Tomb of the Overlord

オーバーロード 元ネタ考察 備忘録

はじめに

このブログは丸山くがね氏の小説「オーバーロード」について、
そのユグドラシル世界に大きく影響をあたえているであろう、ダンジョンズ&ドラゴンズ3.5版(以降D&D3.5e)視点から、元ネタを考察していく個人的な備忘録です。
オーバーロード」内から出展のものは〈山カッコ〉、D&D3.5e出展のものは《二重山カッコ》で表記しています。
D&D3.5eについては、特に記載ない限り基本ルールブック3冊(PHB,DMG,MM)からの出展です。

自分は3版系で邦訳された分はほぼ全てルールブックを揃えていますが、なにぶん物量が多く未訳まで含めると甚大な量となります。また丸山くがね氏がプレイ経験を明言しているクラシックD&D(赤箱)、ダンジョンズ&ドラゴンズ4版、ソードワールドガープスなどについての知識はほとんどありません。
そのため勘違い、的外れな考察もあるかもしれませんがそこはご了承ください。

追記ログ

2019/7/19「聖王国の聖騎士」描写から見るルール その5
ソリュシャンの不可視化看破能力について追記

2019/7/18 召喚魔法のしくみ
「亡国の吸血姫」での描写について追記

2019/7/14 クラス考察 その1 ほか
「亡国の吸血姫」関係について追記、ココとかココとかココ

2019/6/28「ソス卿はどうしてデスナイトになったんですか?」
デスナイトの特性について追記

2019/1/13 甘い薫りは命取り
D&Dでのブラック・ロータス及び毒について追記

2019/1/11 クラス考察 その1
スペシャリストウィザードについて補足追記

2018/12/25 d20 強さランキング
クリスマスっぽい人を追記

2018/11/11 呪文 その8
〈パーフェクト・ウォリアー〉について追記

2018/10/21 アイテム その1
無限の水差しについて追記

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火を吐く大怪獣のリアリズム

今期アニメ、卓ゲーマー的に『放課後さいころ倶楽部』に注視したいところだが…
ファンタジーブログとしては、やはり異世界×プロレス×ケモナーという異色作『旗揚!けものみち』に触れておかなければならないだろう。

さてこのアニメの2話、サラマンダーがブレスを吐くシーンでちょいと興味深い描写がなされた。

 

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これは…

口の中から炎が出てるんじゃなく、
微妙に口もとからズレて、火が出ている!

昔のアニメだと描けなかった描写!!
つまり、口からは燃料だけを噴出し空気中で炎となる表現!!

リアル!!
SF性!!

  *島本和彦アオイホノオ』2巻100P、サイボーグ009オープニングアニメ解説より抜粋

 わずか10秒にも満たないシーンではあるが、二昔前のアニメマニアならば上記のように絶賛したであろう見事なブレスの表現であった。

 

それはそうと「火を吐く怪物」の代表的存在であるドラゴン、それも何十年にわたって設定を重ね練ってきたD&Dドラゴンのブレス設定ではどうなっているのか。気になる人もいるかと思うが、これがSF・ファンタジーマニアの心配を余所にずいぶんとストレートかつ乱暴適当なモノとなっている。

 

40 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/08/01(月) 02:20:33.47
>>9
ドラゴンはドラゴン袋
ゼットンゼットン袋から出す

*2chなんでも実況Jスレ「ドラゴンってどういう原理で火を吐いてるんや?」より転載

上記書き込みは一見特撮あるあるネタにみえるが、まごうことなきD&D公式設定であり、そしておそらくこれはD厨による書き込みである。

 

