Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

至高の四十一人 豆知識

元ネタと言うほどの情報でもないが、ちらほらとTRPG用語っぽいものが見られるので。


ク・ドゥ・グラース

とどめの一撃/coup de grace、通称:クーデグラが名前の由来だと思われる。
D&D3.5eでは無防備状態の敵に対して行える攻撃で自動クリティカル、即死判定アリというもの。
他のTRPGでも戦闘行動や特殊スキルとしてルール化されていることが多いが、とりあえず参考になりそうなパスファインダーRPGでのルールはここ

 

弐式炎雷 種族:ハーフ・ゴーレム

D&D3版のハーフ・ゴーレムは「モンスター・マニュアルⅡ」に記載されたテンプレート。
秘術的な改造手術によりゴーレムの強さを手に入れることが出来るが、殆どの人は形質変化に耐えられず人格が恒久的に悪属性に変化してしまう為、ハガレンごっこには向かない。
(というか義肢取り付けの度に意思セーヴを行うのだが、判定の難易度がとても高い)
筋力の上昇やゴーレムの持つ耐性(ダメージ減少、精神作用に急所攻撃クリティカル無効、魔法への完全耐性とか)が強力であり前衛向きと言いたい所だが、レベル調整値は無くプレイヤーキャラとしては使用できない。
さらに敏捷力も下がるので弐式炎雷のクラス:忍者には向いて無いしオバロと関係無いかもしれないが、イメージの補完にはなるかもしれないので一応。イラストはここ

 

フラットフット

立ちすくみ状態/Flat-Footedが名前の由来だと思われる。
戦闘が開始されたラウンドで自分のターンがまだ来ていない状態であり、敵ローグに先手を取られれば急所攻撃を受けまくる事になりかねない危険な状態。
パスファインダーRPGでのルールはここ

 

タブラ・スマラグディナ 種族:ブレインイーター

まあどう見てもマインド・フレイヤー(イリシッド)

 

ぷにっと萌え 種族:ヴァイン・デス

蔓で構成された植物系モンスターということであり名称的にはアサシン・ヴァインが近いが、このモンスターは知性も無くプレイヤーキャラとしては使用できない。(おそらくWeb版に名が出てきたモンスターの、絞め殺す蔦/ギャロップ・アイビーがこれに相当する)

他にビジュアル的にそれっぽいのはシャンブリング・マウンドだが、こちらは植物でありながら脳を持ち知力7とシャルテア並みの賢さはあるようである。
こんな謎生物でもレベル調整値がありプレイヤーキャラとして一応使用できるが、PC種族に植物を選んだなどという話は終ぞ聞いたことも無い。

追記:オバロwikiからの情報によるとD&D3.0版未訳モンスター集「Fiend Folio」及び4版「モンスター・マニュアル」記載のヴァイン・ホラーが元ネタ?
こちらのほうが人型植物だし、名称的にも近い。

 

ベルリバー 種族:体中に口がある肉の塊

ビジュアル的にジバリング・マウザーが元ネタでは無いかと目されている。
パスファインダーRPGでのデータはここ
高いヒットポイントに特殊能力てんこ盛り、基本ルールでの低レベル帯モンスターとしてはかなりいやらしい。

 

ヘロヘロ エルダー・ブラック・ウーズのモンク

以前の考察記事はここ
パスファインダーRPGでのブラック・プディングのデータはここだが、3.5eにあったエルダー版のデータは無いようだ。(英語だがd20SRDのデータはここ
なお3.5eモンスター・マニュアルではゼラチナスキューブの陰に隠れブラック・プディングのイラストは無かった。
「D&D Black Pudding」でイメ検して出てくるイラストはOD&DにAD&D1st、5eなどの物だがたまに真女神転生が混じってたりする。

 

粘体ついでの余談だが、RPG談義などで「日本産RPGのスライムが雑魚なのはドラクエドルアーガの塔の影響」「というか遠藤が悪い」という話のついでに「D&Dのスライムは凶悪だった」というのもよく耳にすると思われる。

ここから、さぞやD&D3.5eのスライム(グリーン・スライム)も凶悪な強いモンスターなんだろうなと思う人も居るかも知れないが、そもそも3.5e「モンスター・マニュアル」にスライムは載っていない。

