Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

ツイートちょっと解説 その2

丸山くがねちゃん(11歳) ?@maruyama_kugane 1月30日

"ねんどろいどアインズを貰ったので、今度のD&Dの俺のフィギュアに使おうと思ったんだけど……でかい! これ! 超大型だ!"

 

これはただ単にフィギュアがでかいと言っている訳では無い、D&D3版ルール上では「超大型サイズ/Huge」のクリーチャーは普通、体長か身長が16~32フィートの間で、体重は4,000~32,000ポンドの間である。(身長約5~10m、体重1.8~14.5t)グリッドマップ上では3×3の9マスを占めることになる。

*「D&D size」でイメ検すると感じがつかめると思う

 

丸山くがねちゃん(11歳) ?@maruyama_kugane 1月30日

"人間の魔法使いには使えないなぁ。リミテッドウィッシュからサイキックエクスパンションは可能だったっけ? そこにエンラージパースンを重ねるとかできたっけ?"


要するに、ねんどろいどアインズ様のサイズに合わせてヒューマンウィザード(中型サイズ)を超大型にでっかくしたいとの事だが、

まずはパワーと呪文の説明

《エクスパンション》は「サイオニック・ハンドブック3.5版」記載の1Lvパワー、いわゆる超能力。
効果はというと、発現者のサイズ分類が1段階大きくなり、増幅して使用すればさらに大きくなれる。
使用者の種族制限が無いのが地味にエロい、このパワーのせいでハーフ・ジャイアントやハーフ・オーガのサイキック・ウォリアーが強い。

《エンラージ・パースン》はPHB記載のウィザード1Lv呪文。
効果は対象のサイズ分類が1段階大きなものとなる。
上記のパワーと違い他人にもかけられる呪文だが、対象が人型生物と限定されている為「デカいモンスター種族をさらにデカく」といった使用方法には使えないことが多い。


問題となるのはリミテッド・ウィッシュ呪文使用でのサイオニックパワー再現だが、、
黒に近いグレーかなぁ、ルールに書いてない以上出来ないとするべきだが、願いの魔法はなんでもありの「現実改変」であり、低LvパワーぐらいならOKと判断するDMもそれなりにいるようだ。

*パスファインダーRPGでのリミテッド・ウィッシュ呪文はここ
経験値消費がダイアモンドになった程度で基本変わってない


まぁ高レベルになり手段を選ばなければ、いろいろやりようはある。
和訳された範囲の呪文でも、ウィッシュからウー・イァン7Lv呪文の《ジャイアント・サイズ》を再現すれば、下の「秘術大全」のイラストの通り身長22mの出来上がりだw

f:id:Sandmann:20170207220343j:plain

 

 

トップをねらえ! 幻のカラー版最終話

もう15年以上も前の事。

いつものように2chだったか、ふたばだったかでオタ談義に花を咲かせていたのだが、その中の一人がこんな事を言い出した。

「モノクロで撮られたトップをねらえの最終話は有名だが、それには幻のカラー版が存在した」


彼が言うには、予算の問題によりモノクロで撮影した「トップをねらえ!第6話」を、ビデオが売れてガイナックスの懐事情が良くなってから再び、全編カラーで作り直したというのだ。
さらには関係者を集め少人数での試写会を行った後、試写会を伝説のものとするため皆の前でフィルムを焼却処分したという…

いくらなんでも盛りすぎである

当然そのスレでは、そんな事あるわけない!聞いたことも無いという意見に飲まれたのだが、件の発言者は頑としてその主張を退けなかった。
さらに彼が言うには、ソースは明かせないが確かな情報だという。


その後、このような都市伝説を耳にすることもなくすっかり忘れていたのだが、ふとした拍子に思い出したので書き留めておこうと。

 

あれはいったいなんだったのか?彼自身が視聴したわけでは無いのに、何故あんなに自信を持って主張していたのか?