D&D3.5版サプリメント『竜の書:ドラコノミコン』 プレビュー、ブレス攻撃の項目を見てみるとこうある。

ブレス攻撃がいかなる形態をとるにしろ、それはドラゴンの肺の奥深くで、心臓の近くにあるドラゴン袋が作り出したエネルギーを用いて作られる。

 「いかなる形態」ってのが炎のみならず冷気、電撃、酸、果ては力場や分解、老化ブレスまで含むのはアレな話ではあるが、それはともかく「draconis fundamentum」をドラゴン袋と訳したHJ和訳チームD16氏の偉業は、D&Dの名訳/迷訳として「プルトニウム貨」「ワォーハンマー」「ウォーマンマー」「地獄企業の標準的な人足」などと並び、今後も長く語り継がれてゆくことだろう。

魔剣の系譜

1つ前の記事でポール・アンダースンムアコックに触れたことだし、せっかくだから今度はそれに絡んだオバロネタ、魔剣キリネイラムのインスパイア元を順に遡ってみようと思う。


魔剣キリネイラムオーバーロード
「漆黒の剣」四大暗黒剣の一つ
「漆黒の刀身に夜空の星を思わせる輝き」とあり、下記のブラックレイザーと見た目が酷似している。


ブラックレイザー(AD&D、シナリオ:ホワイトプルームマウンテン)
神秘的な星々の煌く夜空を切り取ったような刃を持つ、インテリジェンスソード。

版により性能の詳細は異なるが、知性を持ち使用者に殺害を強制、攻撃した相手の魂を食らい(レベルドレイン)蘇生困難化、吸い取った生命力で使用者の筋力及びHP増強など下記ストームブリンガーの能力をそれっぽくD&Dで再現している。
なおシナリオ作者に対するインタビューによると「露骨にストームブリンガーのパクリでちょっと恥ずかしい」との事。

 

ストームブリンガーマイケル・ムアコックエルリック・サーガ
「黒の剣」とも呼ばれる、詳細はwiki参照
ファンタジーにおける"魔剣"の代表的存在
ムアコックによると下記小説の「折れた魔剣」に大きな影響を受けたとの事だが、直接ティルヴィングを参照した可能性も高い。

 

テュルフィングポール・アンダースン作「折れた魔剣」)
小説「折れた魔剣」は北欧やケルトなど多くの神話伝承をベースとして作られた悲劇的英雄譚。作中主人公が手に入れる魔剣の名は下記北欧神話のサガからとられているが、「折れたる剣が、鍛え直される」という点についてはグラムの伝承も影響しているのかもしれない。
なお「折れた魔剣」と「指輪物語」及び「シルマルリオン」には似通った部分が多いが、どちらかがパクったとかいうわけでは無く、元ネタとした伝承が被っただけである。

 

ティルヴィング(上記の表記揺れ、北欧神話、ヘルヴォルとヘイズレク王のサガ)
めんどいのでwiki参照。

ひとたび鞘から抜かれれば血を吸わずにはおさまらず、持ち主の願いを三度まで叶えるが、それによって自身も破滅するという呪いがかかっている。

神話伝承創作ひっくるめて"呪われし魔剣"の原型といえる武器であるのだが…

ファイナルファンタジーシリーズ(3以降)を始め、電源系RPGで武器にその名を採用しているものは多いが、名前だけ北欧神話からパクってきたというだけで、上記のような呪われし魔剣としての性質をゲーム上で再現しているものは殆ど無い。

 

このように魔剣の系譜を源流まで辿ってみれば、ナルシル/アンドゥリル(指輪物語)やインテリジェンスソード (悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲)、おうじゃのけん(ドラクエ3)までもがキリネイラムの遠い親戚筋という事になる。

ファンタジーRPG必読作家リスト

ファンタジーRPG必読と銘打ってはみたが、以下に並ぶのはAD&D1stダンジョンマスターズガイド(1979)のケツの方に書かれていた(そしておそらく5版にもあるのだろう)ガイギャックスお勧めの作家及び著作リストである。
ファンタジーじゃなくてSF多すぎ、とかC.A.スミス忘れてない?とか未訳大杉みたいなのもあるが、とりあえずここに書かれている以上、初期D&Dの成立すなわちRPGの源流に影響を与えている物として非常に重要であることは間違いない。