ではどこかというと「ダンジョンマスターズガイド」3章、ダンジョンの生態系の所に記載されている。(パスファインダーRPGではここ
まあダンジョンのトラップ、ギミックとしてのスライムの性質が端的に示された結果、モンスター扱いで無くなってしまったという事だろう。

*このスライムやカビ対策として、呪文による照明や陽光棒だけではなく必ず松明(含む瞬間着火式)を何本かダンジョンに持って行くプレイヤーもいる。漢解除(人柱)としてパーティーの先頭に立たされていたファイターがスライムに溶かされた、あるいはファイターを松明で火炙りにしたなどと言う古強者の経験から生み出された知恵と工夫である。

*グリーン・スライムの脅威度は4であり、あえてモンスター的な強さでいうとミノタウロスミミック、虎、ヴェリー・ヤングな小型ドラゴンと同等といったところか。
特技《炎の爆発》(コスト無しでの弱い火炎攻撃、スウォーム対策にもなる)等を持っているPCにはあまり脅威的な遭遇では無いかもしれないが、「ドワーフはグリーン・スライムに汚染された坑道や地下建造物をエリアごと焼却処分する」とされており、まるで腐海のようにえんがちょ扱いされてる存在ではあるようだ。

 

追記:ペロロンチーノ

ビジュアルデザインにおいて、デーモンロード「バズズ」との相似が指摘されている。
*パスファインダーRPGでのデータはここ、別に弓使いでは無い。

あとはD&D3.5eにおいてプレイヤー種族として使用しやすい鳥人サプリメント「自然の種族」記載の「ラプトラン」があるが、これは羽は四枚では無い。

ちなみにラプトランでぐぐってトップのこのページのイラストは、ホークフェザー・アーマを装備したエルフレンジャーのソヴレス君であり、ラプトランとは関係無い。

呪文 その25

〈フォース・エクスプロージョン/力場爆発〉
シャルティアが対アインズに使用。
名称や術者中心の爆発という効果からソード・ワールドの神聖魔法Lv7、〈フォース・イクスプロージョン〉呪文が元ネタみたい。
てかD&Dにも普通にありそうな名前なんで、力場属性の呪文をずっと探してた…


〈センス・エネミー/敵感知〉
こちらもソード・ワールドの古代語魔法2Lvに同名呪文アリ。
ただ、ありきたりな英単語なので他TRPGのスキルなどにも同名の物が見られる(アリアンロッドとか)

 

"…確かにそれも一つの手だな。変化系の魔法を使えば一時的な変化ですむ。" 書籍5巻113p

《ポリモーフ/変身》ウィザード4Lv呪文
変身呪文は何種類かある上、版によって制限及び効果がいろいろと変わってきているが、とりあえずD&D3.5版で「他人にかけれる」「オーガになれる」「肉体能力が変化上昇する」「イビルアイでも使えるLv帯」となるとポリモーフが妥当なところ。
これが上位呪文の《ポリモーフ・エニィ・オブジェクト》となると知力までオーガ並みになるという危険も伴う、諸刃の剣。クライムにはおすすめ出来ない。


〈魔法の明かり〉 書籍9巻255p

《ライト/光》 多くの術者クラス、0Lv呪文
ンフィーレアが使用。描写を見る感じでは永続光とは違いそうなので普通のライト呪文だと思う。持続時間は術者Lvあたり10分なので、ンフィーレアなら30分ぐらいは持ちそう。

この呪文で明かりをつける時には、スタッフを掲げ「シラク!」と唱えるのがD&Dでのたしなみ。
もちろん、陽光棒をベルトに挟んでおくなどといった、はしたない冒険者など存在していようはずもない。


〈支配の呪言〉 デミウルゴスのスキル

《グレーター・コマンド/上級命令》クレリック5Lv呪文の効果?
心術(強制)[言語依存、精神作用]と、サイレンスなどいろいろな手段で防ぐ事が出来き、この点はオバロ作中で提示された防御策と同じである。
出来る命令は「来い」「落とせ」「逃げろ」「倒れろ」「止まれ」の5種類であり「ひざまずけ」はないが、「倒れろ」で伏せ状態になるからオバロ再現は可能か。
なおオバロでは40Lv以下には対策無しだと無条件で効く(所謂セーヴ不可)ようだがD&Dではそのような制限は無く、意思セーヴ判定成功で無効化できる。

 

追記:レベル40以下に無条件に効くという点に関しては《パワー・ワード/力の言葉》系呪文(HP100以下)や《ブラスフェミイ/冒涜の声》(Lv差)あたりを参考にしたようにも思える。

さらに余談、サードパーティ製未訳サプリメント「Book of Erotic Fantasy」(通称:エロ本)では上記コマンド呪文が拡張され、追加で「自慰せよ」「絶頂せよ」という命令が…これで薄い本展開も安心だ!