今になって思いついたのは、ガイナックス上層部のだれかに直に吹き込まれたのではないか、という疑念である。

最近のはそうでもないが、昔のSFオタというのはとにかく「面白ければ全て良し」と考える人が多かった気がする。

あれはトップをねらえの製作陣スタッフ又はそれに近い人に聞いた与太話を真に受けてしまった犠牲者だったのでは…


ともかく、この件に関して似たような話を聞いたことがある、あるいは真相を知っているという人がもしいたら、コメントください。

非実体はアストラル体?

オーバーロードではゴーストなどの非実体はアストラル体/星幽体とも描写されている。
がしかし、D&Dでの非実体/Incorporeal はエーテル界からの顕現に関する能力であり、アストラル界とは関係無いしアストラル体でも無い。

説明が非常に大変な次元界関係はWikiに丸投げするとして、この違いはD&Dゲーマーとして読んでいて目にする度に一寸もにょっとする…

注:D&Dの非実体アンデッドの全てがエーテル体というわけでは無い、シャドウなんかは影界由来の能力である。


これに関しては単純にくがねちゃんが間違えたという可能性もあるが、オカルト用語として微妙に普及しているアストラル体/星幽体という言葉の使い勝手が良い為、あえてD&Dの設定より変更したという側面も考えられる。
あるいは、くがね氏とも関係が深い事もなくないTYPE-MOON奈須きのこ氏の一連の作品設定に引きずられたという可能性も…

 

*書籍3巻のシャルティア対アインズ戦をみるに、ヴァンパイアの霧化もオバロでは非実体になっているようだが、D&D3.5eでのこれはガス化形態であり非実体では無い。
ガス化形態での物理耐性はヴァンパイアの耐性と多くがダブっており、移動の利点は別にして防御面でのガス化の利点は無い。
このあたりを考慮してオバロでは非実体に変更したのだと思われる。

 

*一昔前はWiki情報なども無く、ネットで次元界の情報を検索しようとすると(ググるという言葉も無かった)D&Dでは無くオカルト関係のサイトばかりヒットし、そのアレっぷりに引くというD&Dゲーマーも多かったと思われるw
現在は星幽界などでググると、けっこうTYPE-MOON関係のサイトがヒットし、時の移り変わりを感じてしまう。

 

追記:TRPGガープス」における「アストラル・プレーン/霊界」を元ネタにしたのでは?という情報を耳にした。
またガープスに限らずファンタジーRPGTRPG設定で霊界を単にアストラル界としている物は少なくないようだ。
(過去の感想返しだかで、くがね氏はガープスもインスパイア元の1つに挙げている)

というか、物質界に隣接する中継界が3つ(アストラル界、エーテル界、影界)もあるD&D設定が細かすぎるだけという話でもある。

AD&DのPlanescapeを経て3版で提示された「大いなる転輪/The Great Wheel」宇宙観は結局4版で大幅に簡略化されてしまいゴースト関係はシャドゥフェル出身ということに統一された。また同じ3版であってもキャンペーン・セッティングが変わると世界どころか宇宙観自体ががらりと変わるという豪快さである。

このようにD&Dの世界と一口にいっても内実多様であり非常に混乱しやすいが、このブログの情報は基本的に3版出版当時のワールド・オブ・グレイホーク・キャンペーンセッティング及び「大いなる転輪」に基づき書かれている点に留意願いたい。

呪文 その26

〈レイ・オブ・ネガティブエナジー/負の光線〉 ?位階

《エナヴェイション/気力吸収》 ウィザード4Lv
カジットがスケリタルドラゴンに使用。負のエネルギーの光線呪文は他にもいろいろあるが、黒色の光線という点からこの呪文が元ネタだと思われる。
オバロでのようにアンデッドの回復(一時HP付与)にも使えるが、素直にナーベに撃った方が勝率は上がったかもしれない。
*エナヴェイションの効果は1~4の負のレベルであり複数ヒットで効果は累積する。3.5e仕様なら上手くいけばナーベの近接戦闘能力及び最大HP、呪文発動能力を大幅に落とす事ができる。

ともあれ、光線呪文は遠隔接触攻撃(装甲無視の飛び道具)であり命中判定を必要とする呪文である。
動きが素早いナーベにスケリタルドラゴンの遮蔽を受けた状態で、カジッちゃんは当てる自信が無かったのかもしれない。