このブログでも元ネタ作家については以前から色々書いてきたが、いいかげん読んだのも昔でうろ覚えの物も多く、事ある度に海外サイトをググるのも面倒なのでまとめておく。


ポール・アンダースン
「魔界の紋章/Three Hearts and Three Lions」
*秩序と混沌の対立構造、異世界転移、現代知識、騎士道物語(クラス:パラディン)、再生能力を持つトロール、スワンメイ(白痴ヒロイン)と、並べて書くとかなり濃いが現在のRPGにも引き継がれている要素が多い

 

ジョン ベレアーズ
「霜の中の顔」
*多数の魔法書にマジックアイテムが登場、クラス:ウィザードの原型の一つか


リイ・ブラケット
*スペース・オペラを多数執筆「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」の脚本も手がけたが、公開時期的にAD&D1stへの影響は無い

 

フレドリック・ブラウン
*SFとミステリーが主でファンタジーは無い

 

エドガー・ライス・バロウズ
火星シリーズ、金星シリーズ、地底世界(ペルシダー)シリーズ
*「火星のプリンセス」が異世界転生モノの始祖のように語られることもあるが、それが日本の所謂なろうファンタジーに繋がっているとは思えない


リン・カーター
*ガイギャックス的に「World’s End」シリーズがオススメらしいが未訳である。ヒロイック・ファンタジーほかクトゥルー関係やアンソロ本で活躍


L.S.ディ・キャンプ&フレッチャー・プラット
「ハロルド・シェイ・シリーズ」 「CARNELIAN CUBE」(未訳)
*異世界転移して現代知識でチート(雑なまとめ)


オーガスト・ダーレス


ダンセイニ卿


フィリップ・ホセ・ファーマー
「階層宇宙」シリーズ


ガードナー・フォックス
「Kothar」「Kyrik」シリーズ(未訳)
*ファンタジー小説よりアメコミ方面で有名だが、RPG的にはリッチの直接の元ネタを書いた人

 

ロバート・E・ハワード
「英雄コナン」シリーズ
*コナンはクラス:バーバリアンの原型であるが、作中のコナンは原始的な直観&パワー描写以外にも、盗賊や海賊を生業とし狡猾な戦士としての立ち回りも多い為、D&Dにおいてキャラ再現される場合はローグ(シーフ)混ぜになることが多い

 

Sterling E. Lanier
「HIERO’S JOURNEY」
*ポストアポカリプス物らしいが、この作家の著作は全て未訳。後のサイオニックやガンマワールドに影響


フリッツ・ライバー
「ファファード&グレイ・マウザー」(二剣士)シリーズ
*『剣と魔法/sword and sorcery』の代表的作品であり、蛮人ファファードと盗賊グレイ・マウザーのコンビによる冒険譚は最もD&Dのプレイスタイルに近いと評される。またグレイ・マウザーはクラス:シーフの原型の1つであり、作中で巻物から呪文を使うシーンがクラス能力である「魔法のアイテム使用」に影響を与えた


H.P.ラヴクラフト


A・メリット
「Creep, Shadow! 」「ムーン・プール」「蜃気楼の戦士」
*自分としては「イシュタルの船」を強く推す。異世界転生オレツウェイ、個性的な仲間(ハゲ)、さらわれた巫女、メリケン的筋肉ヒーロー!