ドラゴンの強さに関して 続き

転載で申し訳ないが、2chで興味深い書き込みを見つけた。

160 :
この名無しがすごい! (ワッチョイ 77c6-7Gj5)
2016/08/18(木) 21:46:19.58 IDBtItomI40
フロストドラゴンといえど、魔樹よりは弱いだろう
だとするとどんなに強くてもレベル80位かな
いや、強すぎか 漆黒聖典のリーダーより強くなる

162 :
この名無しがすごい! (ワッチョイ cfc1-NXZ6)
2016/08/18(木) 21:51:08.53 IDG8TbBakU0
>>160
エンリさんが食ったフロスト・エンシャント・ドラゴンでも
レベル60行かないはずなんで…

167 :
この名無しがすごい! (ササクッテロ Sp07-wLiW)
2016/08/18(木) 22:06:47.74 IDw6D0iPshp
>>162
そんな記述あった?

174 :
この名無しがすごい! (ワッチョイ cfc1-NXZ6)
2016/08/18(木) 22:40:34.33 IDG8TbBakU0
>>167
ベースのD&Dのエンシェント級の竜からの計算


上記の人がどんな計算をしたのか初めはさっぱり解らなかったが、どうやらD&D4thのデータからの推測のようである。

*D&D4th基本ルールでのキャラクターLv上限は30Lv、これをオバロでの70LvくらいとするとD&D4thでのエンシャント・ホワイト・ドラゴン24Lvはオバロで約56Lvとなる。

オラサーダルクの46Lvよりは強い予想値だが、自分が3.5版ヒットダイスより換算した100Lv越えよりかはよっぽど近い。

さらにD&D4thでは今まで12あった年齢段階を大幅に減らしワームリング、ヤング、アダルト、エルダー、エインシャントの5段階しか無い。
この部分も書籍11巻末のオラサーダルクの種族レベルと対応しており、くがね氏の「竜としての最高位の成長段階」発言とも合致する。

 

D&D3.5eから4thに移り変わり(少なくとも数字の上は)弱体化したドラゴン他モンスターをオバロ転移後の世界で再現、とか妄想してみたが自分はD&D4thについてプレイ経験も知識も殆ど無く、24Lv単独モンスターというものの強さが感覚的にまったく掴めないため、これ以上深い言及は避ける。

あるいは単に神話時代の強大な存在、種族が時代が下るにつれ弱体化するというファンタジーにありがちな設定のアレ(指輪とかFSSとか)のような気もしないでもない。

ユグドラシルは北欧神話が元ネタ

なのでフロストジャイアントの元ネタも北欧神話であり、今後ファイアジャイアントなんかが出てきても北欧神話だから当然、と思うかもしれない。
それはそれで間違っていないが、やはり考察材料として参考にすべきなのは北欧神話でもウィザードリィでも無くD&Dである。


最初のファンタジーRPGであったD&Dではオリジナル以外にも各神話、ファンタジー小説から大量のモンスターを元ネタ導入しておりそこで造られた、追加された各設定は後のファンタジーRPGでも定説化している物が多い。

D&Dでのフロストジャイアント&ファイアジャイアント自体、種族設定に元の北欧神話の影響が見られるため、オバロに出てきたときに北欧神話っぽく見えるかもしれないが、普通にD&Dベースの可能性も大きいわけで…

だがこのような神話発祥D&D経由のモンスター類が、後発のRPGでは設定孫引きを繰り返す内にD&D由来であることも忘れさられてしまい本来の伝承に基づいた設定に先祖返りするという事態も良くあり、オーバーロードに限らずファンタジーRPGのモンスター考察などをする場合なにぶん注意する必要がある。

*意図的にD&Dから離した設定にするパターンもある(FFでのマインドフレイア設定の変遷とか、D&D内でもエベロン世界の種族設定など)

 