〈エメラルド・サルコファガス/緑玉の石棺〉?位階

《アンバー・ソーコファガス》ウィザード7Lv 「高貴なる行いの書」 または
《サーコファガス・オヴ・ストーン/石の棺》クレリック6Lv 「呪文大辞典」
名称からして上記呪文のどちらか、あるいは両方が元ネタと思うが陽光聖典隊員が使う呪文にしてはちょっとレベル高すぎな為、オバロでの効果は違うと思われる。
両方とも閉じ込め系の呪文だが、アンバー・ソーコファガスなんかはセーヴ不可で閉じ込められると時間停止状態と、高貴本の7Lv呪文だけあって強烈な効果である。
琥珀の球(けっこうHPがある)が外部から破壊されるまでの無力化だが、時間停止状態なので防御として使用できなくも無いか?

対してサーコファガス・オヴ・ストーンの方は名前のとおり石の棺に閉じ込める呪文。
説明文に気密性について書かれてるあたり対ヴァンパイアも考慮してるのかもしれないが、この呪文が飛ぶレベル帯だと効いても普通にテレポで逃げられる事が多そう。
石棺自体もガチ前衛だと一撃で真っ二つにできる程度の硬さなので、まじめに考えると呪文レベルの割りに微妙な呪文である。


呪文の効果についてちょっと補足

"治癒する側、もしくはされる側が拒絶した場合、治癒魔法がうまく働かず傷跡が残ることもあるようです。" 4巻-286p

キュア系の治癒呪文は意志セ-ヴィング・スローに成功することにより効果を半減させることが出来る。
しかしヒール呪文は意志セ-ヴに成功すると無効となる、これはヒールの回復量が格段に大きい為、たとえ半減であっても対アンデッド呪文として強力すぎるためのバランス調整と思われる。


"転移の魔法でお前をエ・ランテルに戻す。では気を楽にして魔法を受け入れろ。" 10巻-337p

テレポート系呪文はセ-ヴ不可だが、呪文の対象が「術者および接触した物体か同意するクリーチャー」なので、同意しなければ効果を受ける事はない。
つまりドラクエバシルーラ的な使い方は出来ない。

追記:クラシックD&Dでは《テレポート・エニィ・オブジェクト》7Lv呪文でバシルーラ的に同意しない他者を転移させる事が出来たが、3.5eでは同呪文の対象は物体のみとなった。しかしながら3.5版でもサプリメント「ウォーターディープ 壮麗な都」記載の《ドロブリアンズ・ベイルフル・テレポート》6Lv呪文を使えば、同意しない他者も転移させる事が出来る(意思セーヴ成功で無効)

さらに追記:書籍15巻でグレーター・テレポーテーションについて他者も一緒に跳べるが「同意する者とだけ」「魅了状態であれば同意していると見なされる」と明記された。

 

他によくある疑問として「ファイアボールみたいな範囲攻撃を回避できるのか?」というものがあるが、ファイアボール他ドラゴンのブレスなど、範囲ダメージ攻撃の多くは反応セ-ヴィング・スローに成功することによりダメージを半減させることが出来る。
またクラス:ローグやモンクが低レベルで得る特殊能力《身かわし/Evasion》があれば、このような範囲攻撃の反応セーヴに成功することでダメージを全く受けずにすむ。
敵術者がファイアボールやライトニングボルトをぶっぱなしてくるレベル帯(6Lvくらいから)では、この能力の有無でけっこう生存率が違ってくる。

クラス:ファイターは未訳サプリの夢を見るか?