マイケル・ムアコック
エルリック・シリーズ、ホークムーン・シリーズ(特に最初の3冊の本)
*ダークヒーロー、魔剣、法と混沌の対立(上記、魔界の紋章がインスパイア元)、諸神格が多元宇宙にわたって陰謀&抗争を繰り広げる世界観
ここの作品群の中では比較的新しい為か、エターナル・チャンピオンシリーズの総括たるエレコーゼやホークムーンのブラス城年代記はリストに入っていない


アンドレノートン
*ペンネームは男性名だが女性作家。60歳を過ぎてからガイギャックスのD&Dプレイグループに所属した(1976)というからオドロキ、すごいおばあちゃんだ。
D&Dには多数のマジックアイテムや、魔法使いの使い魔などに影響を与えたという


アンドリュー・J・オファット
*SFマガジンなどで短編が少数和訳されたのみ


フレッド・セイバーヘーゲン
「アードネーの世界」


マーガレット・セント・クレア
「THE SHADOW PEOPLE」「SIGN OF THE LABRYS」


J.R.R.トールキン
ホビットの冒険」「指輪物語
*財宝を抱えた強大なドラゴン(スマウグ)、エルフ、ホビット(ハーフリング)、ドワーフ(ガイギャックス曰く他からの影響)、ミスリルバルログ(バロール)、エント(トリエント)、ナズグル(最初期D&Dのみ)
注意点として「シルマリルの物語」「終わらざりし物語」などの後年になって追加出版された設定は、時期的にAD&D1stへの影響は無い


ジャック・ヴァンス
切れ者キューゲル」「終末期の赤い地球」
*キューゲルはクラス:シーフの原型の1つ、上記グレイマウザーと同様に作中で呪文書から魔法を使うシーンがある(まあキューゲルは呪文を間違えたりして大変な目に合うのがいつものオチだが)他にもD&Dの呪文関係に多大な影響を及ぼしている

*「終末期の赤い地球」は「ファンタジー世界だと思ったら、実は科学文明が衰退した遥か遠い未来の地球」という世界観(所謂ダイイング・アース)であるが、コレはC.A.スミスのゾティーク連作にインスパイアされている。なお後年になると今度は「終末期の赤い地球」にインスパイアされたジーン・ウルフ作新しい太陽の書」が生まれるが、この作品の主人公セヴェリアンの持つ剣「テルミヌス・エスト」を元ネタとしてラノベヒロインD&D3.0版で武器マーキュリアル・グレートソード(サプリメント『武器・装備ガイド』収録)が生まれると言う、1930年代から2000年初頭まで続く細くて長い繋がりが見て取れる


スタンリイ・G・ワインボウム


マンリー・ウェイド・ウェルマン
*「シャーロック・ホームズ宇宙戦争」が一番有名か?


ジャック・ウィリアムスン


ロジャー・ゼラズニイ
「影のジャック」「真世界アンバー」シリーズ
*ジャックはクラス:シャドーダンサー(後年)の元ネタか
神話をベースとしSFとファンタジーを融合させた作品を多く書いた人だが、作品ごとの当たり外れが大きい、というか個人の好き嫌いの傾向が大きく出ることが多い。
(アンバーシリーズはファンタジーファンに絶大な人気を誇るが、一部SFファンには低く見られていたり)
個人的には「ロードマークス」のわけわかんなさが大好き。それと「影のジャック」は「ダークソウル」との共通点が多い気がするが、マイナーさゆえかその点についての指摘は見たことが無い

 

以上の作家の内、ディ・キャンプ&フレッチャー・プラット、ハワード、フリッツ・ライバージャック・ヴァンスラブクラフト、A.メリットが「AD&Dに最も直接的な影響を与えた」との事。


なお日本においては翻訳の関係で直接的にはAD&D1stが入ってこず、ザナドゥ、初代FF、ウィザードリィ、ロードス、バスタードなどからの間接的な影響となってしまったが、それに比べるとマイケル・ムアコックエターナル・チャンピオンシリーズは順調に和訳されていったこともあって、80年代後半の日本ファンタジー界隈に与えた影響は目に見えて大きかった。

「亡国の吸血姫」描写から見るルール その2

アンデッドになった者の蘇生関係 73pから81pぐらい

どうやらD&D、ユグドラシル、転移後の世界でそれぞれ設定が違うみたい

D&Dでは:倒した後、高位の蘇生呪文であれば生者として復活
ユグドラシルでは:アンデッドからの種族変更はワールドアイテムが必要
転移後では:倒した後、高位の蘇生呪文であればアンデッドとして復活するが、アンデッド化の元凶を取り除けば元に戻ったという記録もある