*書籍11巻ではフロスト・ジャイアントについて少々触れられてはいたが能力の詳細までは出てこなかった、残念。
しかしその生態(縄張り的に天敵のホワイトドラゴンに奴隷扱いされる、あるいは逆に弱いホワイトドラゴンを奴隷扱いすることもある)についてはD&Dシナリオ的に日常茶飯事である。


*書籍8巻に登場したバーゲスト/悪霊犬もD&Dではメジャーなモンスターだが、D&Dのバーゲストは鎖は持っておらず、ここらは本来の神話伝承あるいは他RPGからの物と見るべきだろう。
しかし特殊能力〈鎖の大旋風〉については、D&D3版系特技《大旋風/Whirlwind Attack》の影響が有ると思われる。
この特技は全ラウンドアクションで間合いの中にいる全ての敵に対して1回の近接攻撃を行なうという物で一見強力そうに見えるのだが、前提条件がやたらと厳しく(それでありながら大旋風は能力的にその前提特技と噛み合っていない)、 ようやく大旋風が使える頃には普通にヘイスト貰って全力攻撃した方が強くね?という状況も多く、(クラス特徴のボーナス特技が多いため)この特技を取る可能性が無いでもない唯一のクラス:ファイターと合わせてネタにされることも多かった。(ネタとしての

追記:そういえば、Web版のザリュースは周囲を攻撃する戦技〈ワールウィンド〉を学んでいたが、これも《大旋風》が元ネタだろう。ついでだが〈アイズ・イン・ザ・バック〉は《直観回避/Uncanny Dodge》及び《直観回避強化》が元と思われる。(特技ではないがバーバリアンやローグのクラスで習得できる能力、不意打ちや挟撃にならず急所攻撃を食らいにくくなる)


*他にはWeb版においてアウラケツァルコアトルを使役していたが、元ネタとして見るべきはアステカ神話でも白亜紀翼竜でも無くD&Dモンスターの「コアトル」であろう。

追記:3.0版「モンスターマニュアルⅡ」(和訳有り)に翼竜であるケツァルコアトルのデータがあり、後のアップデートと「プレイヤーズハンドブックⅡ」で動物の相棒にするためのドルイドLvが記載された。ここから見るに恐竜の方をクラス能力で使役しているような気もしたが、改めてWeb版を読んでみると「蛇のようなモンスター」と描写されている為、やはりコアトルの方が発想元にあると思われる。

レイナースの呪い、やっぱダメかも

以前の考察でレイナースにかけられた呪いについて、3Lv呪文で解けるじゃろとかテキトー抜かしていたが、改めて調べるとけっこう大変な可能性があることが分かった。

例によって「不浄なる暗黒の書」である。
この本の28pには呪いのバリエーションがいろいろ書いてあるが、そのなかの「死に際の呪い」では、ことさら邪悪なクリーチャーが殺した相手に死に際の呪いをかけることがある、とあり呪文発動能力を持たなくても呪いの効果(ビストウ・カース系呪文)を与えることが出来るようだ。

さらには10HD以上のクリーチャーがかけた呪いは簡単には解呪できず、ウィッシュやミラクル呪文、殺したクリーチャーをトゥルー・リザレクションで蘇生させる、やっかいなクエスト(ドラゴンぶっ殺してこいとかそんなん)をクリアする、などの方法が必要とある。
*どれも9Lv呪文、オバロでは10位階魔法か超位クラス

こりゃマジでアインズに頭下げるしか無いんじゃねーかな?


余談としてちょっと面白い呪文も見つけたので書き留めておく。
《レッド・フェスター》 腐敗呪文、アサシン、ブラックガード3Lv「不浄なる暗黒の書」記載

「対象の皮膚は赤くなり、水泡ができる。この水泡はただちに、じくじく膿んだ傷に変わる。これに加えて、対象の性格は奇妙に暗くなり、自尊心が消滅する。」

フレーバーテキストが無駄にエグい、が実際の効果としては筋力と魅力にダメージ。(レストレーション系呪文で治癒できる)
性格が暗くなるとか膿とか、かなりレイナースの呪いの効果描写に近いのだが、この呪文自体は呪い属性では無い。
ただオバロ自体、不浄本出展ネタがやけに多いので(そんなファンタジーは嫌だw)この呪文をくがね氏が読んで、面白がって参考にした可能性もある…?