転移後の世界で戦士系クラスが習得している〈武技〉の数々。

これらは一体どうしてユグドラシルには存在しなかったのか、D&Dで同様のものが無いのかといった疑問は2chなどでたまに見られる。

クラシックD&Dには無かったがD&D3版以降に現れた《特技/Feat》が元ネタではないのか?という意見もあったが、戦士系の取得できる特技の効果は「命中に+1」「回避に+1」「ヒットポイントに+3」といった地味な効果の物ばかりで、リソース消費型の必殺技のような〈武技〉とは大きく異なり、オバロで《特技》に相当するものはレベルアップで習得した(クラスで得た能力以外の)パッシブスキルにあたると思われる。

*例を挙げるとアルベドのカウンターアロー、ミサイルパリィは特技《矢止め/Deflect Arrows》《矢つかみ/Snatch Arrows》が相当する。

*まぎらわしいがD&D3版系で「技能/スキル」というと戦闘以外の一般行動判定もろもろを指す、パスファインダーRPGでのルールはここ

*ファイターのボーナス特技は地味な効果の積み重ねだが、クレリック及びパラディン向けの《信仰特技》や術者向けの《呪文修正特技》はやたら強力な物が多い。
ここらも格差社会としてファイターがネタにされる原因である。


別にオーバーロードの戦闘ルール全てがD&D3rd準拠ということも当然無いだろうし、〈武技〉は他TRPGCRPGの影響と考えるのが真っ当なところだが、それでもあえてD&D3.5eで〈武技〉と呼ばれるものが無いか?といえば、あるにはある。


3.5e末期の未訳サプリメント「Tome of Battle: The Book of Nine Swords」に収録された各クラスが習得する技(Maneuver)が、有志の作った私家訳版では《武技》と訳され一部パワープレイヤーの間で知られている。


*「トゥム・オブ・バトル」については下記の紹介動画が素晴らしい

「“アンバー家の館” 2011 番外その4」

 

この本さえあれば!前衛がエネルギーダメージをばら撒いてスウォーム(群れ)を蹴散らしたり、舞空術で空を飛んだり、ハーフリングが超大型ドラゴンを合気で投げ飛ばしたり出来るのだ!!
劇場版オールスターズでのキュアホワイト再現も思いのままに!(通常ルールでは足払いは筋力判定な上にサイズボーナスが加わるので不可能)

さらにファイターもボーナス特技で限定的にだが《武技/Maneuver》と《構え/Stance》を習得できる、既存のクラス強化もばっちりだ。

武技〈要塞〉はアイアン・ハート流の反撃技《ウォール・オヴ・ブレーズ》、〈四光連斬 〉は攻撃技《ミスラル・トルネード》、〈流水加速〉はデザート・ウインド流の増幅技《ウインド・ストライド》と、キャラ再現の妄想も捗る。

 

まあ、これらはデータが豊富ゆえ探せばなんかソレらしいのが見つかっちゃうD&D3版系の懐の深さ(それこそD20まで含めれば現代兵器もクトゥルフも巨大ロボもスター・ウォーズも)、というか節操が無いデータの山というだけで、オバロにトゥム・オブ・バトルが影響を与えたとは到底言い切れないので注意。

アインズが鎧着たまま使える魔法が5つとかいう話

D&D3版系ではファンタジー世界のリアリズムを無駄に追求したせいか、呪文の発動プロセスにはさまざまな構成要素がそれぞれ呪文ごとに決められおり、それらを全て満たす必要がある。

ファイアーボールを例に挙げると

ポーチよりコウモリの糞と硫黄を取り出し(物質要素)
身振り手振りや印を結んだりして(動作要素)
声に出して呪文を唱え(音声要素)、火球発射!となる。
*この間、約3秒。


また、あらゆる鎧と盾には秘術呪文失敗率がデータとして決まっており、動きにくさが秘術呪文の動作要素を阻害する為、呪文発動を失敗するとされている。
クレリックドルイドなどの信仰魔法には失敗率は無い、また昔の版などでは装備制限に関しては一律出来ないと書いてあるだけで特に理由付けされてなかったような。
3版系ではさまざまなペナルティこそあるがウィザードがフルプレートを着てグレートソードを振り回す事も出来る…実用的かどうかは別にして。


以上を踏まえた上で、鎧を着たまま失敗率無しに秘術呪文を発動するには

  • 失敗率を軽減したり無くすようなクラスになる(魔法戦士系クラスやバードなど)
  • 呪文失敗率が無い特殊な鎧を着る(例:トワイライト・ミスリル・チェインシャツ)
  • 呪文修正特技《呪文動作省略》で呪文の動作要素を無くす
  • 動作要素の無い呪文を唱える

