Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

「大墳墓の侵入者」描写から見るルール

"アルシェは周囲を伺い、再び浮かぶとトロトロとした速度で中空を進む。本来の《フライ/飛行》からすれば非常に劣る速度で進むのは、周囲を伺うためだ。全力で飛んでいると、流石に周囲を伺う余力はないし、視認のタイミングが遅れる。"

技能〈視認〉や〈聞き耳〉を能動的に行なうには1回の移動アクションが必要である。
具体的な数値を算出すると、フライでの飛行移動速度は60フィートであり、視認を行ったラウンドは時速にして約11km/h程度だが、全力で《疾走》すれば4倍移動となるので時速44km/hとなる。

 

"その巨大な蝙蝠のような存在。それを視認してしまっては、流石に飛行速度の勝負をする気にはなれなかった。《インヴィジビリティ/透明化》の魔法は視覚を騙すことはできても、蝙蝠の保有する特殊な感覚器官を騙すことはできないからだ。"

D&D3.5eで蝙蝠は範囲20フィートの非視覚的感知を持つ。なおこれはあくまで位置(マス)を特定できるのみで、正確には見えていることにはならない。
これは音波による感覚なので、サイレンス呪文などによっては無効化される。
他にも魔法以外での目によらない視覚は、鋭敏嗅覚やより強力な擬似視覚(振動感知ほか)などがあり、これらを持つモンスターどもは能力を十二分に発揮して冒険者たちを待ち構えているわけだが、プレイヤーとしての一般的な種族に備わっていることは稀であり、一部のクラス能力か魔法で取得するほかない。
(ここらへんやたら細分化されてるがルール的な問題でもあるのでどうしようもない。技能<隠れ身>を無効化する、完全視認困難扱いで急所攻撃は不可とか)

 

 

世界観や細部の描写からルールを推考する、
またはその逆としてルールから世界観を紡ぎ出す。(ベニ松解釈とか)


こういう「考察」は不毛な行為と見る向きもあるようだが、オーバーロードに関しては、ファンタジー世界シミュレーターとして山ほどルールを積み上げたD&D3.5eの視点からの考察、というのは間違っていないと個人的に思っている。