Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

呪文 その5

〈グラスプ・ハート/心臓掌握〉第9位階
心臓抜き取り、セーヴ(抵抗)成功でも朦朧化と効果を見ると《ハート・リッパー/心臓抜き取り》アサシン4Lv呪文「呪文大辞典」出展に近いが、知名度でいうと《クラッチ・オヴ・ニョグタ/ニョグタのわしかみ》か?
これはD&Dではなく、クトゥルフ神話TRPGの呪文。強烈なビジュアルと変な名前で有名。

 追記:D&D3.5eでは《クラッチ・オヴ・オルクス》クレリック3Lv「不浄なる暗黒の書」出展として収録。

 

〈クライ・オブ・ザ・バンシー/嘆きの妖精の絶叫〉?位階
《ウェイル・オヴ・ザ・バンシー/バンシーの慟哭》 ウィザード 9Lv
音波による即死効果なので、9Lv呪文が飛びかうようなレベルでは対策済みが多く、効果的な場面は(特に対PCには)あまりない。
てか即死耐性無効って…アインズ様ひどすぎw

追記:電源系D&DゲームやDungeons & Dragons Onlineなどでは、終盤に出てくる妙に硬いザコを一掃するのに適している為「使える」呪文という認識が多いようだ。下記のメテオも紙の3版では微妙扱いされているのにDDOではそうでなかったり、基本同じルールがベースになっているのにゲームバランスの違いで評価が変わるという呪文(及びクラス)も多い。まあエンドコンテンツの攻略を重視するMMOとそうでない紙版の違いか。

*紙版では高レベルになるほどDMの負担が大きくなり大量のザコとか出したくない、処理しきれないという現実的な問題もある。

 

さらに追記:〈The goal of all life is death〉+〈クライ・オブ・ザ・バンシー〉ついて

即死耐性を無視する広範囲即死呪文という凶悪コンボ。
大体この手の即死呪文は頑健セーヴ成功で無効となるのが大半だが、前衛クラスを多数積んだエピック級戦士ならまだしも低レベルの現地勢がアインズの強化された死霊術に抵抗するのはまず不可能。これぞ最強の「必殺と書いて必ず殺す」技に見えるが、実はかなりの低レベルキャラでも簡単な方法でこのコンボを無効化出来る。

まず〈The goal of all life is death〉発動から効果が現れるまで12秒(2ラウンド)あるので、その間に自分にサイレンス呪文を掛ける(事前に小石なんかに掛けといて懐から取り出しても良い)

たったこれだけで自分の周りは無音状態となり《ウェイル・オヴ・ザ・バンシー》は[音波]の拡散なので無効となる。


ネタが割れれば対策は容易い。ゆえにアインズは確実に相手を消せる、あるいは消さねばならぬ状況がこない限り、今後このコンボの使用は温存していくと思われる。

 

〈メテオフォール/隕石落下〉 第10位階
《メテオ・スウォーム/流星雨》 ウィザード9Lv
D&Dの伝統的メテオは手のひらより4つ(版によっては8つにも選択可)の火球を発射する。
火球とはいうが発射時豆粒大のファイアーボール呪文とは違い、これは直径60cmのコアの部分がある流星であり、直撃すると火と殴打の複合ダメージを受ける。
いわゆる隕石落下呪文(コメットフォール)も3.5eにはあるが、そちらはドルイド呪文になる。

メテオ/隕石という言葉の持つイメージの為か、それともよりビジュアルばえを目指した結果か知らないがD&D系でもいくつかのコンピューターゲームやロードスリプレイなどではわりかし古くから「上から隕石複数落下」が採用されていた。また本家紙版でも4版以降では上から降り注ぐ呪文に変更された。

 

追記:古来より続く最高位のダメージ呪文という地位、星を降らせるという(本家D&D的には間違いだったが)ド派手なビジュアルのため、D&D以外のRPGにおいても所謂「最強攻撃魔法」として扱われる事の多いメテオだが、3.5版及び4版のものは歴代メテオの中でもことのほか弱い。

3.5版メテオ・スウォーム
2d6殴打+6d6火ダメージの火球4つ

全弾命中で期待値122ダメ、クラシックD&Dでの期待値224に比べると半分近くまで減っているうえに、インフレの進んだ3.5版で9Lv呪文を飛ばすようなLv帯では火エネルギーは効かないことも多く、直撃殴打のみの28ダメでは話にならない。
最高位呪文の為に《呪文エネルギー変更》などで弄る事もままならず、これなら7Lvあたりの呪文を呪文修正した方がよほど使いやすくダメージ出る…が、これでもまだマシな方だったのである。

4版メテオ・スウォーム
8d6+知力修正値の火ダメージ、1日1回

まあ4版は全体的に呪文ダメージ低いし、雑魚役掃討用と割り切って使うものなのかもしれんけど、実際のところどうなのよコレ?(4版プレイしたことないので感覚がわからん)


と、ここまでD&D古参兵をやきもきさせてきたメテオのダメージだが、ようやく5版で最強の地位が復活した。

5版メテオ・スウォーム
20d6殴打+20d6火ダメージ

期待値140はクラシックに比べるとまだまだマイルドに見えるかもしれないが、インフレを抑えた5版においてこれは他呪文の倍以上のダメージをたたき出している。また旧来のメテオのように上手く隕石複数の爆発範囲に収めなきゃ弱いという事も無く半径40フィートに一律40d6という広範囲殲滅、明らかに呪文作成のガイドラインを無視した壊れ性能、スゴイ!
こうしてD&D Nextベータ版のデータを見て心躍らせたかつてのマジックユーザーたちであったが、そんな彼らを再び悲劇が襲う。なんとD&D5版日本語製品版では《メテオ・スウォーム》は無くなりました、ザンネン!

Meteor Swarm→《ミーティア・スウォーム》に和訳名が変更

ベーシック・ルールPDFの訳じゃメテオ・スウォームだったのに、今更どうして!?
まあD&D和訳チームは控えめに言ってもスゴイ優秀だし、伝統的なメテオよりも英語的に正しい発音に近いミーティアを選んだってことなんだろうけど…納得はいかないよねぇ。

 

さらに追記:ローグライクゲームほかD&Dシリーズなどに詳しいサイト「ビオ略」(旧ビオラインリード、時々どぐち屋)様の記事『D&Dシリーズ旧版メモ』にて、「メテオスウォームの威力」に関する風評にがっつりツッコミが入っていた。
当サイト記事に直接関係ありそうな点は「CD&D4版での期待値を224とするのはルールの読み落としで間違い」「古い版でのセーヴィングスローは対抗判定では無いため高レベルキャラはこれに成功するのが当たり前(相対的にセーヴ不可であるAD&D1st及び2ndのメテオは強力)」「根本的にシステムが異なるD&D4版の実値を他版と比較する意味はない」といったところであるが…グエーッ、実プレイの無い版はちゃんとルール読み込まなきゃダメだねえ。

 

 

〈アーマゲドン・イビル/最終戦争・悪〉第10位階
《オーマゲドゥン/ハルマゲドン》成聖呪文9Lv 「高貴なる行ないの書」出展
天使を複数招来する呪文。
キャラクター1Lvを犠牲にして4ラウンドかけて4~10体召喚と、最終戦争と言うには余りにも寂しい。
同様にデーモンやデヴィルを多数呼び出す呪文もあるが、どれもこれも大層な名前の割りに召喚数も実用度もいまいちである。