上記の「動作要素の無い呪文」がアインズが鎧を着たまま使える魔法の発想元になっている、と考えてみたのだが…

とりあえずD&D3.5eではテレポ系にウェイル・オヴ・ザ・バンシー、タイム・ストップ他などが音声要素のみで発動できる呪文ではあるが、特典小説の描写などを見る感じユグドラシルでこのような複雑な呪文詠唱はしておらず、これらの考察も推測の域を出ない。

 

追記:「ウィザード 呪文が無ければ ただの人」でありD&Dの術者プレイヤーは不測の事態に備え、マテコンポーチを複数持っておく、サイレント・メタマジック・ロッドを買っておく、呪文書のコピーを作っておく(カネと時間がやたら掛かる)などの対策を取る人も多いが、中にはクラスはソーサラー(呪文書が要らない)、貴重な特技枠で《物質要素省略》 《呪文音声省略》《呪文動作省略》を取得するとまで主張する人もおり、此処まで来るとよほどヒドい環境で戦い抜いてきたんだなぁ、と心の闇を感ぜざるを得ない。

 

さらに追記:鎧装備制限に関して「金属が魔法を阻害する」という設定もラノベRPG界隈ではよく見られるが、D&D3.5eにはドルイドを除くとそのような設定は無い。(あえて探せば、低位占術のディティクト系が鉛板で遮られる。)
なお、妖精は冷たい鉄(通常の鉄、または鋼鉄を指す)を嫌う、という現実の伝承については、D&Dでは武器に使われる素材の「冷たい鉄/cold iron」設定に引き継がれている。

*D&D3版系での「冷たい鉄」はフェイ(妖精)やデーモンのダメージ減少(物理耐性)を抜くために、前衛メインウェポンに使われることが多い素材だが、魔法での強化が難しくその分高価となってしまう。

このような通常の鉄とは違う特殊金属としての「冷たい鉄」設定はD&Dが初出というわけでなく、D&Dでのこれはポール・アンダースンの小説「大魔王作戦」あたりの描写が元ネタにあると思われる。

ポール・アンダースンファンタジー小説からD&Dへの影響は各所で述べているが、D&Dで冷たい鉄が重用されはじめたのは3.5版からであり「大魔王作戦」とは30年以上の隔たりがある為、さすがに直接の影響は無いか。
ちなみに3.0版ではダメージ減少をブチ抜くのには強化ボーナス(+1とかの部分)の数字の大きさが重要であった。
さらに3.75版ともいうべきパスファインダーRPGの方といえば、3.0eと3.5eの折半案というべきか、一定以上の強化ボーナスがあれば材質や属性によるダメージ減少も抜けるようになっている。
こちらのほうがオバロの物理耐性に近い感じかな?

クラス考察 その7

"ちなみにツアーとかは種族レベルに加えて特殊な(非常に優秀な)ドラゴン専用クラスを多数習得しております。"  11巻作者雑感

D&D3.5eサプリ「ドラコノミコン」によると竜がキャラクター・クラスをとることは滅多にないが、それでも少なからぬ数のドラゴンが成熟した年齢段階に至った時点で上級クラスを得たりするとある。
この本にはドラゴン専用上級クラスが幾つか記載されているが、いずれも強力(最終的に神格になっちゃったりする)であり、当然というかPCに取らせないようにする為にどのクラスも前提条件がぶっ飛んでいる。

 *ホビージャパンのサイト『竜の書:ドラコノミコン』 プレビューはD&Dのドラゴンを知る為の概覧としてとても参考になる、基本的な知識として一度目を通しておいて損は無い。また3版とは少々設定が変更された部分もあるが、4版ドラコノミコンのサイトはココココ、いずれも有益な情報となるだろう。

 