まあ「亡国の吸血姫」で生者としての復活が不可能だった原因については〈始原の魔法〉やキーノのスキルの絡みもあるので、さらなる検証が必要か。

 

"ちなみにスライムゾンビは存在しない。どんな種族でもゾンビ化、スケルトン化はする。ただし例外的に骨格がない者にはゾンビ化、スケルトン化が起こらないとユグドラシルでは決まっていた" 89p

D&D3版系ではゾンビ及びスケルトン・テンプレートを適用出来る元種族は「(アンデッドを除く)骨格を持つ実体のあるクリーチャー」となっていた。

 

"ゾンビの移動速度は鈍い" 100p

D&D3版系ではゾンビ化すると1ラウンドに1アクションしかとれなくなる。
つまり通常ならば移動後に攻撃orダブル移動、となるところがゾンビだと移動か攻撃のどちらかのみとなってしまう。

このようにゾンビ化はある意味弱体化でもあるため、ヒット・ダイス(オバロでの種族レベル)に対し脅威度(オバロでの難度)は1/3程と他のモンスターに比べるとかなり低い。

 

"信仰系魔法職者の存在が神の力があることを保証している。だからこそキーノは神の力だけを借りるなり、奪うなり、盗むなりして皆を元に戻せないか、という研究も試みた"  92p

キーノちゃんはウルプリーストにでもなるつもりなの?

ソーサラーからじゃ前提条件の1つの<知識:宗教>8ランク以上がかなりきついなぁ。

 

"そんな凄い炎の杖を振り回す炎の巨人の王を倒すなんて出来ないよ"
"剣を棄ててレーヴァティンを取り出した際の余波を食らって" 200p

ユグドラシルではスルトの持っている炎の剣はレーヴァティンでは無く、レーヴァティンは杖という解釈のようだ。
ちなみにD&Dのスルト(神格ランク14、中級神)は超巨大サイズの+5ブリリアントエネルギー・フレイミングバースト・ロングソードを持っている。

 

"装備されているアイテムは、着用者の能力などと結合され、同じだけの抵抗力を持つ。例えば悟がネックレスを装備した時と、地面に落ちたネックレス。同じ耐久力を持っていたとしても簡単に破壊されるのは地面に落ちている方だ" 339p

D&D3.5eでアイテムがセーヴィング・スローしなければいけない状況でのルールはほぼ上記と同じである。
これらのルールをそのまま運用すると地面に落ちたアイテムは魔法の品であってもとても壊れやすい、武器落とし後にファイアーボールかましてくるようなひどいDMもけっこういるので要注意である。

 

"ユグドラシルの場合、金貨はひとまとめにされ重量はない扱いだった。ゲームだからこそだが、その恩恵は今でも受けている。ではこの世界の貨幣は同じ扱いなのか。それとも一枚一枚に荷重判定があり、合計されていくのだろうか。もし、そうだとすると面倒なことになる" 145p

ウォーゲームの影響が色濃く残るAD&D1st、その後継でありシステマチックに進化したD&D3版系では当然厳密な荷重のルールがあり貨幣ほか諸々のアイテムに重量(3版系ではポンド)が決められている。

貨幣の荷重といえば、財宝の全てが銅貨だった為に重くて持ち帰れなかったとかいう古典的嫌がらせが有名であるが(ガイギャックスが息子相手にやらかしていた)そういった面倒事を別にしても、まず荷重計算がめんどくさい。

「鉛筆と紙」でプレイするRPGでは、これはとんでもなくプレイアビリティを損なうルールに見えるだろうが、21世紀の電脳キッズたる筆者は全てエクセルのキャラクターシートにぶち込んで計算していたので、その点については苦労した覚えは無い。

 