*レイナースの性格&膿はビストウ・カース系呪文による永続的な魅力減少と解釈出来なくも無い


まー今回の纏めとしては、本開いたらキャラが強くなりそうなデータ(特技、上級クラス、アイテム、呪文)だけチェックして後は流し読み、みたいなことはやめてちゃんと全部読んでおこう、という教訓を今更得たw

アインズ様の能力 詳細不明分に関する幾つか

名称のみ判明しているアインズの特殊能力のうち、効果が不明の物が幾つか残っているが、D&D的に名称からそれっぽい効果が推測出来る物があるので考察しておく。

〈不浄なる加護〉
上記語句をそれらしい英語に直すとUnholy Graceとなる。
この能力はセーヴ(抵抗判定値)とアーマクラスにそのキャラの魅力ボーナスが乗るというもの、ブラックガードの暗黒の祝福を強化した感じの能力である。
この能力を持ったアンデッドがD&D3.5e日本語環境で居たかどうかは不明(調べるのめんどい)だが、未訳のアンデッド専門本「Libris Mortis」には何体かこれを持った中~上位アンデッドモンスターが収録されている。

さらには後出になるがパスファインダーRPG(ルール的にD&D3.75版と言われている)のデミリッチもUnholy Grace(私家訳wikiでは不浄の恩寵)を持っており、ここらも参考にした可能性アリ。

追記:パスファインダー版デミリッチのデータが初公開されたPaizo blogは2011/12月、Arcadia掲載Web版闘技場でのアインズの各能力(含む不浄なる加護)は2011/10月とオバロの方が先であるが、パスファインダー版は[酸]に対する完全耐性を持っていたりとD&D3版のリッチ&デミリッチよりもアインズの能力に近い部分がいくつか見らる。これは偶然なのか、それともパスファインダー版に合わせてアインズの能力を後から改定したのか、今となっては判別が付かない。

 

〈邪悪言語理解〉
「魔物の書Ⅰ」記載の猛悪特技《暗黒語/Dark Speech》が元か?
この特技無しに暗黒語を話そうとすると必ず即死する、しかし望まぬものに使用させるのは発音が難しいため不可能というゲーム的都合に配慮した言語である。
その効果は悪属性の聴衆を魅了したり悪以外の聴衆をビビらせたり、呪文使用時やアイテム製作時の術者レベルが1上がったり物体を脆くしたり、効果は多岐に渡りずいぶんとっちらかってる感じだが、元はサルバトーレだかの小説設定からの逆輸入のようである。

追記:暗黒語の初出は「不浄なる暗黒の書」2002年であり、Paul Kempfによるレルムが舞台の小説「Dawn of night」は2004年、後出でした。

さらに追記:この《暗黒語/Dark Speech》自体、指輪物語においてサウロンが作った言語の「暗黒語/Black Speech」が発想元にあると思われる。冥王の使用する魔力の込められた言語、アインズ様に相応しいかと。

 

〈アンデッド支配〉
D&D3版において、善のクレリックは自らの信仰の力によりアンデッド退散/破壊(ターンアンデッド、ウィザードリィでのディスペル)を行えるが、悪のクレリックは変わりにアンデッド威伏/支配能力を持つ。これはアンデッドをビビらせるという退散に比べると地味な効果だが、レベルが十分に高ければアンデッド支配となり対象をコントロール下におく事が出来る。
なおターン回数や判定、支配総数に使われるキー能力は《魅力》となる。
また「信仰大全」記載の特技《アンデッドの支配者》では支配下に置きコントロールできるアンデッドの総数が増える。

基本クラスであるウィザードの死霊術専門化、ネクロマンサーでこの能力を得る事は出来ないが、未訳サプリ「Heroes of Horror」記載の基本クラス「Dread Necromancer」は死霊術特化の秘術使いでありながらアンデッド威伏を持っている。
アインズがこの能力をどうやって得たのかはわからないが、上級クラスの能力によりアンデッド威伏/支配を取得した、あるいは呪文《コントロール・アンデッド》の擬似呪文能力を得たというあたりが有りそうな所。

追記:書籍版では消されているがWeb版によるとクラス:トゥルーネクロマンサーで習得した模様。

〈アンデッド強化〉
特技《アンデッド強化》では作成したアンデッド・クリーチャーの筋力と敏捷、ヒットポイントにボーナスを得る。
また上記のクラス、ドレッドネクロマンサーはこれを8Lvのクラス能力として得る。