〈ルーンスミス〉 ゴンド・ファイアビアド

D&D3.5eでのルーンの扱いは、ドワーフ及びフロスト・ジャイアントの書き文字としてや、地面に刻んで地雷的な発動をする呪文や円陣魔法に使用したりとおおむねファンタジーRPGにありがちな物となっている。(武器に刻んで強化するルールは無いが、刻まれた魔法のアイテムは多い)
それはともかく、「石の種族」記載のドワーフ専用上級クラス、ルーンスミスの能力だが小さな石版に秘術呪文をルーン文字で刻み、これから呪文発動する事によって鎧による秘術呪文失敗確率の影響を受けなくする。
また3Lvの能力、ルーン共有ではルーン石版を誰でも使用できるように作れるようになり、凄く便利。
以上のように重装魔法使いクラス(魔法戦士では無い)であり、オバロのゴンドとはおそらく関係無い。


〈エキスパート〉 パンドラズ・アクター

D&D3.5eのクラス、エキスパートはNPC用の基本クラスであり、職人とかが大体そんな感じである。
特殊能力は無いが特徴としては技能関係が優れており、どれでも任意の10種類を選んでクラス技能とする事が出来る(ここでイアイジュツとか言い出したら立派なマンチ)

他のNPC用基本クラスは

アデプト:未開の部族の呪術師や、ウィザードの様な専門家では無いまじない師
アリストクラート:貴族とか
モナー:一般人
ウォリアー:ボーナス特技の無いファイター、軍人とか
となっており、これらで英雄候補生たるPCとNPCを分けている。…のだが、あらゆるキャラクターが同一のルールの元に組まれている3版系において上級クラス持ちNPCなんかは珍しくなく、1Lv冒険者は一般人に毛が生えたようなものであり、プレイヤーだからといって特別感はあまり無い。(全体的にローパワーなエベロン世界や、4版ではまた違ってくるが)なお当然パンドラズ・アクターとは関係無い。

*D&D3版にはパンドラズ・アクターの種族:グレータードッペルゲンガーも居るし、他のクラスの特徴を真似て使用することが出来るようなクラス(カメレオンやファクトタム)もあるが、あまりオバロ考察に使えそうな感じのデータでは無い。

 

〈トゥルー・ネクロマンサー〉アインズWeb版

未訳のアンデッド専門本「Libris Mortis」記載の上級クラス、属性が善以外の「死の領域」持ちクレリック+ウィザード/ソーサラーから成れる。
クラス能力はアンデッド威伏/支配能力が順当に伸びていく、死霊術の術者Lv上昇、上位アンデッド創造、Lvドレイン、周囲にディセクレイトの効果(味方アンデッドが負のエネルギーで活性化)、擬似呪文能力として《ウェイル・オヴ・ザ・バンシー》の発動。

このようにアインズの能力と似た部分も多いが、このクラスは信仰呪文+秘術呪文の両方が伸びていくクラスであり、その点はウィザード/ソーサラー系秘術一本伸ばしのアインズとは異なる。


オーバーロード アインズ

「D&D Class overlord」などで検索すると、D&D wikiなどのそれらしいクラスデータが出て来て、すわアインズの元ネタか?と思うかもしれないが、これらは全て個人の自作クラスである上、能力的にもまったくもってアインズ及びオバロと関係無い。


しかしまあググると出てくるわ、出てくるわ、

ぼくのかんがえた最強のクラス、ぼくのかんがえた最強のモンスター、ぼくのかんがえた○○D20(○○の中にはきみのすきなアニメやゲームの名前を入れよう!)

日本では全くと言っていいほど自作クラスなんかは見られないしハウスルール運用も少ないが、海外のネット上ではこのような自作データが溢れかえっているし、同人のみならずサードパーティ製サプリとして色んな意味でアレな本が雨後の筍のように出版されたりしていたのだ。
(例:アフガニスタンD20 トライガンD20 ヘルシングD20 スレイヤーズD20)


これらをただ単にバブルといえるほどD20システムが流行った、と見るべきか、
あらゆるジャンルを包括できる(と勘違いさせる)ほどD20システムが優れていたと言うべきか、
公式ルールを遵守する日本、自由なプレイスタイルを楽しむ海外勢との文化的差異と見るべきか、
はたまた厨二病の本場メリケンは一味違うぜ!と見るべきなのか…
理解に苦しむ所である。