 *重量がらみの余談。あなたがもしD&D初心者なら、キャラメイクする時に名前はすぐに決めなくてもいいが、とりあえず体重は決めておこう。

最初の冒険で君が名の知れた英雄になる事は無いだろうが、死体となって引きずられる可能性は高いからだ。

呪文 その29

〈シャイニングバースト/陽光爆裂〉?位階

《サンバースト/陽光爆発》 ウィザード8Lv、ドルイド8Lv呪文

オバロではカルマでダメージが変動したようだが…D&D3.5eでの特徴としては半径80ftの[光]の爆発とやたらと広範囲に盲目効果、呪文Lvに対してダメージはかなり低い。ただしアンデッドや粘体、スライム、カビ系に対してはダメージが増え、さらにヴァンパイアに至ってはセーヴ失敗にすると1発で灰にする事が出来る。

 

〈ファイヤー・ストーム/炎の嵐〉信仰系第?位階

《ファイアー・ストーム/火炎嵐》 クレリック8Lv、ドルイド7Lv呪文

ファイアーボールなどの爆発とは違い、効果範囲は術者がある程度制御できる

 

〈クリエイト・ウォーター/水創造〉第1位階
《クリエイト・ウォーター/水の創造》 クレリック0Lv ドルイド0Lv パラディン1Lv

D&Dだと術者レベルあたり2ガロンの水を作り出す、ナスターシャだと30ℓくらい?
まあ「亡国の吸血姫」によると、0位階の水創造生活魔法が別にあるようなのでD&Dと仕様はちがうかも。

 

〈デハイドレーション/脱水〉第4位階
《Desiccate》クレリックドルイド、 ウィザード各2Lv呪文、上位の複数版(マス)は6Lv

未訳の砂漠環境本「Sandstorm」記載の呪文。生物に乾燥ダメージ+脱水効果、ウォーターエレメンタルや植物にはダメージアップという、まあ亡国の吸血姫での描写とおおむね同じ効果なのだが… 
同様の呪文としては基本ルール記載の《ホリッド・ウィルティング/恐るべき枯渇》ウィザード8Lvなどもあるが、どれも呪文Lvがオバロとけっこう違っているので、たぶん発想が被っただけで元ネタではない。

追記:《Desiccate》のダメージ上限Up版である《Wither》呪文が4Lvにあった。

 

"巻物に似せた罠などがあってね。使おうとした瞬間、大爆発などもありえます" 「亡国の吸血姫」122p

《エクスプローシヴ・ルーンズ/爆発のルーン 》ウィザード3Lv

本や地図、巻物などに書かれたこのルーンを読むと爆発する、D&Dのトラップ用呪文としてはポピュラーなもの。

同様の罠呪文としては《セピア・スネーク・シジル/セピア色の蛇の印》ウィザード3Lv呪文があり、印を記した本を読んだ途端に中からヘビが襲いかかってくるといったものだが、こちらの呪文はヒルマの使用した〈タトゥー・オブ・ヴァイパー/毒蛇の刺青〉の発想元となったと思われる。

 

〈マリオネット/人形化〉 ?位階

あえてD&D3.5eで探せば呪文大辞典収録の《パペッティア/人形操り》バード3Lvが近いか。
この呪文が効いたら対象は術者の真似をするよう強制される、自殺的な行為にはもう一度抵抗(意思セーブ)出来るが、これに成功しても1d4ラウンドの気絶という「効いたら詰み」な呪文である。
自分とこのプレイグループには過去にこれを愛用するバードがいたが、そりゃ脳筋デカブツを操るのは楽しいだろうね。

 

〈ヘルフレイム/獄炎〉第7位階 アインズが使用
ヘルファイアー・ストーム/地獄の業火の嵐》デヴィルの領域7Lv呪文 「不浄なる暗黒の書」初出「魔物の書Ⅱ」で強化

こちらにも書いたが[火]の抵抗では軽減できない地獄の業火を起こす、その代り最大ダメージは低めな呪文。