 

追記:〈漆黒の後光〉

D&D3.5eにオーラと名の付く能力は数あれど、後光と名の付くものは一つしか知らない。
すなわち「高貴なる行いの書」記載の善人専用特技《後光/Nimbus of Light》だけだ。
この特技の効果は善のクリーチャーに対する〈交渉〉及び〈真意看破〉技能判定に+2と、かなりゲーム的にどうでもいい効果。
あとこの後光は好きなだけ自由に点けたり消したり出来る(ランプと同様の明るさ)

オバロ作中ではなにも効果が無さそうなエフェクト描写だったが、あえて上記特技からその効果を推察するなら
取得条件:属性 極悪
効果:悪のクリーチャーに対する〈交渉〉及び〈真意看破〉技能判定に+2(10%向上)みたいな感じか?

 

こうして見るとアインズのスキルには能力値《魅力》を必要とするものが多い。
これは3版系D&Dでいやらしい特殊能力(魅力でセーヴ難易度を決めてる)を持っているアンデッドの常なのだが、パーティメンバーの誰よりも見た目がアレな敵アンデッドのほうがイケメンだった、という笑えない状況もよくある話でありパラディンソーサラーなんかをPCとして選ぼうものならその時点でリーダー決定みたいな(偏った意見)

追記:魅力、あるいは<交渉>ランクの高いキャラをリーダーに選ぶというのはゲーマー的に真っ当な思考だが、D&Dゲーマーの中にはクラス:レンジャーにリーダーをさせようと主張する人がたまにいる。これはD&D系小説において(何故か)主人公がレンジャーであることが多い所からのものだが、その中でも特に「ドラゴンランス」初期シリーズの主人公、タニスの影響が大きいと思われる。彼は性格に難アリな仲間たちをまとめる(纏まっていない)一行の悩み多きリーダー的存在であった。そんなタニスのクラスはレザーアーマ着用で剣と弓を使い分けてるとこから小説読者からレンジャーと思われがちなのだが、実はデータ的にはH.F.O(ハーフエルフ・ファイター・オトコ)である。

11巻、ドラゴンの強さに関して

とりあえず無茶を承知でフロスト・ドラゴン=D&D3.5eのホワイト・ドラゴン相当の前提で話を進めていく。
まず言いたいのが、オラサーダルク弱すぎ!

巻末のキャラクター紹介を見てみると計46Lvのエインシャントのようだが、D&D3.5eのエインシャント・ホワイト・ドラゴンは凄く大雑把なオバロ換算をすると「100Lv前衛」の肉体戦闘能力と「30Lv妖術師」の魔法詠唱能力を併せ持つ存在である。
これでも他の真竜種よりかはホワイト・ドラゴンはかなり弱い方であり、D&Dでの竜は(ゲームにその名を冠するだけあって)とても強大な種族である。


"ドラゴンは成長するにつれて、学ばなくても種族の特徴として魔力系魔法を使う術を身につける。"
"その一番強いドラゴンも本当は第八位階まで使えるのに隠しているという可能性は? " -書籍11巻377p

ドラゴンは成長するにつれソーサラーとしての呪文発動能力を得ていくが、ここでアインズは第八位階までの詠唱能力を想定している所に注目。

D&D3.5eでのホワイト・ドラゴンは年齢段階/エイジカテゴリーの最終であるグレート・ワーム(大長虫)でも6Lv呪文までだが、他の真竜種では8~9Lv呪文の発動能力を得るまで成長する。

アインズはオラサーダルクの第三位階までという情報からかなり弱いドラゴンと見積もったようだ(そしてそれは正解である)


"ちなみにオラサーダルクは竜としての最高位の成長段階まで到達しております。
あの世界ではあれ以上の成長段階はないんじゃなかったかな?" 11巻作者雑感

D&Dの年齢段階ではエインシャントの上にさらにワームとグレート・ワームがある。
あの世界では(ユグドラシルとは言ってない)ないんじゃなかったかな?(無いとは言ってない)と、やろうと思えば深読みできる発言であはる。

 

これら以外にも書籍7巻ではマーレが90Lvに近いドラゴン2匹を従えているとされており、ドラゴン種の強さが(同じ成長段階でも)ユグドラシルから転移後世界で大幅に弱体化した可能性は大きい。

 

追記:考察の続きはここ