ボーナスに変更、グッド・ホープ系呪文とも累積するように
2:3.5版で精神作用に完全耐性を与えていたマインド・ブランク呪文の仕様変更、完全耐性ではなく+8抵抗ボーナスに弱体化、士気ボーナスを阻害しなくなった
3:ヘビークロスボウ"神話殺し"やロングボウ"金属を貪る者"などの最終装備候補が比較的早いうちに手に入る
4:コンパニオンキャラであるハーフリングバードのリンジィがカワイイ!

てな具合にさまざまな仕様変更の恩恵を受け、本人の火力はともかくいるといないとで大違い。まさに八面六臂の活躍を見せてくれる。